Winnyというコンテンツを匿名でダウンロードできるソフトウェアを開発した金子勇さんの物語です。
違法ダウンロードの幇助という罪で逮捕された彼が無罪を証明しようと弁護士と戦うことが描かれます。
この金子さんを東出昌大さんが巧みに演じています。弁護士は三浦貴大さんが演じており、こちらも見事に役にはまっていました。
映画のストーリーとしては、Winnyの問題と警察腐敗告発の問題がうまくシンクロしてないように思いました。
映画を観ての気づきとして、多分、問題は二つあって、一つは法を行使する方の知識レベルの問題です。専門的な犯罪事件になると、警察も検察側もその事象を起こした人を評価できる知識が全くないことです。この映画でも描かれているように、ITの知識がない人が事象を法に照らし合わせるのですから、判断ができるわけがないです。これは、航空機事故などでも起こることで、飛行機のシステムや機能、操縦など全く知らない警察や検察が事故の原因とその犯罪性について問うわけです。
もう一つの問題は、出る杭が打たれる問題です。日本で教育を受けた人は、質問に対して正解をだす訓練を受けて育ちます。創造は正解がありません。失敗するからイノベーションが起こるのですが、これを許容する文化が日本にはありません。そして、チャレンジすることを評価し、その人を称賛することも少ないように思います。
これは、Winnyの件があっても変わらずあり続ける日本での問題であり、新しい知の創造を阻害していると改めてこの映画で確認した次第です。
