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ウェンズデー シーズン1のaiaiのレビュー・感想・評価

ウェンズデー シーズン1(2022年製作のドラマ)
5.0
裏ハリーポッター、ミステリー探偵風味のホラーコメディが死ぬほど楽しい!!
ここ数年の海外ドラマ群の中では突出し傑出した出来の作品!
このドラマほんと面白かった~
海外ドラマは昔から観てる方だけど、この作品は秀逸です。

「アダムス・ファミリー」という物語は、日本で無理やり例えると、「ゲゲゲの鬼太郎」と「サザエさん」と「怪物くん」をケシの実で煮込んだような(たとえがわからん笑)、あちらでアダムスといえば、ファミリーと返ってくる歴史あるホラーコメディーのレジェンド。

このドラマは、そんなアダムス・ファミリー一家の長女、ウェンズデーを主人公としたスピンオフで、8話構成のホラーコメディ。
けれども単なるホラーコメディにとどまらず、大きな謎解きが縦糸として全編を貫いている。

この謎解きが後半のメインイベントで、どんでん返しの連続による大団円を迎えるシークエンスがお見事。
久々に良い作品にめぐり逢えた。

物語は彼女の退学から始まる。

破天荒な言動で問題児のウェンズデーは退学となり、「ネバーモア学園」に転入することになる。

学園は、ウェンズデーの母親が学生時代に通った母校(母役はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
今の校長は、母親の同級生。
つまり、コネ転入。
ちなみに、校長先生を演じるのは、あの「ゲーム・オブ・スローンズ」で重要な役回りを演じた、女騎士”ブライエニー”!!
「ゲーム・オブ・スローンズ」ファンには感嘆もの。

学園は、outcasts(のけ者)たちの学園で、生徒らは、ドラキュラ、狼人間、メデューサ等々、おなじみの怪物属性の子供ら。
見た目は人間とほぼ変わりないが、満月の夜に変身したり、自分の髪の毛の蛇をうっかりみてしまって石になったりするお茶目な青年など、怪物の能力を有する。
学園が位置する地域には普通の人間が暮らしており、人間とのけ者が共存している平和な社会。
ところが、その平和な街にある連続殺人事件が発生。
警察は学園の誰かではないかと勘ぐっているのだが・・・

主人公「ウェンズデー」のキャラに惚れた。

ニコリともせず、相手の心の裏側まで突き通すアイロニー(皮肉)盛り盛りの語りと、ジャックナイフのような思考の持ち主。
独特なダンスがチャーミングで、終始一貫ブレの無い言動が持ち味のティーンエージャー。
近寄る男子はシャットアウト。
甘く薄っぺらい青春に憧れる同性の女子には辛辣な絶望を投げつけ遠慮がない。
校長先生にも歯に衣着せぬ生意気でクールな応対。
建前的な権威に屈せず、母が嫌いで親子関係に興味は一切ないと、唯我独尊、「超然少女」なのだ。

ウェンズデーだけでなく、サブキャラも楽しい。
「ハンド」というウェンズデーの手下。
フランケンシュタインの手首から下を切り取ったみたいに縫い傷だらけの手首。
こいつはウェンズデーの言動を逐一報告させるため、親が差し向けた監視役であったが、彼女に簡単に見つかってしまう。
昔からの力関係か、ウェンズデーの言うことは絶対服従。
彼女の子分、その容姿からして、文字通り”手下”となる。
結構、むちゃぶりされたり、ぞんざいに扱われるのだが、二人の間には信頼関係がある。
グロテスクだが、指などのしぐさが愛らしく、要所要所で活躍する。

この二人(少女と手)がホームズとワトソンのように、互いに協調しながら学園の謎を追っかけていく。

後半には、ウェンズデーの叔父も登場。
このおっさん、定住を持たず、諸国をフラフラしていて、たまたま学園の噂を聞いて、ウェンズデーに会いにきたという設定。
まさに渥美清の「寅さん」みたいなおっさんで、事件の渦中にいる彼女を手伝ってくれる。

ルームメイトのちょっと痛い系の女の子で、狼人間属。
実はこの子が後半。。。やめとこう。

とにかく、よく出来たストーリーとキャラ配置が絶妙で、シナリオの伏線、謎の配置、クリフハンガーが上手い。

後半のどんでん返しの連続も鮮やかで、単なるホラーコメディではない上質なミステリーとしても楽しめた。
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