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X エックスのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.7




“クソな神をたたえよ”






エログロ新感覚ホラー三部作の一作目!


とにかく不穏で不吉で意味不明に突き進む不気味さとエロさ、そして若輩者と老夫婦の対比やコントラストがやたらとキモアートな作品。
ジャンプスケアはSEだけで、基本的には淡々と恐怖感がジワる系で、その運び方はやはり老夫婦が主軸というか要になっているせいもあるかも。

ミア・ゴスの一人二役は見応え充分!
あの対比演技は正しく新感覚ホラーの所以と言っても良い位に唯一無二。



1970年代のテイストがまた一昔前のB級感を敢えて醸し出していて、そこにそれこそ昔のポルノの要素を上乗せしているものだから、エロとホラーの鉄板コンビによる基盤はきっちり整った感じ。
そこへ、老いと若きを対比的に且つ効果的に溶かし込んでくる新しさが本作の魅力。




物語としては、
あるインディーズAV制作チームが田舎の酪農家の離れを借りて家主に内緒でポルノ撮影を企み正しく“一発当てるぞ!”って話に、家主である老夫婦が不気味に絡んでくるっていう、、、如何にもなやつ。

前半から中盤までは不穏さや意味深な演出とポルノ撮影シーンの繰り返しでまぁまぁ眠くなる(洋モノAVに全く興味がないのも有るw)けども、カメラマンであり監督でもある一人の若者が彼女と揉めて帰ろうとする件(くだり)から突然おー!!ってなる。

そこからがミア・ゴスの怪演の開演!
70年代テイスト満載なヤク漬けポルノ女優の芋っぽさの中にあるエロさと、もはや死神かと思うほどの老耄婆さんにもかかわらずサイコパス全開な役どころを、見事にこれまた対比効果抜群に演じきっており、もはや本作のスコアはほとんどミア・ゴスの力演にあると言って良い。


グロ部門もなかなか申し分ない。
【テリファー】や【拷問男】に届きそうな勢いでグロってる!


前述のジャンプスケア部門は正直無いに等しい。
有るとすればSEでのみ、その雰囲気を演出するものの、飛び上がることはないかな。






兎にも角にも続編【Pearl 】【MaXXXine】が早く観たくなる。











“お前は純真無垢じゃない!”
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