Uえい

スマイルのUえいのレビュー・感想・評価

スマイル(2022年製作の映画)
2.5
話題になっていたので見てみた。ジャンプスケアが多く、劇場でアトラクション的に楽しむには良いけど、、という内容だった。良いこととして描かれる事が多い他者との関係が恐怖の対象として描かれていて面白い。

精神科医のローズは急患の女性をカウンセリングしようとしたが、発狂して自殺してしまう。死に際の笑顔が忘れられなくなり、精神を病み、休職に追い込まれる。精神科医が精神を侵されるのはあんまり見たことがない設定かも。

段々と幻聴や幻視が激しくなり、解決策を求めて自殺した女性の過去を調べると、自殺の連鎖が起きていた。過去助かった人が一人だけいたが、誰かの前で他人を殺すことで呪いの連鎖を擦りつけるしか無かった。

ローズは誰にも関わらない事で逃れようと空き家になった生家に籠る。しかし、彼女は過去に母との関係にトラウマを抱えていて、自分の過去と向き合う事になってしまう。

ホラー映画は何かのメタファーになっている事が多いが、本作は人との関わりへの恐怖心が誇張されてるのかなと思った。自分のトラウマを緩和させるのにもカウンセラーという他者が必要だと描かれていたのが印象に残る。

直近では、コロナで孤立していた人が、再び他者との関わりを強制された。コロナ禍の他者との緩いつながりが心地良かった人は、急に元の社会に放り出されて馴染めない、そんな怖さを描いているのかなと思った。マスクで隠れていた筈の表情が怖いのは何となく共感できるかも。
Uえい

Uえい