☆☆ケヴィン・スペイシーのシーズン6がみたかった!!
シーズン5まで毎回興奮しながら観ていた。
ケヴィン・スペイシー扮する主人公フランク・アンダーウッドは下院議員。大統領になる野望を果たすため、妻と二人三脚でありとあらゆる権謀術数の限りを尽くし、ついには大統領の座をゲットする。
フランクの人間としてのエゴや欲望、ずるさ、そして弱さ。身から出た錆とはいえ、政治生命を一瞬にして吹き飛ばすような爆弾をかかえながらも、政治への執念は日を追うごとに凄まじくなる。
「清濁併せ呑む」とはまさに彼を表現する言葉としてふさわしい。
フランクはときおり、
「今、あんたみてたよな」
といったように、急にカメラ目線で視聴者に問いかけてくる。
言われたこちらはビクッとする。なんかフランクと同じ場を共有しているような、あたかも共犯者のような気持ちになってしまうのだ。
この計算された演出に痺れた。
ハウスオブカードのようなガチで重層的な厚みのある政治ドラマはなかなかお目にかかれない。本当に大人のドラマを堪能できた。
惜しむらくは、シーズン6に入る前、主役のケヴィン・スペイシーが実生活において個人的なスキャンダルによりクビになってしまったことだ。
シーズン6には出演できなかった・・・
制作側の選択はドラマの打ち切りではなく、大統領の死という苦肉の策をとった。
死んだフランクの代わりは、妻のクレアがシーズン6のドライブをかける役まわりを担う。
シーズン6は観ていない。正直にいうとちょっとだけ観てがっかりしてやめてしまった。。。
もちろん、クレア役の強くて美しく、常に凛としたロビン・ライトもシーズン当初から負けず劣らず曲者をよく演じていて素晴らしい。
だが、やはり、ケヴィン・スペイシーがいないハウス・オブ・カードは、ジョーカー不在のババ抜きのようで、途方に暮れる。
ジョーカー抜きのハウス・オブ・カードは意味がないのだ。
たまたま、このレビューを書く数日前、彼の裁判関連のニュースがでていた。いろいろあるだろうけど、ファンとしてはとにかく早く決着をつけて、スクリーンに戻ってきて欲しいと切に願うしだい。
シーズン5までは、本当におすすめしたい作品です。