日本とアメリカでは評価の深さが
まったく違う作品ではないかと思う。
家族、信仰、カルト、セクシャルマイノリティー
過食という自傷行為、健康保険制度の違い、地域格差
それぞれが複雑に絡み合っており、
その文化的宗教的な背景をリアルに感じられるか否か。
日本人でもキリスト教の信仰を持っておられる方には、
強烈なメッセージが響いたのだろうと思う。
宗教的な背景の有無に関わらず「受け入れ難い過去」を持つ
父親ではあるものの、
やはり実の父親であることは違いがなく、
それを乗り越えようとする娘の勇気にグッとくる。
攻撃的な態度でなければ接することはできないであろう。
父親の死の直前だからこそ飛び込めたのかもしれない。
また、チャーリーを支える看護師のリズの立ち位置が絶妙で
どうしてそのような献身できるのかが腹落ちしたときに
その情の深さを感じた。
どれだけ過酷な過去も受け入れて、積極的に関与することでしか
乗り越えられないのだろう。
娘もリズもそのような気持ちで死が直前に迫っているチャーリーに向き合っていたのかもしれない。