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おーい!どんちゃんのmmmのレビュー・感想・評価

おーい!どんちゃん(2021年製作の映画)
4.5
沖田監督が、WS参加の俳優さんたちと一緒に
プライベートで制作した作品
撮影は2014-2017だそう。

一軒家に共同で暮らす売れない俳優仲間の3人
道夫、郡司、えのけん。
ある日突然、赤ちゃんが家の前に置かれていた。
彼らは赤ちゃんを”どんちゃん”と名付け、
友人も巻き込み、みんなで暮らしていく。

※あくまでもフィクションなので、
早く警察に届けろとかその辺の倫理観は、
心の奥にしまってくださいね。

唐突ながら、私、子供が苦手です。
人の家の子もあんまり興味がない。

そんなことを飛び越えて、どんちゃんが可愛い。
なんなら、スクリーンの向こうに行って、
ちょっとお世話したくなってしまうくらいに可愛い。

戸惑いながらも、懸命に世話する3人も微笑ましい。

しかし、自分達の本業はまったく上手くいかない。

オーディションも演劇仲間との飲み会も
妙なリアルさを感じてしまうので、同業の方は
もっと思うところがあるだのだろうなぁ。

可愛さと、少しの私欲が混ざりながらも
どんちゃんファーストになってしまう3人の暮らし。

何が不思議化というと、この映画、ドキュメンタリー
なのかと思うくらい、大きなことは起こらない。

ベランダでする人生ゲーム
テレビの前にぎゅっと集まってみる映画
夢と現実の狭間で空しくなる瞬間
役のためにする努力
ぬいぐるみを枕にお昼寝の時間

そして、子供が大きくなってく。
隅々、愛おしい。

誰かの笑いでシートが小刻みに揺れ
観客席は総出で親戚のおじさんやおばさんみたいな
気分になっていたんじゃないかと思う。

監督もちょろっと出ているのだけど、
ご飯食べて走っただけで、爪痕を残していったわ。

しかも、最後にどんちゃんが走る姿が重なちゃって・・・親子!

そう、監督ご自身も書かれていたので言ってしまうと
どんちゃんは、監督のお子さん。
大変なこともあったと思うけど、こうやって記録が残るって
凄いことだし、役の中でも外でも、沢山の人が関わるって
とてもいいことなんじゃないかと思った。

エンドロールでは、撮影も録音も”手のあいてる人”ということで
本当にお手製なんだけど、今年の上位に入ってきちゃいそうに
なるくらい、映像記録の魅力を感じたな。

ちなみにこの作品は完全なる自主上映
初回は、テアトル新宿であった沖田監督特集の時で
他にも数回あったけど、2-3年越しにやっと見られた!
これから先も不定期にこんな機会があると思うので
気になった方は、ぜひ次の機会に。
(というか、もう1回みたい)
mmm

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