ぞしまさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ぞしま

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ローマで夜だった(1960年製作の映画)

5.0

最高。
クリスマスに皆で歌うシーンの朗らかな美しさ、記憶しておきたい。

河島英昭の名著『イタリア・ユダヤ人の風景』など読み合わせるとよいかも。
ナタリア・ギンズブルグ、パヴェーゼの作品ももちろん。

やさしい女(1969年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

自殺した女の死体を前に男と家政婦、
男の回想を中心に語られていく。

永遠に縮まらない距離を保ち続けるドミニク・サンダの表情が全てを物語っているような気がする。

死んでしまった人が何を残すのか、とは
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自由は何処に(1952年製作の映画)

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コメディ。
おそらく本邦初上映とのこと。

おもてたのとちゃうが、ロッセリーニ作品を劇場で観ることができただけで良しとする。トトと合わずに(他にも理由はあるようだが)ほとんどロッセリーニが仕事を投げて
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田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

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バイクのシーンの異質さや、少女の語りはよかったが、長ったるく感じた。

真珠のボタン(2015年製作の映画)

4.2

心打たれる素晴らしい作品。

〇〇だけでもなどという言い方にはどこか胡散臭さが漂うが、レールのシーンだけでも観る価値がある。

『光のノスタルジア』から観たかったがかなわず。

街の上で(2019年製作の映画)

3.9

二人でシーツ拡げるシーンが忘れがたい、よかった。
中田青渚さん、よかった。
留守電のところも。

毎回思うのだけど、意図的に間延びしたような感じを出してるのかな、どうなんだろう、とか、
喜劇的な要素を
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ベレジーナ(1999年製作の映画)

4.3

最高。
怪しさ溢れてて若干の狂気と猥雑なシーンもあるのだが、なんか(なぜか)上品。

笑える仕掛けがいくつもあって、ヒゲの長さ、テントのドレス、ポンっ、などなど。
天使のように描かれていたイリーナが軍
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モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.5

良かった。

『コレクションする女』のように男がバカだけな話(失礼)かと思うて最初観ていたのだけど、ちと違うかなと思うたり。でも、結局は描き方の問題でしかないのかもしれない。

後半の夫婦の出会いのパ
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コレクションする女(1967年製作の映画)

4.5

コレクションしてるのはあんた達やないか、強烈な皮肉だね。

それは観念的ですらないだろうというところで観念的に振る舞う”仕草”、その愚かさをいつまでも捨てることが出来ないかもしれないのかと思うと、なか
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獅子座(1959年製作の映画)

4.5

ロメールの長篇デビュー作なのか。

いい歳したおじさんがバカンス下のいかにも暑そうなパリを歩きまわって金を無心する様、その時の電話している感じ。

靴音がその人の矜持を守るかのように鳴っていて、靴はど
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LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)

3.3

長かった。クドイと思ってしまうたかな。

「金や考えや心情は仕舞ってはならない。使わなくなるから。」
ナタリア・ギンズブルグの発言らしい。(コミュニストとして)
話と全然関係ないが、政治家がこうゆう引
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.6

トイレに立って自身を眺めやり2回入ったんだなとかいうてる詩が朗読されるが、なんかしんみりしちゃったな。
笑えるところも多かったけど。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

『ワーニャおじさん』読んだあとに2回目観なおしてみたら、最高だった、転向みたいでダサいけれど。
いかに綿密にテキストが絡まりあっているか、オトの語りも2回目を通して腑におちてきた。

濱竜に会話劇を期
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.9

何の話を聞かされてるんだろうか感はあるのだが、オープニングの教室で条件法の説明かなんかしているところからして、なんかウケる。ウケる予感というか。でも感動も少しある、感動というか美しさというか。


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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.5

二つ目の話が異様に好きだったのだが、気分と合っていただけのような気もする。

パリの宣伝映画?と思ったりもしたが、日を変え場所を変え出会う二人、が街をただ歩いてる感じ、少しずつ明らかにされる状況や心情
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.3

二回目。
TVの特集で、試写会か何かそんなようなもので観賞後の宮崎駿が「自分の作品で泣くのは初めてです」みたいなことを言っていて、ずっと、とても印象に残っているが今でもあれを見返したい。

