90分ワンカット作品「ナイトライド」の脚本家が送る、長距離バスを舞台にしたスリラー。
(今回の感想、半分以上、作品と関係ない話です)
残忍な女ボスが率いるマフィア組織から金とコカインを盗んだフレディ(マシン・ガン・ケリー)は、腹部に銃弾を受けたまま命からがら長距離バスに逃げ込む。
「ナイトライド」の脚本でも感じたように、少ない登場人物を効果的に配してサスペンスを盛り上げていく手法は変わらず。マシン・ガン・ケリーが組織に追われる主人公を好演してるし、途中から絡んでくる父親役のケビン・ベーコンも存在感ある。切ないけど希望の持てるラストも俺好み。
他の方も書いてるが、タイトル、原題の「ONE WAY」(一方通行)のほうがテーマに沿ってるのに「ワイルドロード」って……こんなヴィン・ディーゼルとかリーアム・ニーソンが出てきてドンパチやりそうなタイトルにした配給会社の担当は、腹に銃弾を受けて苦しんでほしいわ。
そこを除けば低予算なれど俺好みの渋い作品だった。
その上で、主人公のフレディ、バスの中で電話はしまくるわ、座席を移動しまくるわ、前の座席を蹴りまくるわ、バスどころか映画館でも「絶対、やっちゃダメ!」な行動だらけ。こういう客ばっかりなんだったら、俺は絶対にアメリカの深夜長距離バスには乗りたくないね!
(ここから、冒頭に書いた、作品とは全く関係ない、オチも何もない話です)
以下はバスではなく、映画館の座席の話。
今回、上映終了間際で、夜21時の回で観に行ったのね。ほとんど人もいないだろうなーと思って、前日のうちに予約サイトをチェックしてみたのよ。
スクリーン
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ふむふむ、現在のところ、観客は2名……これなら明日予約しても余裕で座れそうだ。
というわけで、当日の朝、再度、予約サイトを立ち上げる。
スクリーン
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えっ……?
他がこんなに大草原のように空いてるのに、あえてここに陣取る人って……。
トナラー!?
こ、怖い。あまりにビビってしまい、予約せずにサイトを閉じてしまったではないか。
その後、お昼すぎに、「やっぱ予約しとこう」と思って、再度サイトを開く。
すると、予約はさらに2席、埋まっていた。
スクリーン
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えっ?
えっ……??
えええーーっ???
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こ、これどういうこと……??(困惑)
なんで、他がめっちゃ空いてるのに、タテに二人並んでるの??
二人はどういう集まりなんだっけ……?
もしかしてマエラーとかウシラーとか、そういう新しい種族を発見してしまった?
この状況に関して考えてみる。
1.【後ろの人が予約】→【前の人が予約】※マエラー
→こんなに席が空いてるのに、後ろの人の視線を完全に覆う形で席を陣取るってことは、なんか後ろの人に恨みでもあるかもしれない。もしくは「スクリーンよりも俺の禿げ上がった後頭部を見ろ!」っていう、自己顕示欲なのか? 前の人の思考が謎すぎる。
2.【前の人が予約】→【後ろの人が予約】※ウシラー
→明らかに前の人が邪魔で見づらい席を予約する意図が分からない。前の人のストーカーとか? 「いつも観ているぞ」って上映中プレッシャーを掛け続けたいとか? それにしても距離、近くない? もしくはこの作品のフレディみたいに、前の座席を蹴り上げて話しかけたいとか? こちらも、後ろの人の思考が謎すぎる。
3.【席を間違えて予約】※おっちょこちょい
もしかしてカップルが「お互いで予約しとこうね!」って隣同士予約するつもりが、どっちかが席をミスって前後で予約してしまったとか? まぁそんなポンコツカップルはすぐに別れたほうがいいと思うのだが……。
もしくは、彼氏が後ろから彼女を抱きしめながら鑑賞するとか? うっひょー! 熱いゼ!
4.【偶然、同時に予約】※運命
これが一番ありそうだけど、それにしても他の席がほぼ全部空いてるのに、ピッタリ前後で予約しなくても良い気がする。
……というわけで、一応俺も予約。
一瞬だけ、俺も
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□■□←俺
のように、ダンゴ三兄弟状態で予約することも頭をよぎったが、単純に
「ここ座ったら、めっちゃ映画見にくいやん!」
と気付いて、通常の
スクリーン
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□□□□□□□□□■←俺
と、ボッチ専用席の後方上手側を余裕で予約して、開場を待つことにした。
では結果どうなったか。まずタテラーの方。
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この二人、見たところフツーのオッサンだった。
特に前の席を蹴ったり、自分の後頭部をひけらかしたりする様子はない。
もしかしてコカインの受け渡しでもしているのか? とチラチラ観察していたが、そんな様子もなく。
オッサン二人、特に会話もなく、鑑賞後もそそくさと別々に帰っていった。
「オッサンたちは、どういう関係なんッスか?」
こう話しかけようとも思ったが、そうすると明らかにオッサン二人より俺の方が怪しくなってしまうので(観察してる時点で十分不審者だが)、さすがに断念。
結局、謎は残ったままだった。
次はトナラーの
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□□□■←俺
こっちの三人組。正確に言うと二人の間に一人、こっちは意外なことに劇場いったら
「誰 も 座 っ て な か っ た」
つまり
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□□□■←俺
こんな状態。
はてさて、どういうことなんだ。
予約したのにトナラーが来たから怖がって来なかったってこと? トナラーも「両隣がいないのなら、映画観る必要ないわ」って諦めたってこと?
もしかして、俺をビビらせるためだけに、三人で仕組んだってこと?(被害妄想)
うーん、謎すぎる。
というわけで、不思議な映画館の座席の配置を経験した割に、どのモヤモヤも解消されず終わってしまった……オチが無くてスイマセン。
モヤモヤしたので、スッキリしようと、鑑賞後、新宿二丁目のサウナを訪問。
ガラ空きのサウナで気持ちよくシャワーを浴びていると、隣の席にガタイの良いワイルドな男が座ってきた。
「今夜はONE WAYな夜になるぜ……」
俺の動悸の速さを見抜いたのか、隣に座った男は、耳元でこう囁きながら、おもむろに毛深い手を伸ばしてきた……
(省略されました……全てを読むには「いいね!」を押して下さい)
(おしまい)