むらむら

ヴィクラムとヴェーダ ヒンディー語版のむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
「うおおおお! リティクかっこええ!」

毎度リティク・ローシャンの作品は同じような感想で恐縮だが……今回も、こんな言葉しか出ない、リティクとサイフ・アリー・カーンW主演によるサスペンス。

「正義を貫くためなら悪人は殺しても構わない」というバカ正直な警視ヴィクラム(サイフ・アリー・カーン)は、これまでに18人を殺したという伝説のギャング・ヴェーダ(リティク・ローシャン)の捜索のため、犯罪者と思しき集団のアジトを急襲するといった強引な捜査を継続していた。そんな中、ヴェーダがいきなり自首してくる。取調室で対峙した二人。ヴェーダはヴィクラムに、取調室で「正義と悪とは」と前置きして、過去の、とある事件を語り始める……。

これ、もともとタミル語でやってた作品の、ほぼ完全リメイクらしいのだが、すっごい面白かった。俺的に好きな点を3つ挙げておく。

1.脚本

まず、脚本がとにかく良く出来てる。香港ノワールや、「LAコンフィデンシャル」「ユージュアル・サスペクツ」といった作品にも引けを取らない、「過去と現在」「善と悪」が交錯する見応えあるストーリー。インドの良質サスペンス「ビジョン」とか「女神は二度微笑む」が好きな人は絶対に気に入ると思う。

2.リティク・ローシャン

今回は全編ヒゲ面でイケメンを隠そうとしているが、隠しきれないイケメンなリティク。

今回は伝説のギャングという設定だが、弟や仲間に対しては絶対に裏切らない、任侠心あふれるキャラ設定。特に弟への溺愛。ちょっと弟、俺と変わってくれない? オッサンだけど愛嬌だけはあるよ!?

しかも、リティク、常に余裕綽々。拳銃を突きつけられてても自分語りを滔々と始めるし、ヴィクラムから逃げるときも

「散歩かな?」

って勘違いするくらい、笑顔で飄々と屋根を渡り歩くし。ヴィクラムに殴られてもピンピンしてるし。

そして、リティクといえば、「スローモーション」だが、今回も、

「あれ? 俺? なんか映画館のリモコンいじった?」

としか思えないほど、スローモーションのリティクを堪能できる。

ファンからするとキメ顔のリティクを堪能できる最高の演出。間違っても

「この作品、2時間30分あるけど、スローモーションなかったら1時間30分くらいで終わるんじゃね?」

なんて考えてはいけない。そんな人にはヴィクラムの銃撃を叩き込みます。

3.リティク・ローシャン

そして、リティクと言えば外せないのが、派手っ派手なダンス。「RRR」とはまた違った、スター性のあるダンスは、今回も健在。

なんと今回、リティクが踊るのは、たった一曲。

ビジネスの絶頂期にいるリティクが、酒を浴びるほど飲んで祝おう、という内容。タイトルは「Alcoholia」

YouTubeにあがってるから是非、観てほしい。
https://youtu.be/nZ6o00Z3co4

どこから出てきたのか分からない100人くらいのダンサーが踊り狂う姿には、ため息しか出ない。

 (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ
(*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (* ゚∀゚)o彡 (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ
  (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ (*´▽`)ノノ

こんな感じの振り付け。

これだけ大人数で踊ってても、明らかにレベルの違う体のキレ。リティク、もう50代目前なんですけど……スゴすぎない!?

……というわけで、3つの魅力のうち、2つがリティクになってしまったが、まぁいいや。それくらい「リティクかっこええ!」ってことで。

まだフィルマで100人も観てないの、もったいなさすぎる。

関係ないけど、全般的に、劇伴が

「オッサンの絶叫」

だらけだったの、個人的には斬新だった。

(おしまい)
むらむら

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