Ayumi

イカゲームのAyumiのネタバレレビュー・内容・結末

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


キャンパスで話題なので、やっと見た。「全然怖くないよ!」と言われていたのだが、1話の「だるまさんがころんだ」でトラウマになりそうなほど怖かった。だがゲームが中断された後の2話目でそれぞれの身の上話が明らかになり、引き込まれた。

誰かが「新自由主義を風刺したものだ」と言っていたのだが、確かにそうだと思った。ゲームに参加した人たちは、突然仕事を失った者、外国人だからと治療費を得られなかった者、母親に財産を作るために横領した者、脱北者、父親に虐待された女性など、どこかで躓いて借金を重ねた人たち。そして命を金に換えるゲームに参加する。ゲームのホストは「平等」を掲げてはいるが、ゲームの途中で女性やお年寄り、障害者があからさまに差別される様子や、女性が性を売って生き残らなければならない様子が描かれ、必ずしも平等ではない。そして次のゲームを教えてもらうことを条件に臓器売買に協力する医者がいるなど、ずるをする者も現れる。

終盤で出てくるVIPが「悪趣味だ」という評価があったけれど、あれはあえてデフォルメしているのだと思った。人の争いを見て楽しむ悪趣味さ、資本主義への痛烈な皮肉なのだと思う。でも、「平等」をうたうゲームの中でもそれを実現できていないということが見えてしまって、現実社会はどうあるべきなのだろうと考えてしまった。

見るのが辛いシーンも多いけど、イ・ジョンジェのお人好しなキャラクターに助けられて全部見終えた。6話目の「カンブ」が一番良い。
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