ケイト•ブランシェットを堪能する映画です。
そして、ある種の愛について語る映画だと捉えました
素晴らしいです。ドイツ語のみならず、指揮の仕方、オケの指導の仕方、ピアノの弾き方などそれら全ての技術を獲得し、駆使して演じる様は驚嘆に値します。そして、プレッシャーから追い詰められ、壊れていく様も凄みがあり、こういう演技ができる人が他にいるでしょうか、と思いながら観ました
しかし、映画のストーリーとしては、もう少し工夫があっても良かったのかと思います。まず、冗長です。もう少し短くて纏めることができたのではないでしょうか。
また、これは音楽に対する愛の話だと思うのですが、それとともに女性であることが、一つのプレッシャーを感じる要素としてあると思うのですが、彼女の性的嗜好がどう関係するのか、あまり理解できませんでした。
そして、それらの要素がいろいろ入っているために、テーマや映画のメッセージがぼやけてしまったように思いました。
ただ、完璧な音楽を作りたいという熱意は音楽への愛情に基づくものだと思うのですが、それが故に音楽以外の全てを捨象し、音楽のみに愛を注いだことにより、自分の周囲のものを全て破壊してしまい、結果的に自分が作り上げた社会的地位も破壊してしまいます。
しかし、最終的に、全てを失った彼女を救ったのもまた音楽への愛だったのだと思います。
そういった意味で、愛の物語だと理解した次第です
