回想シーンでご飯3杯いける

機動戦士ガンダムSEEDの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダムSEED(2002年製作のアニメ)
4.0
【TV/OVA版ガンダムを製作年順にレビュー中】

1999年の「∀ガンダム」で、それまでのガンダム・シリーズを遺跡扱いして総決算。制作側とファンにとって大きな区切りができた後の、初のTVシリーズという事で、この「機動戦士ガンダムSEED」は潔いほどに新世代のガンダム作品になっている。と同時に、実は、潔いほどにファースト・ガンダムへのオマージュに満ちた作品でもある。

人類をナチュラルとコーディネイターに二分し、両者が武力衝突するストーリーは、ファーストのオールドタイプとニュータイプの構図であるし、敵として出会うキラとアスランの関係はアムロとララアであるし、上官ムウ・ラ・フラガはリュウ・ホセイ的ポジションだし、男気溢れる敵兵アンドリュー・バルトフェルドは、ランバ・ラルを彷彿とさせる。

放送当時のアニメ作品で流行していた大きな目の美少年が主人公という事で、古くからのガンダム・ファンには毛嫌いされたものの、これは紛れもない正統派ガンダム作品なのである。

主人公機であるストライク・ガンダムは初代ガンダムの流れを汲むストイックなトリコロールカラーでデザインされていて、これが新時代のスタンダードだと高らかに宣言しているかのようだ。

人類の革新、反戦、少年の成長、友情、恋愛、、、、ガンダム・シリーズの根幹をなす要素が見事に揃った会心の作品。食わず嫌いではあまりに勿体ない。