元特攻隊員が、木造機雷探査船の仲間たちと一緒にゴジラと戦う話。
ゴジラの圧倒的な力を見せつけるCGはメチャクチャ良かった。冒頭の「ジュラシックパーク」みたいなシーンで震え上がったもん。この作品のCG制作に関わった皆様、ホントおつかれさまでした。
【良くなかった点】
「ゴジラ原理主義者」ではない俺なのだが、それでも
「この『NHK朝の連続テレビ小説』みたいなシーン必要?」
と感じる箇所が多々あった。
同僚を招いて家族団らんとか、飲み屋で一杯とか、そんなんどーでもいいから、早くゴジラ出してくれー! 「らんまん」みたいなシーンは、もういいから! と、ゴジラの登場が待ち遠しかった。おそらく、海底で出待ちしていたゴジラも、同じ感情だったに違いない。
それと、主人公の敷島の性格が、かなり面倒くさいというか、友達になりたくないタイプ。まぁ、敷島の方でも、俺と友達になりたいなんて一ミリも感じてないだろうけど、俺が木造船の同僚だったら、
「あのすぐキレる新人、ヤバいっすよ」
って船長に告げ口して、試用期間中に辞めさせてるね絶対。
敷島に限らず、全体的に説教臭いのも、人間ドラマシーンが不必要だなーと感じた原因。なんでもかんでも台詞で説明しするので、出てくる人全員、「鬼滅の刃」の炭治郎に見えてきてしまった。
その割に、めっちゃゴジラの倒し方を語ってたゴジラ博士みたいな人、結局、言ってること全部間違ってたよね? 最後なんかいい感じだったけど、もっと責任感じててほしかった。
続いて、この作品の良かった点。
【良かった点】
冒頭にも書いたが、ゴジラの登場するシーンはめっちゃ良かった。
特に俺の気に入ったゴジラ描写ベスト3:
1.背中の背びれが、「欽ちゃんの仮装大賞」みたいに、「プ、ププ、プププププー」と電気が付くとこ
2.新橋で酔い潰れたオッチャンみたいに勢いよく口からビームを振りまく姿
3.東京に襲来して甚大な被害をもたらすくせに、無意味に一回海底に戻ってしまうサラリーマンみたいに律儀な行動
それにしても、ゴジラも毎回毎回、いろんな倒され方を試されて可愛そうだよね。
これまでも、口からうがい薬みたいなのを入れられたり、キングコングに殴られたり……果ては今回の「ワダツミ作戦」でも、また斬新な方法で討伐されそうになる。たが、今回の作戦は、ちょっとディズニーランドの「タワー・オブ・テラー」みたいで、ゴジラも楽しそうで良かった。
それより、ちょっとネタバレになるが、浜辺美波演じるヒロインの典子が、ゴジラ以上の不死身っぷりで驚愕。
トム・クルーズみたいなアクションして高所から落下してるのに、次のシーンではスタスタ歩いてるし。
「もしかして中身は日本海軍の秘密兵器?」
と伏線を疑っていたら違った。
けど、ここまで来たら、「シン・ウルトラマン」の長澤まさみみたく巨大化してゴジラとガチで殴り合っても、観客(俺)は喜んだのに……。
ドルビー音響で観たが、音楽の使い所と緩急が素晴らしいので、できれば音響の良い映画館で観ることをオススメする。
全体的には大満足なんだけど、やっぱりNHKの朝ドラみたいなシーンは全部なくして、延々ゴジラが暴れまわるだけでも(俺的には)良かったんだけどなぁ。
お茶の間のシーンも、神木隆之介&浜辺美波にやらせないで、ゴジラとキングギドラにやってほしかったです。
(おしまい)