椿本力三郎

まなみ100%の椿本力三郎のレビュー・感想・評価

まなみ100%(2023年製作の映画)
4.0
心の柔らかいところをチクチク刺してくる、THE単館系ムービー、
「佐々木インマイマイン」的な。
斉藤和義の「ずっと好きだった」の歌詞と世界観が好きならハマると思う。
女々しさ、カッコ悪さ、しつこさ、自分勝手さすべてひっくるめて「アオハル」。

学生時代から10年経っても残る「もやもや」を
「もやもや」のままにしておくのも
一つの青春へのケリのつけ方かと思う。
部活、浴衣、花火、校舎裏、コンサルで活躍する姿、結婚式、
そしてラストシーン、まなみちゃんはいずれも美しくて残酷だった。
「まなみ100%」とは主人公である「ボク」の現実に向き合えない弱さも含めて見事なタイトルだったと思う。
教師役のオラキオが説明的で過剰に感じたが、
彼の存在があって映画として成立したのだろう。