荒野の狼

劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリアの荒野の狼のレビュー・感想・評価

3.0
『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』は、2022年のTVシリーズ「仮面ライダーリバイス」の劇場版でTVシリーズ放映中に公開された62分の作品。冒頭は本作で敵役を演じるケインコスギと、TVシリーズの敵役「赤石長官」(演、橋本じゅん)が古代人の扮装で登場。「赤石長官」の怪演が映画でもと、期待されたが、橋本じゅんの出演はこのシーンのみで残念。
本作はケインの素晴らしいアクションと、カッコよさ(黒を基調にした衣装と英語をまじえたセリフ)につきる。ケインの変身シーンも決まっているが、変身前に、相手がライダーに変身していようがいまいが関係なく強く、早く、特にキックは素晴らしく、スローにするのが惜しいと思われるCGなしの素手での闘いは、それだけで本作の存在価値を高める。主演の前田拳太郎とケインとのアクションはレベルの高いものであり、前田が空手経験者ならではの出来。前田は、TVシリーズ中では印象的なファイトがなかったが、本作でアクション俳優としての可能性を見せた。
脚本は、陳腐で、歴代のライダー映画の中でも最低の内容。62分の映画の中でドラマのシーンが早く終わって欲しいと感じるほどの無意味なもので、視聴者に対するリスペクトを欠いている。本作オリジナルのライダーは生かされておらず、ゲストで出演する仮面ライダーギーツ(次作のTVシリーズの主役)の登場も説明不足(ギーツのTVシリーズとのキャラクターと異なっており、シリーズのファンには違和感の強い場面)。
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