回想シーンでご飯3杯いける

機動戦士ガンダム00 ファーストシーズンの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.2
【TV/OVA版ガンダムを製作年順にレビュー中】

TV版ガンダム・シリーズのレビューを再開したのは、この「00(ダブルオー)」を紹介したかったから。そのぐらい現代のガンダムを語る上で外せない作品。

「ターンA」で過去の作品に区切りをつけ、続く「SEED」で原点回帰と新世代への打ち出しに成功した「ガンダム」シリーズが、その勢いのまま今までに無い新しいタイプのガンダム作品を送り出してきた。

シリーズ初の西暦設定。西暦2307年の地球は、3つの陣営による対立が続いている。そこにガンダム中心で組織されたソレスタルビーイングが武力による戦争根絶を目指すというストーリー。ガンダムは言わばゲリラであるし、他にテロ集団も登場する等、明らかに911の記憶が残る放送時期の社会情勢から着想を得た設定になっている。

3つの陣営を設定する事から、登場するモビルスーツも多彩で、ジオン系を思わせるミリタリー調から、エヴァ以降の流行を踏まえたスタイリッシュな物まで、ほぼ3作品分のテイストを楽しむ事が出来る。

「SEED」に続いて、本作も人気ミュージシャン書下ろし曲が主題歌として使用されている。「エヴァンゲリオン」の登場以降、対比として何処か野暮ったいイメージがあった「ガンダム」シリーズが大きく巻き返しに来たという印象を強く残す力作である。

ガンダムは初代ガンダムのように、やはりテレビを通じて広い層に攻めるアニメであって欲しい。今、初心者に勧めるなら、劇場版で展開される中高年狙いの焼き直し作品ではなく、この「00」か、現時点での最新作「鉄血のオルフェンズ」を挙げる。