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若き詩人の心の傷跡
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若き詩人の心の傷跡の作品紹介

若き詩人の心の傷跡のあらすじ

1937年。20歳の⻘年エマヌエルは⾻関節結核(ポット病)と診断され、海辺の診療所に⼊院する。上半⾝を⽯膏のギプスで覆われ闘病⽣活を送るが、同世代の患者たちと冗談を交わし、かつて同じ病気だった美しい⼥性ソランジュと恋をし、詩を詠む⽇々を送る。しかし、数年の⽉⽇が流れてもエマヌエルの病状はなかなか良くならず…。

若き詩人の心の傷跡の監督

若き詩人の心の傷跡の出演者

原題
Inimi cicatrizate/Scarred Hearts
製作年
2016年
製作国
ルーマニアドイツベルギーフランス
上映時間
141分

『若き詩人の心の傷跡』に投稿された感想・評価

sashaice

sashaiceの感想・評価

4.5
命の儚さと人間の脆さをある詩人の闘病人生を通して天才的な表現で叙情的に描く人間讃歌作品。脊髄カリエスって初めて聞いた。。ベッドとギプスと包帯の連携生活。呼吸するか泣くか。なんかこれポリオ患者の人生に似てる。鉄の肺こそないものの一生寝たきりで、定期的に激痛を伴う施術しなきゃいけなくて。冒頭から奇抜な演出に掴まれる。合間に挟まれる心境説明が生々しい。特に膿を出す時の叫び声は辛かった。。主人公がさすが詩人ですごい自分の置かれた悲惨な状況の描写がすごい上手いんだけどちゃんと未来も見ていて好き。出会っていい感じの関係になった女性に"私たちの関係はいずれ終わりを告げるわ、許してちょうだい"って抱きしめられた時の切なさ🥲そして死は着実に音を立てて忍び寄る。。

"悲しみに満ちた新しい内なる光を見た"
"なぜ生き延びる者と死ぬ者がいる?"
"僕の死や苦しみとは無関係に周りは現状を保つ"
ギルド

ギルドの感想・評価

3.9
【ある詩人が目にした「死の侵食」】
■あらすじ
1937年の夏。20代前半の青年エマヌエルは脊椎カリエスと診断され、黒海沿岸の療養所に収容される。脊椎を石膏のギプスで覆われ,車輪付きのベッドに横たわり闘病生活を送る彼の体は徐々に衰えていくが、心は折れることなく精一杯治療に専念していた。
彼は療養所の多くの患者仲間たちと友人となるが、ある者は退院し、ある者は死亡して療養所を去っていく。彼はかつて同じ病気だったが現在はスタッフとして働く美しい女性ソランジュと恋をしたが、彼女もまた去っていく。やがてエマヌエルの病状が悪化し、彼は手術のためにブカレストに列車で向かうことになる…。

■みどころ
ルーマニアのユダヤ人作家の闘病生活を描いたお話。
この映画はルーマニアのユダヤ人作家マックス・ブレヒャーの自伝的小説をベースに、闘病生活をおくる青年の日々をブレヒャーの文章を引用しながら描くのが特徴的な作品である。

入院してから体験した様々な事象を汲んだ詩が随所に挿話されることで、幻想的な詩に奥行きを与える作りにしているのが面白いと思いました。
闘病生活の中でも上手く行ったり悪化していく姿が詩に如実に表していて。「詩」に段々と「死」の属性が侵食していく姿を捉える姿にこそ大きな魅力でした。

ジュデ過去作品と同様にレイシズム・軍国主義的な思想の矛盾性、ルーマニア映画特有の饒舌さはこの映画でも存在する。
けれども、この映画ならではの特徴として「箱庭に閉ざされた人の思考」を捉えている所だと思う。

エマヌエルは入院してから初めは看護師・医者に冗談言って自分が考えた詩を披露したり、入院仲間と談笑したり、恋愛に発展する。
そうした青春を箱庭の中で過ごしているうちに「自分の人生は明るい方向に行くだろう」と希望を持っていき、それが「詩」に反映される。その「詩」は混じりけのない「生」の詩で「死」が介在する余地を与えない。
…が、容態が悪化したり入院仲間の突然の死が自分自身の病室の照度と共に暗くなり、自分の人生に「死」が侵食し始める。
その魂の叫びとして「死」に侵食された「詩」が展開されていき、自分自身の生活が徐々に制限され地に堕ちていく。ここに「箱庭である事の嬉しさが絶望に変わる」という「井の中の蛙大海を知らず」が生まれる「死生観」を鋭く描いているのが面白かったです。

