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岸辺露伴は動かないのtakのレビュー・感想・評価

岸辺露伴は動かない(2020年製作のドラマ)
4.0
「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ作品を、程よい怪奇ムードで映像化したNHKドラマ。

スタンド能力について詳しい説明を視聴者にするのは時間の無駄無駄無駄無駄無駄無駄とばかりに、世間で言う超能力程度の描き方をしているのが好感。ヘヴンズ・ドアがCGバリバリの処理でもなく、顔に本のページ、実際に本として具現化するシンプルさ。この潔さ、好きです。1話完結の奇譚集という構成も見やすい。露伴先生と編集部担当者の凸凹コンビをまずは示した3話構成。これで終わりにせず、シリーズ化しないかな。

高橋一生の露伴先生、ちょっとナメてた。人気者使っただけやん、と軽く見ていたのを反省。劣勢になってもめげないメンタル。目の前の不思議な出来事から逃げない、冷静な探究心。第1話の「だが断る!」からの、理屈で切り返す逆襲なんて、たまんなくカッコいい。第2話は、森山未來が「いだてん」で身につけたスタンド(違う)、落語聞いてるような怒涛の喋りが上手い。関わるとめんどくさいイメージがよく出てるし、そこから陥いる狂気の演技はナイス。第3話は前半の怪奇ムードから一転して、温かみのあるドラマへと変貌する様子が素晴らしい。飛び出す絵本が並んだ場面は、シンプルな演出なのに心を揺さぶる巧さをみせる。

こういうのを見せられると、またNHKのドラマばっかり見る人になりそう。って、昔からそうだけどさ。
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