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友情にSOSのクリームのレビュー・感想・評価

友情にSOS(2022年製作の映画)
3.8
なんだよ、いい話じゃないかぁ。これはただのコメディじゃなくて、人種差別を絡めた深いお話。素敵な友情もあって、中々の良作でした。

黒人の大学生ショーンとクンレは、パーティーをはしごする全制覇ツアーを達成する予定だったが、パーティーに行く直前、家に寄るとドアが開いていて、知らない白人の女の子が床に倒れていた。家にいたルームメイトでヒスパニック系のカルロスに聞くと彼も彼女を知らなかった。クンレが警察を呼ぼうとするのをショーンが反対し、3人は女の子を病院に連れて行く事にするのだが…。



ネタバレ↓



車で彼女を運ぶ中、ドラッグ入りの飲み物を誤って飲ませたり、近隣住民に不審者扱いされたり、彼女が行方不明になったりします。彼女の名前はエマで高校3年生。一緒にパーティーに来ていた大学生の姉と姉の友人カップルがエマを探していました。エマを見つけた彼等にも当然、疑われますが何とか誤解が解けて、警察沙汰になりたくないショーン以外全員で危険な状態のエマを乗せ病院へ向かいます。後少しの所でパトカーに囲まれ、全員外へ。1人だけ黒人のクンレは、警察官にうつ伏せにされ、顔を地面に押し付けられ、説明も聞いて貰えなかった。ただエマを助けたかっただけで、何も悪い事等していないのに銃まで突き付けられ、死ぬかと思ったクンレ。
全員解放された後、カルロスと実験室に行くとショーンがクンレが心配していたシャーレの生物がダメにならない様に自分の体で冷蔵庫を閉めていた。薄情だと思ったらいい奴だった。クンレは、ショーンが正しかったと言う。警察に取り押さえられた時に黒人が故に話も聞いて貰えず、死ぬかと思い恐怖だったと打ち明けます。そして、仲直り。後日、エマと姉は、クンレ達に謝りに来て終わります。

実際のトラブルの中で差別を描いていてリアリティがあり、恐怖も伝わりやすかったです。同じ黒人でありながら、世間知らずのクンレと兄が刑務所上がりのショーンの警察や世間に対する警戒心の強さの違いも成る程なと思いました。
事件解決後のカルロスが仲間2人をさりげなく気遣うシーンは、凄く良かったです。勿論クンレとショーンの友情も良かった。コメディの中に差別問題を上手に織り込んだ良作だと思います。
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