むらむら

ゴジラ-1.0のむらむらのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0
元特攻隊員が、木造機雷探査船の仲間たちと一緒にゴジラと戦う話。

ゴジラの圧倒的な力を見せつけるCGはメチャクチャ良かった。冒頭の「ジュラシックパーク」みたいなシーンで震え上がったもん。この作品のCG制作に関わった皆様、ホントおつかれさまでした。

【良くなかった点】

「ゴジラ原理主義者」ではない俺なのだが、それでも

「この『NHK朝の連続テレビ小説』みたいなシーン必要?」

と感じる箇所が多々あった。

同僚を招いて家族団らんとか、飲み屋で一杯とか、そんなんどーでもいいから、早くゴジラ出してくれー! 「らんまん」みたいなシーンは、もういいから! と、ゴジラの登場が待ち遠しかった。おそらく、海底で出待ちしていたゴジラも、同じ感情だったに違いない。

それと、主人公の敷島の性格が、かなり面倒くさいというか、友達になりたくないタイプ。まぁ、敷島の方でも、俺と友達になりたいなんて一ミリも感じてないだろうけど、俺が木造船の同僚だったら、

「あのすぐキレる新人、ヤバいっすよ」

って船長に告げ口して、試用期間中に辞めさせてるね絶対。

敷島に限らず、全体的に説教臭いのも、人間ドラマシーンが不必要だなーと感じた原因。なんでもかんでも台詞で説明しするので、出てくる人全員、「鬼滅の刃」の炭治郎に見えてきてしまった。

その割に、めっちゃゴジラの倒し方を語ってたゴジラ博士みたいな人、結局、言ってること全部間違ってたよね? 最後なんかいい感じだったけど、もっと責任感じててほしかった。

続いて、この作品の良かった点。

【良かった点】

冒頭にも書いたが、ゴジラの登場するシーンはめっちゃ良かった。

特に俺の気に入ったゴジラ描写ベスト3:

1.背中の背びれが、「欽ちゃんの仮装大賞」みたいに、「プ、ププ、プププププー」と電気が付くとこ

2.新橋で酔い潰れたオッチャンみたいに勢いよく口からビームを振りまく姿

3.東京に襲来して甚大な被害をもたらすくせに、無意味に一回海底に戻ってしまうサラリーマンみたいに律儀な行動

それにしても、ゴジラも毎回毎回、いろんな倒され方を試されて可愛そうだよね。

これまでも、口からうがい薬みたいなのを入れられたり、キングコングに殴られたり……果ては今回の「ワダツミ作戦」でも、また斬新な方法で討伐されそうになる。たが、今回の作戦は、ちょっとディズニーランドの「タワー・オブ・テラー」みたいで、ゴジラも楽しそうで良かった。

それより、ちょっとネタバレになるが、浜辺美波演じるヒロインの典子が、ゴジラ以上の不死身っぷりで驚愕。

トム・クルーズみたいなアクションして高所から落下してるのに、次のシーンではスタスタ歩いてるし。

「もしかして中身は日本海軍の秘密兵器?」

と伏線を疑っていたら違った。

けど、ここまで来たら、「シン・ウルトラマン」の長澤まさみみたく巨大化してゴジラとガチで殴り合っても、観客(俺)は喜んだのに……。

ドルビー音響で観たが、音楽の使い所と緩急が素晴らしいので、できれば音響の良い映画館で観ることをオススメする。

全体的には大満足なんだけど、やっぱりNHKの朝ドラみたいなシーンは全部なくして、延々ゴジラが暴れまわるだけでも(俺的には)良かったんだけどなぁ。

お茶の間のシーンも、神木隆之介&浜辺美波にやらせないで、ゴジラとキングギドラにやってほしかったです。

(おしまい)
むらむら

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