むらむら

バッドマン 史上最低のスーパーヒーローのむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
MCUやDCといったアメコミ好きには文句なしにオススメしたい、フランス発のスーパーヒーローパロディ映画。

冒頭のMARVELロゴそっくりなアニメーションからして気合入ってる! と驚愕してたら、きっかり3分で下ネタ開始。それでこそ俺たちのフィリップ・ラショー。全くブレてなくて最高。

「シティーハンター」「シティーコップ」「ヒャッハー!」など、フィリップ・ラショー作品は、ドリフを観て育ったとしか思えない、「ウンコチンチン」レベルの下ネタ満載。フランスの志村けんの異名(※俺が名付けた)は伊達じゃない。

さらに今回の作品では

「売れない役者のラショーがヒーロー映画の主役に抜擢されて、バッドマン衣装を着たまま記憶喪失になる」

という都合の良い設定なので、アメコミネタもわんさか詰め込まれてる。

MCUとかDCを語れるほどのマニアではない俺でも、「これ、観たことある!」ってシーンがいっぱい。スパイダーマンのキスシーン、外階段で踊るジョーカー、そしてアベンジャーズの最終決戦……パクリすれすれの劇伴と相まって、各シーンのクオリティも無駄に高い。

おそらく「このシーンとこのシーンとこのシーンをやろう」ってパロディのネタを考えた上で、それを脚本に落とし込んでいるのだと推測するが、非常によく考え抜かれてる。伏線も全回収してくれて、最後は父と子の物語としてキッチリ完結してるところも股間……いや好感がモテる。

個人的にはジョーカーが、白塗りした内田裕也にしか見えなかったのと、後半唐突に出てくるアイアンマンだけ、作りがやたら投げやりだったのがツボだった。

これだけクオリティ高いと、そのうち本物のMCUにラショーが出演する日も近いんじゃないか。

ケヴィン・ファイギさん、ここ見てたら、サノス役でいいので、ぜひ一考のほど、よろしくお願いします。

(おしまい)
むらむら

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