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ゴジラ-1.0のfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

山崎監督があれだけのVFXの名匠になるまで沢山の時間、沢山の作品がかかりながらも、ここにきて「ハリウッドで好き放題されたゴジラにこれで対峙したい、どうだ!!」とでも言いたいような、割とアナログな手法も凝らした作品。最先端とアナログなリアルが混ざることでこんなに素晴らしい作品になったんだなと舞台挨拶を見てより思った、ネタバレ満載だから鑑賞後で本当によかった笑 海もVFXだろうと言われているけど本当に海上で船に乗って撮影したから酔った人もいるし本当に大変だった、ミッションインポッシブルな浜辺美波ちゃんも縦になった電車にではないもののぶら下がって撮影したから本当に辛そうな表情だし、翌日も体がおかしかったと(笑)神木君もミッションの旧型すぎるバイクをきちんと運転したと、ゴジラの恐怖の鳴き声は、マリンメッセで響かせてすごい台数のマイクやスピーカーやら駆使して怖く響くよう録ったと。だからこそそれぞれリアルだったんだなと、心から納得した。
ただ、さすがにゴジラはいないから目線の場所作ってお芝居をしたようだけど、試写で見たら顔だけでも想像以上に、あまりにでかくて驚いたと言っていたので笑 本当にでかかったから、そしてあの鳴き声だからこそ本当に怖くて、涙があふれた。
戦争、海上、化物、家族、下町....すべてにおいて山崎監督の作品が浮かぶし、あの映画微妙だったな、も、このゴジラのあのシーンのようだな、と思い出す場面も俳優もあって、彼の作品を多く見てきていれば衝撃と感動はあるものの、何ら驚きはないというか、あ、、ここに向かって彼は映画を沢山作ってきたんだねと心底思える。驚きはあるか笑
いつの時代設定でもできたかもだけど、戦争で一旦マイナスになった日本にさらにゴジラの出現だとマイナス2なわけで、つまり一旦マイナスから何とか復興して、主人公らも何とか餓死せず孤独になり家族を失いながらもギリギリ食べられるか寝られるかみたいな、他人同士の寄せ集めでも何とか生きてるか死んでるかみたいな生活の先でやっと、やっと幸せに迎えそうな、またゼロに戻った途端にゴジラでまたマイナス1。っていう設定...何なら原爆のような黒い雲、そして戦争より瞬殺。
もうやめてやってくれよ、って涙が出たけど、災難や地獄、絶望は重ならないなんて決まりはないわけで。
天災はほんとに突然だけど、戦争やゴジラって備えられるはず、って現代は思うけどどちらも共通してるのは、結局前線にいない人々には、起こるその瞬間まで何なのか、何が起こったのかわからないという点。見事にリンクしてた。冒頭のゴジラがいかに小さかったか、あれからいかに秘密裏だったか。主人公にいかに深い傷となり残ったか...後を見ればよりいっそうわかるようになっていて。
はたから見れば特攻のくせに生き残った人でなしとして悪夢を見ているようにもとれるしそうだった人もいるだろうけどまさかゴジラで苦しんでるなんて、誰も想像もできないよね。うまいことなってたなぁ...
船で一緒になったメンバーもすごくよかったな。𠮷岡さん最初コトー先生だったのにいつの間にかちゃんと学者だった笑
最後の大切なとこにもつながるんだけど、戦闘機に緊急の脱出口がなかったことを話すとこも涙出たし、こういう人が国や軍のトップにいてくれたなと思うと悔しくてたまらなかったし、でも結局一回は特攻とか戦争とか経験しないとそういう発想にもならないし。何とも言えなくて。
だからゴジラのあの作戦の時に、次こそは役に立ちたい、次こそは戦争に行ったような皆の頑張りを自分もしたい、次こそ国の為に死にたい
ってとこから、生きて帰る、が他のキレイに作られてきた多くの作品と違ってブレのないものになっていて。さすがにあれだけの爆風で飛ばされたら即死だろうなな彼女が生きていたっていうね。感涙だよね...でもそこもきれいなんじゃなくて、生きていれば、そういうこともあるんだと、生きたから知ったその後、も生きていればたくさんあるんだと、そして帰りの切符のない多くの若者の無念を、改めて実感する。
サクラさんも、あきこちゃんもすんばらしいお芝居で...青木さんも。すごい人しかいなかった。お国のため、よりも大切な身近な人の今後のため。だとしても、軍抜きであんな作戦決行して成功した(してないね笑)のもう....史実かと思っちゃうほどリアルだった。
そして時は流れ庵野監督の前に現れた、ような終わり方。笑
シンゴジラは野村萬斎さんのモーションキャプチャーだったようだけど今回はどうだったのかな?ストレートネックだったな、ゴジラ。笑
ひたすらこわかった、明らかに大きくなっていたし、泳ぐの速すぎるし、立ち上がったらでかすぎるし、立ってあれ?一瞬ゴジラから船の皆を見る視線があるんだけど本当にめっちゃ遠いの。でかくなりすぎてて...リアルだったな...街中にいるのも暴れ方がすごいしそう見えるし、青い放射能かな、背中を下から順番にぴき、ぴきって準備が整ってって、あれがくる..って感じ。海面から頭、目と順番に出てくるゆっくりめさ、とあの、あの音楽...怖いよ..ゴジラは好きじゃないけど、ゴジラを扱った昨今の映画は好き。若手俳優やこれまでの監督の作品のファンが呼ばれて見たのだとしても、女性や若い世代が、なんなら子供が、ゴジラを見に行った、っていうその「ゴジラ」がどれになるかわからないし古参ファンからしたらちがうかもしれないけど、映画オタクの私にとってのゴジラは「シン・ゴジラ」「ゴジラー1」になった。どちらもこの監督、あの俳優陣じゃなかったら多分劇場へは行かなかった。映画のいいところ。日本の産物?を、今の役者、監督で知るっていう幸せ。

ゴジラを夢見ていつか撮りたいと願って、撮れるって決まりそうで、決まって、撮影がとにかく楽しくて、公開した今はもうお客様のもの。嫁に出したようで寂しい、もう一回くらい撮りたい、と並々ならない思いを監督は持っておられたし、この時代に配信ではなく北米だけで1500の映画館で上映されるのに監督と神木君がアメリカ行くって、まさに出陣!!戦争面で観るとアメリカか...かもしれないが、これこそ、
ゴッズィーラじゃなくてゴジラ、made in japanを見せつけてきてくれ!!と思った、対決じゃなくて。世界に見て知ってほしい。
監督はfrom japanと言っていたけど笑
日本人が何十年も夢に見てきてともに育ったゴジラはこれだと、ただのモンスターじゃないんだと。じゃあなんなんだ?は今回は置いておこう。笑
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