回想シーンでご飯3杯いける

ボージャック・ホースマン シーズン6の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.2
「ボージャック・ホースマン」全6シーズン完走! とは言ってもシーズン1を見始めたのは10ヵ月前。一応は繋がった大きなストーリーがあるものの、1話30分の短い区切りで一応のオチが付く構成なので、いわゆる一気見とは無縁。自分のペースでゆっくり観進められるのが心地よい。

'90年代にホームドラマで一世を風靡したボージャック(馬)が落ち目になってからの話で、動物と人間が混在する独創的な世界観ながら、アメリカの芸能人も実名で登場する風刺漫画でもある。

6シーズンを通して取り上げられるのは、アルコール等の依存症であるボージャックを筆頭に、無性愛者、女系家族で育った故に成功のプレッシャー強く抱える女性、鬱病に悩むキャラクター等、劣等感を抱える者達の日常生活だ。

日本では「しくじり先生」という呼び方もあるが、本作は登場するのがゆるキャラ的な動物達なので、そこまで説教臭くなく、彼らの失敗談を、時には笑いに変換しながら、ドライに描いている。

そして、これだけ可笑しなキャラクターが登場しながら、6シーズンを通じて「ルックスいじり」が一切なかった事に気付き、悩みを抱える人達への圧倒的な愛を感じたりもするのだ。