"幸運の靴よ、幸運の靴…私に勝利を…"
子供服のデザイナーとして成功を収めたクリスティーン…とある電話で驚愕の事実を知り、目の前には…ノミだらけで悪魔のような顔立ちの犬が…
犬から放たれたダニ寄生されるクリスティーン…それは悪夢か幻想か…
精神のバランスを崩し、筋肉の痙攣、記憶障害を抱えるクリスティーンの前に、雇った記憶の無いフィリピン人の家政婦ダイアナが現れる…
ダイアナの呪術とも言える治療により、徐々に以前の状態に戻るクリスティーンだったが…
"私が治してあげるわ…ずっと…"
2024年は、ホラーでスタート…
ロルカン・フィネガンの最新作は、アジア特有のじめっとした湿度がじとっと絡みつき、何処かJホラーの佇まいにも似た作品となりました。
"ビバリウム"よりも遥かに観やすいのですが、話が分かりやすいだけに、"ビバリウム"のような不穏な雰囲気は抑えめとなっており、不条理さよりも"あーそうなるよね"的な妙に納得させる説得力がある作品のように感じました。
怖さと不気味さに加え、切なさも所々で見え隠れしていますので、そういう意味でもJホラーっぽい…
エヴァ・グリーンの美しくもあり、痛々しくもある演技とチャイ・フォナシエの怪しげな雰囲気全開の演技の激突にじっと見入ってしまうのでした…そうそう、"アレ"が出て来た瞬間…"ハッチング"を思い出したのは私だけでしょうか?