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コット、はじまりの夏のQIのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
3.8
“ふたりのdad”

アイルランド映画

なので基本アイルランド語、時々英語

主人公の少女コットは寡黙がゆえに人から変わった子と思われ、家にも学校にも自分の居場所がないと感じています

そんな彼女が家の事情で一夏を親戚の家で過ごし成長していくというお話

少女の成長物語というと『ミツバチのささやき』を思い出すかもしれませんが、あの作品のような政治的メタファーだらけというわけでもなく、お話はとてもわかり易い

さらにテーマも特に目新しくはないのですが…

コットを演じたキャサリン・クリンチの演技が素晴らしすぎる!

言葉を発せずとも、その表情、その佇まい、そして彼女が発するオーラとも言えるその雰囲気

原題の『The Quiet Girl』を体現する見事なキャスティング

そんな彼女からしっかりと想いを汲み取ろうとする親戚夫婦

「秘密は悪いことではない」という言葉

走ることも自分を表現することだと気づく彼女

「言葉で言わなければわからない」とよく人は言うけれど、そもそも言葉はコミュニケーションを効率的に行うためにあとから生み出されたもの

言葉だけではなく文字も含め、そこにはコミュニケーションリスクもあるはず

オープニングとエンディングに流れる木々のざわめきや鳥の声

そんな自然の営みも含め、自分が相対したものからどれだけのことを感じられるかということの大切さをあらためて気づかせてくれる作品でした

ラストシーンで言葉が苦手なコットがあえて発した言葉

様々な思いが脳裏を駆け巡ります

p.s.
アイルランド出身の俳優として真っ先に思いつくのはシアーシャ・ローナン

キャサリン・クリンチにもどこか彼女のような雰囲気を感じ、どんな俳優に成長していくかとっても楽しみ😊

可愛いし😁
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