「死生観」の作品ではあるけど、「死」の存在は初めから付きまとっていて「死」が徐々に支配的になる姿を鬱屈に描く。
その過程を「詩」で表す映画だが、映画構成によって「詩」に奥行きを与える意味で感情を言語に落とし込むプロセスについて考えさせる、そんな映画でした。
[ルーマニア、世界を覆い尽くす濁流について] 100点

人生ベスト。ラドゥ・ジュデ長編四作目。若くして亡くなったルーマニアの作家マックス・ブレヘル(Max Blecher)の諸作に緩く基づく本作品は、1937年夏に黒海沿岸のサナトリウムを訪れた若き詩人エマニュエルについての物語である。シーンの転換点にはブレヘルの諸作から引用が中間字幕として登場しており、エマニュエルが小説の中の人物のように描写されている。戦前欧州、サナトリウム、青春、戦争、恋愛、死といえばトーマス・マン『魔の山』を思い出すが、出版年的にブレヘルがマンの影響を受けているのは間違いないようで、ブレヘルの作品は出版されてから『魔の山』と比べられ続けてきたらしい。ジュデによると両者の違いは、ブレヘルが実際に患者としてサナトリウムにいた経験を基に書かれている点とのこと。また、"緩く基づく"とクレジットされているのは、原作のエピソードにブレヘル本人のエピソードを混ぜ合わせたという変更の他に、原作にはない反ユダヤ主義と右翼イデオロギーの台頭というテーマを混ぜ込んだことに由来している。それは前作『Aferim!』におけるロマ差別から次作『The Dead Nation』における"個人と社会/政治との関わり合い"と反ユダヤ主義の台頭やそれ以降の作品におけるジュデのメインテーマと受け継がれていくものの一つでもあり、1937年のルーマニアを飲み込んだ巨大な濁流でもある。改変には多くの批判もあったが、ジュデは"原作にはなかった当時の音楽も付け足しているが彼ら(批判者)は何も言わない、彼らの不満は純粋なものではない"と一蹴している。

大学で化学を習っていたというエマニュエル(カストルプの出自と似ている)は宝石商の一人息子で、同時代を含めた多くの文学作品から引用を重ねるナイーブな青年として描かれている。骨結核のために上半身を石膏でガチガチに固められた彼が、大きな車輪のついたベッドで病院中を押し回され、寄宿学校のような陽気で猥雑な空間に閉じ込められる。ここまで主人公が画面の中に一文字に横たわっているのも珍しいだろうというぐらいに、常に寝かされたエマニュエルは、ワンシーンフィックスワンショットの様式美(レンブラント『テュルプ博士の解剖学講義』のパロディまで!)の中にまで閉じ込められ、時間感覚すら曖昧になる隔絶された空間で身動きが取れないまま濁流に飲み込まれていく。患者の声やラジオ放送で聞こえる鉄衛団(極右反ユダヤ主義)の躍進、街中で"ユダ公死ね!"という叫び声を聴いたエピソード等々、エマニュエルの緩やかな死は同時代に対して暗示的だ。

しかし不思議なことに、適当な医師や患者たちの下品な雑談に参加する看護婦たちを筆頭に、病院内の雰囲気は意外と明るく、死の匂いを感じるからこそ(実際に近しい"プロ患者"が亡くなる瞬間もある)生を謳歌しているようにも見えてくる。享楽主義というより、"治るよ!"と無責任に言い続ける医者に見えるような楽観主義に近いように感じ、それは先述の加速する反ユダヤ主義、そして現代において加速するポピュリズムと密接に結びついているように思える。いつものことだろうと楽観的に放置してしまったが故の結末。

また、エマニュエルはソランジュ(フランス語で"太陽の天使")という女性と出会う。彼女は元患者で、完治した後も右足に歩行補助具を付けながら病院で働いている。本作品の中盤は二人の関係性の発展を中心的に描いているが、彼女の存在は名前が示す通りエマニュエルにとっての希望そのものである。翻って、エマニュエルは同じサナトリウムの患者イサベルにも恋し、ソランジュを想う傍らイサベルにも言い寄る。イサベルはソランジュと対になるように配置され、両者がエマニュエルを救うことが出来ないことをグロテスクに導いていく。

『魔の山』は主人公カストルプが第一次世界大戦に参加するために山を降りて終わるが、本作品も手術のためにサナトリウムを出て終わる。そして舞台は現在に移り、ブレヘルの墓を含めた手入れされていないユダヤ人墓地が映される。その墓の後ろには、後にジュデが『The Exits of the Trains』で描くヤシ市から強制輸送されたユダヤ人たちの墓が無造作に建てられていて、その事実こそが本作品の重要性を物語っているように感じた。

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