ASUKA

生きる LIVINGのASUKAのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
ビル・ナイが泣かせる・・コンパクトで良い映画でした。

☔︎

人生も終盤、周りに煙たがられる堅物公務員おじいちゃん。
余命宣告に静かにショックを受け仕事をさぼり自暴自棄になるも、暇の潰し方もわからないもんだから、自暴自棄と言っても貯金をおろして街に出て飲んでみたりするだけ。
まだやれる事はある、と切り替えるきっかけとかタイミングがどこだったか私には少し難しかったんだけど、なんかこう説明すぎず深みのあるビル・ナイの静かな演技が説得力を持っていて腹落ちする。
後から考えると、ダイナーで会った小説家にも影響を与えたんだろうけど、そんなに詳しく描写していない。
そんなところが自然で、黒澤カラーを踏襲しているのでしょうか(オリジナル観てないのでただの想像💦)

どうやってもかっこよく見えるイギリスとはいえ、カメラワークとか映像も興味深い。
役所の階段と、コンパートメントのシンメトリー、ブランコに乗って歌うビル・ナイはもはや様式美✨
食事シーンの食器の音、タイプライターの音も耳が気持ちいい。
山高帽子、乳母車・・美しい✨


期限がないとなかなか本気が出ない、もしかしたら主人公タイプの私。
最近は期限に追われない作業的な仕事がちょっと増えて、このままだとミセスゾンビになってしまうので、今年転職しようとしている私への賛歌になりました。
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