ギルド

ナナのギルドのレビュー・感想・評価

ナナ(2022年製作の映画)
3.0
【罪悪感に苛まれる女性の決意】【東京フィルメックス】
■あらすじ
1960年代のインドネシアで紛争に巻き込まれ、親族や家族を失ったナナが、思いがけない友情を通して自分自身を解放し、自由な人生を再び希求し始める姿を描くカミラ・アンディニの長編第4作。ベルリン映画祭コンペティション部門でワールドプレミア上映され、銀熊賞(最優秀助演賞)を受賞した。

■みどころ
インドネシアの映画ながらもウォン・カーウァイや韓国映画にあるような豊かな映画で、その絵面で一定量の面白さがある映画だと感じました。
そのくらい才色兼備でナナの立ち振舞も含めて見どころになりえると感じました。

特に主題についてふさぎ込んでいたナナに対して知人イノと一緒に川に飛び降りるシーンは一種の自由な生き方を声高に叫ぶ姿を強くあって白眉であると感じました。


ストーリーについては政治の動乱や呪い師の慣習などのしがらみによって家族が離れ離れになった女性の行く末を描いていて、意外とシンプルな構成で展開していく。

去年で上映された「ユニ」のような結婚する通過儀礼に対して大学に行きたいと言って反抗するが、大学で何を学びたいか?というのが見えない・紫が一種の象徴として機能する複雑さは本作には存在しない。
政治の動乱に対してナナの決意を固める姿をじっくり描くもあっさりと描いていて、絵面の色彩豊かさに寄せてる印象があるので、そこだけは一捻りが欲しかったと感じました。

とはいえ2時間以内で魅力的なシーンで興味の持続が続いた意味で一定の面白さは担保されているので、そういった意味で日本上映しても悪くない映画だと思う。
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