たも

棺姫のチャイカのたものレビュー・感想・評価

棺姫のチャイカ(2014年製作のアニメ)
2.5
 概要を読んで好みそうだったから見てみたけど微妙だった。面白いとつまらないの間を並行し続けて、ずーっとなにか一味か二味か足りないと感じさせられたし、最後まで同じテイストだった。感情移入できる人物もいない。一人一人キャラの行動も、それに至る動機もイマイチ捉えにくい。
 題材自体は本格ファンタジーだし、好き寄りなんだけど感情が揺さぶられるような劇的な展開が足りなくて多分それらが何かが足りないの正体だと思う。

 それともう一つはカッコいい要素も足りないと感じた。パーティも男1女3だし。
 近年人気のあるバトルものの作品は必ずと言っていいほど劇的な展開で主人公が血反吐を吐いて決死の戦いに挑む、そんな目的みたいな物を持つことが多いし、そんな目的があったからといって物語が面白くなるわけでもないけど、この作品においては淡々としていて感想を捻り出すのに苦労する印象。面白くないわけでもないしつまらないわけでもない。
 多分魅力的なライバルみたいな人物でもモンスターでも登場させると少しは話も引き締まると感じる。主人公に脅威があるという点では細谷佳正さんの演じたキャラが1話から登場してそちらサイドの視点も描かれているしライバル的な立ち位置なのかもしれないけど戦闘シーンもほぼないし魅力が皆無だった。頭数が多くて、意外と切れ者な感じのオーラを放っていたけど、ただそれだけだった。

 世界観やストーリーもダークな感じなのに、明るく描写しているのもアンバランスさを感じさせる要因になってる気がする。もう少し重く暗くなったらオレ好みの作品になりそうだった。

 とは言え笑いとか恋愛とかそっちにパラメータを振ってるし、オレみたいなおっさんじゃなくて比較的若めの方をターゲットにマーケティングしてるんだと思う。10年も前の作品だし、当時観たらまた違った印象になったのかもしれない。
 今時面白い作品が溢れていて、面白いのは大前提という時代にこの作品は面白くもつまらなくもないから名が通らないのにはそれなりの理由があると感じた。
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