ASUKA

福田村事件のASUKAのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.6
私はこういった映画を、薬として定期的に摂取していきたい・・・

説明的なシーンは最小限に、ものすごく丁寧な映画でした。
ちょっとしたエンタメ要素が映画として、クライマックスまでの長い序章のアクセントとして効いていて、ドキュメンタリーでも説教映画でもなく。
日常。
普通の人たちだった・・

いじめてた自覚があるから報復が怖いんだ
寂しいから間男をつくった、何が悪い?
ほんとに日本人だったらどうすんだ?
朝鮮人だったらいいんか?
どこに行くの?わからない

時代とか民族関係なく、無自覚な差別と無責任な吹聴、無関心が引き起こした事件かなと思うとその残酷さにフィクションかとするんだけど、これが本当にあったことなんだから・・同じ人間として本当に怖い。し、私は影響されやすい自覚があってそれを敢えて発奮材料とし使うことがあるのだけど、弱ってるときなんかは強めの情報に引きずられそうになるのでこういう時、恐怖や興奮で武器を手にする側の人間になりそうだなって思って落ち込んだ・・
8割埋まってたテアトル新宿を出るとき、「竹槍って痛そー」とか笑ってた人にはわからないだろうな。

監督が
この映画に出てくれる俳優はいるんだろうか、観てくれる人はいるんだろうか、でも日本もこうした映画をつくるべきだ、と言っていた。大ヒットしているのは、役者含め映画として素晴らしいのはもちろん、竹槍痛そう発言した観客ばかりじゃないということ。だと思う。
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