manami

ハケンアニメ!のmanamiのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
-
「コンテ通りで」で押し切ったり、「寺の音では古い」とか「それはとわこじゃない、勝手に決めつけないで」「どうして泣くんですか?」とか、デリカシーなさすぎ自己中コミュ障発言連発だった新人アニメ監督が、自分の夢を形にする過程で社会人として大きく成長していく。
アニメ業界をコアに描いてはいるけど、いわゆるお仕事ものとして、アニメファンならずともきっと心に響くだろう。
熱い展開や泣かせるセリフも多くありながら、笑えるシーンも随所に。私的には『アニメゾン』の表紙をムチャ振りされる神作画の並澤和奈のくだりが、すっごくツボ。小野花梨やっぱり良いね〜。「今は無理でーす」も「え〜」も、何度も声出して笑ったー。瞳から場面の説明を聞いての「分かりました」もかっこよくて最高。
その後、制作現場に携わる様々な立場の人が職種のテロップとともに現れて、ラッシュチェックのために集まるまでのくだりで、今度は謎にボロボロ泣く。
公開時に観に行きたかったのに逃してしまった作品だったけど、もし映画館で観ることができてたら、冒頭から笑ったり泣いたり忙しなくて、なかなかの不審者だったろうな。
主人公の目標でありライバルとなる王子監督のキャラも良い。対談時やどこにいたのか白状する場面での発言は泣けるし、有科Pとのコンビも素晴らしい。こっちサイドの物語も観てみたくなる。
それから両陣営が創り出す2本のアニメも秀逸。これだけ話題になって視聴率争いをするという設定であるからには、それぞれの作品のクオリティもすごく重要で、それがイマイチだとのめり込めない。その点、『サウンドバック奏の石』も『運命戦線リデルライト』も魅力的で、どちらも観てみたくなる。
いろいろな名作アニメの名言が数えきれないくらい出てくるのも面白い!中でも二人が銭湯にいるシーンに切り替わった瞬間にピンときたあのセリフを、本当に言ってくれたときは思わずニヤリ。
聖地と言えばの秩父を聖地にしてるのもウケる。
そして私の大好きな柄本佑!最後の最後まで、彼の登場シーンで最高じゃない瞬間が1秒もない!完璧に行城プロデューサーだった!エクレア買うのに3つともストロベリーを選んじゃうとんでもセンスも含めて好きだ!

19
manami

manami