ヨーロッパ企画が長編映画に初挑戦した「ドロステのはてで僕ら」がなかなかよかったので、2作目にしては期待外れという印象です。
前作と一緒で、舞台演劇の雰囲気をそのまま映像化したような演出でした。しかもドタバタコメディやコントのような騒々しさが好きになれません。演劇やテレビ放送を観たいわけではないので、映画というフォーマットを選択するのなら、その効果を発揮できる演出がないと、物足りなさが先行してしまいます。
相変わらず脚本は緻密でアイデアも盛りだくさんです。ただ、2分間のタイムループがほぼ正確な尺でくり返し展開されるので、それなりに物語は進行していきますが、全体の構成として中盤あたりからマンネリ化しています。
タイムループをテーマとした作品は、海外で「ハッピー・デス・デイ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の傑作があり、日本では「MONDAYS このタイムループ…」の秀作があります。どれも物語の設定やコンセプトはさまざまで、これらと勝負するつもりはないのかもしれませんが、どうしても比較して観てしまいました。
京都が舞台なのに会話がすべて標準語とか、タイムループしているのにターンごとで気象条件がばらばらとか…、諸事情で解消できないんだろうという要素も目立ちます。こんなに素晴らしい脚本があるのなら、まとまった出資も期待できるはずですが、この劇団のこだわりやポリシーもあるのでしょうか。
旅館の女将を演じた本上まなみさんが素敵でしたが、劇団員さんの独特の雰囲気が支配しているので、コメディエンヌとしては少し浮いてしまって残念です。貴船神社や雪景色の旅館など、ロケーションは抜群でした。
