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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストアのギルドのレビュー・感想・評価

2.2
【終わり良ければ全て良しっ!w←ちょっと待てや】
■あらすじ
パリの旅行代理店に勤めるボナヴァンチュールと同僚の「太っちょノノ」は、ロビンソン・クルーソーの冒険を追体験させる無人島ヴァカンスツアーを企画する。彼らはツアー候補地のカリブ海へ調査に向かうが、空港で「太っちょノノ」が逃げ出し、代わりに弟の「プティ・ノノ」がボナヴァンチュールに同行することになる。現地に着いた二人が無人島を探していると、パリから最初のツアー客がやってくるが、誰もボナヴァンチュールの言うことを聞こうとしない。

■みどころ
Not for me.
率直に言ってつまらなかったです。

今までにない旅行を!と無人島でバカンスと称したサバイバルを企画・参加させる話。
ロビンソン・クルーソーの冒険を追体験させる無人島ヴァカンスツアーを企画する。
映画はツアーの立案に至る過程の前編、ヴァカンスツアーに乗り出してからの後編に分けられる。
見どころになってくるのは後編のヴァカンスツアーからになるが、あまりにも行き当たりばったりの先の見えない展開に観光客(と観客)は翻弄され始める。
しまいには「無人島ツアーに現代社会の道具はいらん!」といって客のカバンを勝手に海に投げ捨てたり、聞いてた話と違うだろ!とキレる客に「お前規約は読んだか??」と規約読んでないお前が悪い理論を展開して牽制をかす始末である。
そんなツアーは思わぬ方向に進んでいくが…

どうしようもない行き当たりばったり感で生まれるその場しのぎで生まれる行動に一種のコメディが生まれてそうゆう所は面白かったです。
この空気感は研究室の輪講などの発表会でお粗末な説明資料だけど、お粗末であるが故に逆にコメディのような滑稽さを生んで笑ってしまう…的な。
この日はロジエの「アデュー・フィリピーヌ」とセットで鑑賞していたが、それと比べても随所で笑いが多かったので、その笑いの部分を以て本作を面白いと言えると思います。

他にもシネフィルのレビューを観るとヌーヴェルヴァーグのジャンルにおいて作劇的な演出が「無臭」になるような演出をしてコメディに寄せてる部分が面白い話を聞いて、確かに従来のヌーヴェルヴァーグ作品と比べると良い意味で現実と地続きしている感はあって興味深い。

…が、そういった面白さや演出の作劇を加味しても本作は自分には合いませんでした。
本作を観る前に「アデュー・フィリピーヌ」を鑑賞して、その作品の一つの題目をベースに様々な展開のネタの振り⇔回収を繰り返す爽快感を味わったのもあったと思うが全体的に鈍重に感じる。
鈍重な進行でツアーの行き当たりばったりな失態が映画のテンポまで影響していて、それが作劇的な意図だったとしても愚鈍だなーという感情しか残りませんでした。
そんな映画全体の行き当たりばったりなテンポを文学・「お前規約読まなかったか?」の正当化で誤魔化す魂胆が随所の笑いを消し炭にしてるし、自分らの失態をコメディに昇華する魂胆が単純にイライラしました(笑)

ラストの無人島サバイバル→実は○○でしたの後出しジャンケンとか取って付けたような大雨やレンズフレアとかやる気あんのかよって思った。
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