フライ

メトロポリスのフライのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
3.8
手塚治虫原作の漫画をアニメ化した作品だが、手塚作品独特の人物の作風が少し苦手なので入り込むのに苦労したが、ストーリーや発想、映像の素晴らしさは圧巻。
犯罪者を追って未来都市メトロポリスに来た探偵と男の子ケンイチが、特殊な女の子ロボット ティマと出会った事により大きな事件に巻き込まれると言う内容だが、個人的な怨みや大きな陰謀が絡み合って行く展開はとても面白かった。終盤のケンイチとティマの悲しすぎるやり取りは、かなり痺れるものが。
メトロポリスや背景の細部まで描かれた美しい映像は名だたるクリエイターが関わっているだけあり素晴らしかった。ロボットが人間社会を支えると言う世界を、これまで人類が繰り返してきた歴史とロボット社会の問題点を上手く組み合わせた内容に、残酷な世界観も合わさって余計心に響いた。何より壮大な発想と、人権やロボットの権利にまで展開して行くストーリーは、鉄腕アトムも感じられたし、手塚治虫と言う漫画家の凄さを感じる事が出来る作品。
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