椿本力三郎

生きる LIVINGの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.4
役所仕事における「預かっておこう、支障はない」というパワーワード。
死を意識させられた課長と部下達は、その呪文が一瞬だけ解けるのだが、しかし、組織の慣習はそう簡単には変わらない。

黒澤明といえば「影武者」にも強固に組織、仕組みが出来上がっていれば「個」の実態がどうであれ組織は回っていくというメッセージがあったが、本作品にも通底するリアリズムかと思う。

老いと諦めのコントラストとして登場するマーガレットがもっとわかりやすくコケティッシュであれば、なお良かったように思う。