たも

アカメが斬る!のたものレビュー・感想・評価

アカメが斬る!(2014年製作のアニメ)
3.5
 良くも悪くもかなり大味な作品。最近で言ったら終末のワルキューレとイメージは近いかも。今作の1番の見どころはアクションに振り切ってる印象。エログロもあるし対象年齢があってもおかしくない。感心するような面白い描写とかもいくつかあった気がする。

 予備知識を一切持たずに見たけど、予想を裏切る展開が多くて面白かった。


※以下ネタバレ※


 特に10話前後くらいからどんどん面白くなってゆく。むしろそれくらいまでは単調で重くてもう一口食べたいってなりにくい。
 殴る蹴る斬る撃つみたいな単純な暴力から特殊能力系のバトルに発展したのが個人的にかなり良かったと思う。

 アカメの持ってる剣の能力が強すぎるのと、糸だかワイヤーを使うやつも強すぎて作者が扱いに困ってるように感じた。クロメの能力も死体だから剣の能力効かないみたいな完全にアンチアカメみたいな能力になってるし、エスデスもそれに呼応して強くなってる印象。無からあんな莫大な質量の物体を生成できたら氷じゃ無くてもなんでも最強な能力だと思う。
 強すぎる能力といえばジョジョ4部の億泰のザ・バンドとナルトの油女シノみたいな参加したら絶対面白くなるのに大事な戦闘に参加できない歯痒さみたい状況を彷彿とさせられた。

 キャラデザも含めアクションやら作画もかなり良くて見ていてほとんど退屈しなかった。
 キャラがえっどい。推しみたいな概念は基本的に持ち合わせてないオレみたいな奴でもエスデス将軍には性癖を歪められたかもしれない。あのお方に拷問されたい。名実ともに力のあるプライドの高いお姉様が身を粉にして尽くすっていうあのギャップ、たまらねえ。エロゲとか恋愛シュミレーションとかプレイしたこと無いけど、こんな気持ちにさせられるんかなあ。

 ヒロインはタイトル的にも多分アカメだと思うけどアカメ好きな人おるんか?って思うくらい他に魅力的な女性キャラが多い。よくよく考えると主人公に惚れる女性陣が多いしラブコメ要素もかなり強い。

 18話の変身できる帝具を使うチュッパチャプスを舐めてる女が死んだところを境にそこからは先は原作を元にしたアニメオリジナルの展開らしい。
 原作未読だから適当なことは言えないし、当然シナリオは大きく変わっているだろうけど、キャラクター性やそれまでのシナリオから逸脱した気配も感じさせないし遜色ない出来栄えだと思った。むしろ言われなければ気付けないレベルだと思う。
 主人公からなにから敵味方問わずたくさん死んでしまうけど、前半の仲間が死んでゆくところからインスパイアされた感じが伝わってきた。キャラを使い捨てにして有りがちな展開になってしまうのは残念に思うと同時に物語の1/4の6話分もこんなに高いクオリティを維持して結末まで描ききる気概に惚れた。さすがWhiteFoxか。

 コンプラ上等で晒し首とか死体を爆破とか倫理観を問われることを平気でやっちゃうし、五体は切断されて飛び交うし、リアリティのある作品だったら嘔吐もののグロさだけど、軽快にかつ大胆に描いてくれてるからとても見やすい。
 逆に言えば作品にリアリティを求めるタイプの人にとってはツッコミどころが満載だからそれが気にならない人なら間違いなく楽しめる作品だと思う。
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