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イコライザー THE FINALのSSDDのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.3
◼︎概要
元諜報部員で引退した男は、善良な人間を苦しめる者を見逃すことができない男だった。ある時にいつものように組織の壊滅を実行するが、精神的、身体的に限界を迎えてしまう…イタリアの田舎町で人々に癒される平穏な日々を初めて送るのだが、どこに行っても悪行を目にしてしまう…。

◼︎感想(ネタバレなし)
一作目の殺人DIYから二作目は嗜好が変わりスケール感を上げたことで失速感を感じていた本作。三作目はシンプルながらも一作目のような葛藤と、得体の知れない不気味さが再燃。ラストととして相応しい作品に仕上がっています。

勧善懲悪の痛快アクションというと単純極まりないものの、人の温かみや平穏に過ごす大切さを感じさせる本作はデンゼル・ワシントン主演であるからこそ。

今作はスケール感を一作よりも高めながら、人との関わりを大切にするマッコールの生活にもしっかりとフォーカスした作品となっているし、アクションも素晴らしい。

気骨のある男という話から、ほぼブギーマン、死神と呼ぶに相応しい不気味な存在に昇華してる本作は大満足でした。











◼︎感想(ネタバレあり)
・殺戮マシーンから死神に
初っ端から既に殺戮後の後から始まり、観客と同時にマフィアのボスが状況を飲み込んでいくのから引き込まれ、マッコールが恐ろしい殺戮マシーンであることを思い出させられる。
今回はあまりにも殺意が高く、非情な殺し屋のようでマッコールが極限であることを描けている。
だが町の人々に癒され、心を取り戻した後のマフィアのボスに対しての描写は殺戮マシーンというよりも、死神のように不気味だった。暗闇の中、自身の売っていた薬でのオーバードーズを冷たい石畳でもがき苦しむ姿をゆっくりと見届ける姿は恐ろしかった。

・インタビュー
映像特典ではデンゼル・ワシントンがいかに周囲の役者まで引き上げて演技しているかもわかり、本作がマッコールと人々との交流で築く過程を自然に感じられるようになっているのか理解できた。
コルク抜きでの殺陣を楽しそうに監督と話して笑っていたが、やはり一作目は傑作だった。改めて観たいものだ。

・総評
一作目で目的を持ち、二作目で過去が明かされ、三作目で癒され生きることの喜びを感じられるようになるというシリーズの構想は素晴らしかった。
特に個人的にはあまり刺さらなかった二作目は重要な過去の仲間の死を、三作目に娘を出すことで繋がったことで二作目の価値も上がった。しかしダコタが成長して思ってたよりゴツくて驚いた…。
ネオウエスタンな勧善懲悪作風はやはりどの時代でもいいものですね。
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