初見時、新
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

こんな素晴らしい作品…あるだろうか。

同じ時代に生きていて良かったと思うくらいには好き。

「Passion 」の方がちょっとだけ好みかも。どうだらう、分からない。

『カメラの前で演じること』を読
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.3

静かにジワジワつらい。

だが、悲しみを前面に感じなくて、透明な感情みたいに無に感じられる(からこそ辛いのだが)のはなぜだ。

ミークスの時も思ったけど、
所与的にオンザロードされている、なぜ現在この
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.5

じわじわと面白くなってきて、最後は終わって欲しくなかったくらい。
始まり方からして終わり方は必然とも思えたかな、知らんけど。

ミークが、女の根源はカオス・混沌で男はデストロイ・破壊とか言うてて、それ
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親密さ(2012年製作の映画)

5.0

濱口作品は2作目だけど…いいなぁ。
かなり長かったけど。
一部にはまり込み、二部はちと消化不良なのでまたじっくりと観てみたい。

たくさんの電車(駅)のシーンがあったけど、多分全部良い。
幽体離脱とか
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

おじさん二人と犬が温泉に行くだけの話と言ってしまえるが、解脱感(他に語が浮かばぬ)みたい印象は、深く山に入っていくからか。
カメラも大いにありそうだが、不思議な心地よさよ。

この寂しさは知っている気
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

良かった。
覗き見(知らぬ世界)と居心地の良さor穏やかさが同居している感じというか。

チャリ2ケツとか一緒に企業しない?うん(食い気味)とか、何度か泣きそうになった。
生き方を模索して見つけていく
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アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

5.0

7年ぶり。

鐘の鋳造シーンを見て「これは人生の映画だ」と思った当時の感慨が合間に甦ってきた。そのしばらくあとにボラーニョの『売女の人殺し』を、なんと運命的に、と思いながら恍惚の表情で読んだのだった。
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.3

精緻に、どちらに肩入れしたような分かりやすくした作りではないから「実際そういうもんだよな」感がすごい、緊迫した展開に引き込まれていくなかで、正義なぞ存在しないのではないか、その語のおどろおどろしさが周>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

良かった。
最近よくいうてしまうてる気がするが、この手の(向こう見ずな)キャラクターに弱く、涙腺が緩みっぱなしだった。
語り過ぎなきらいもあるが、ギャツビー構文(何それ)的ストーリーテリングが一つ「も
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愛の昼下がり(1972年製作の映画)

4.2

意外な結末だった。

クロエの奔放であやしい魅力の描き方が見事で、ああいうキャラに自分も弱いなぁとか、バカみたいに思いながら観ていた。

ジャケにもなってるシーンは相当に官能的で、男に意気地が無いとい
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.4

あまりハマれなかった。
映像と音がくっきりしすぎてるからなのかな。

この作品についてフェミニズムとかLGBTがみたいなテーマが先に来てしまっているという話をきいたのだが、どうなんだろう。そういう問題
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クレールの膝(1970年製作の映画)

4.2

気持ち悪いなというのが強かったが、それを楽しむ映画だったのかなという気が終盤になってした。
冒頭のきらめく湖畔の青の美しさ。

メタな構造になってて凝っているが、会話にそこまではまれない感はあったかし
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紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

4.0

ゴダール感強いなと思うてたら、あの人ゴダールだったのか。
ごくごく短いがとても面白かった。

明日を夢見て(1995年製作の映画)

3.8

恋愛モノになった瞬間から興醒めしてしまった。
いかにもシチリア(というか南伊)な感じ、奔放な市井の人々の語りが、 面白かったんだけど。

フェリーニの写真がちらと出てたと思うけど、ジュゼッペ・トルナト
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空に住む(2020年製作の映画)

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両親の死、タワーマンション、不倫、スターとの情事、変わっているが気持ちの良い同僚と職場(小さな文芸出版社)、ネコ、出産、小さなところではオムライス……。
観てるときはあまり思わなかったけど、いかにも、
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

暗がりの中での光が際立っていて、過剰なまでの美意識を感じる。

好みになってしまうのかもしれないが、不穏な序盤から中盤までが良くて、渡米を目指してから終わりまで、はちょっと予定調和な感じがした。

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ローマに消えた男(2013年製作の映画)

3.8

ラストタンゴインパリのくだりは笑ってしまったな。
ませたちびっこと疲れた大人の心の交流ってテッパンだよな、と思う。

演説(1回目)のところで、ちょっとムッソリーニの言い回しが入ってる気がしたんだけど
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