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ビヨンド・ユートピア 脱北のIPPOのレビュー・感想・評価

3.6
韓国映画にハマり早6年半。
韓国映画を観続けていると自然に蓄積されてくる北朝鮮の知識。北からの脱北者の描写も少なくない。
北から韓国へ渡った人々は身の安全を確保出来たろうが、韓国社会で生きづらさを抱えているんだろう…
確かめたくても日本に暮らす一般人が脱北者の現実を調べるには未知の世界だ。いや、調べたり知ることさえなにか怖い。

そんな国 北朝鮮。

本ドキュメンタリーは複数の脱北者のインタビュー、北朝鮮国内で秘密裏に撮られた映像を取り入れ、実際に脱北を試みる5人家族と、先に韓国へと脱北した母が息子を呼び寄せ10年ぶりの再会に胸を馳せる、そんな2つのケースを追った内容だ。

80代のおばあちゃんが必死でジャングルを超えるシーンはハラハラ。終盤は2020年のコロナ禍を迎え、脱北ルートが閉ざされ今は助けようがない といった状況で幕を閉じていた。2024年現在の脱北者のリアルはどう変化したのだろう。

本作で公開された中国瀋陽を起点した脱北ルートもアジアの歴史や文化に興味がある者にはとても興味深く映るんじゃないかな。

うん、なかなか貴重な作品です。
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