針さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

針

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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.1

幕末の品川にある女郎屋を舞台にした群像劇。観よう観ようと思いつつなかなか手が出せてなかったけど、こりゃ快作でした。

ストーリーは落語の『居残り佐平治』を核に、いろんな演目を混ぜこぜにして一本の話にま
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浮草(1959年製作の映画)

3.8

小津安二郎のカラー作品。志摩半島にある小さな港町にやってきた舞台役者の一座と、町に暮らす人々との交流を描く。内容は恋愛映画でもあり、家族映画でもありといった感じ。

冒頭、港の突端に立つ白い灯台を軸に
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

★みなさま2023年はいろいろありがとうございました。結局「誰かが観てる」というのが一番観たい欲を刺激するようで、おかげさまでいろいろ変わった映画が観られていい一年でした。来年もよろしくお願いいたしま>>続きを読む

絞殺魔(1968年製作の映画)

4.5

『VORTEX』で画面分割に興味が湧いたのでそれ繋がりで。60年代にボストンで実際に起こった女性の連続絞殺事件を題材にした犯罪もの。ひとり暮らしの女性を次々に殺害する犯人とそれに振りまわされる警察との>>続きを読む

Valimo(2007年製作の映画)

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こちらもカウリスマキの短編映像。U-NEXTで。
鋳物工場で働く人たちが終業後にみんなで映画を観る様子を映した4分の映像。これはカウリスマキ作品の冒頭のシーンそのままですね!
工場で働いてる人がリュミ
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Bico(2004年製作の映画)

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カウリスマキの短編映像がいくつかU-NEXTに来てたので見ようかなと。
ポルトガルの北西端にある小村ビコの様子を写し撮った5分の短編。しかし5分でも映画という感じがしました。
最初は遠景から撮っていっ
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眼球の夢(2016年製作の映画)

3.8

佐藤寿保は初見。ピンク映画の巨匠とのこと。

とある理由から他人の眼をカメラに収めることに異常に執着する女性と、彼女を被写体にドキュメンタリー映画を撮ろうとする精神科医の関係を主軸にした作品。ジャンル
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

カウリスマキを観るのは『マッチ工場の少女』、『パラダイスの夕暮れ』に続いて3作目。このなかでは一番ヘンな作品でした。
ジャンルは小市民的犯罪映画? ドラマが転がり始める後半からがちょっと良かった。展開
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.8

新作観にいく前に何個か観たいと思って。『パリ、テキサス』と並ぶヴィム・ヴェンダースの代表作というイメージ。
人間の暮らしを傍らで見つめ続ける天使たちのお話。

雰囲気作りはすばらしい! 空撮、イメージ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.1

黒柳徹子が自身の子ども時代を綴った往年のベストセラーのアニメ映画化(といっても自分は原作未読)。

前半は同級生のやすあきちゃんという男の子との交流を中心にしたジュブナイル。そして後半の様相の変化がす
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.8

主人公のラジャーはアマンダという女の子のイマジナリーフレンド(空想上の友達。作中の呼び方は「イマジナリ」。)。あるとき2人はイマジナリを狙う謎の男に襲われ、それをきっかけにラジャーは自分の消失の危機に>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.5

やっぱりディズニーの歌は強くて、こうやって一定の流れの中で音楽を流されると自分の体は無条件に感動しちゃうんだなーと思った。それはわるいことではないんだけどけっこうドギマギはする。
あとこの短編単体は別
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー創立100周年の記念作品だそうです。自分は吹替で。

好きな方には🙏だけどさすがにこれはちょっとひどいのでは……と思いました。
ストーリーは「願い」にまつわる寓話みたいなものなんだけど、あま
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獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)

4.1

獣兵衛という流れ者の忍びが超人的な能力を操る忍者軍団と死闘を繰り広げるバトルアニメ。川尻善昭の代表作の一本だと思う。

テンポのよさとアクションのキレで90分飽きさせずに最後まで走り抜ける快作。エロ・
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.5

なんか自分の好きそうな映画……と思って観に行ったら案の定でした! ちなみにギャスパー・ノエは初見。

ごくありふれた老夫婦の“晩年”を描いた老境映画。おばあさんは認知症を、おじいさんは心臓病をそれぞれ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

リドリー・スコット監督による「ナポレオン」は、后妃ジョゼフィーヌとの夫婦関係とナポレオン戦争の合戦シーンを二本柱にしたノンストップ・アクション映画でした。数シーンを除いてほんとに全然立ち止まらないので>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.1

題名通り、ゲゲゲの鬼太郎の誕生秘話ってことですね。
東京で会社員をしている水木という男(しげるの分身っぽい)が田舎の村で巻き起こる連続怪死事件に巻き込まれ、鬼太郎の親父(まだ目玉じゃない)とともに立ち
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(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

念願の北野武監督作品なのでもちろん観に行きました!
自分的にはうーんという感じ。いい意味でもわるい意味でも観終えたあとの虚脱感がすごくて、笑えるところもあったけど満足感はあまり無かったなーというのが正
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.1

ゴミ収集業の男とスーパーのレジ担当の女がふとしたきっかけで出会い、というメロドラマ。うらぶれた都会の小さな恋愛譚という感じ。
カウリスマキはまだ2作目ですがけっこう好きかも……。

仕事と部屋の往復だ
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からっ風野郎(1960年製作の映画)

3.0

憂国忌には遅れましたがついに観ました。三島由紀夫主演のヤクザ映画。
……内容は面白いところはあるけど総合的にはウーンという感じでした。主演はもちろん、監督・増村保造、ヒロイン・若尾文子、脇役で志村喬な
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.1

偶然遭遇した殺人事件をみずから引っ被ることで成功の糸口をつかもうとする若き女優とその親友の弁護士による犯罪コメディ。フランソワ・オゾンの映画ははじめて観ましたが軽くて楽しい作品でした。

1930年代
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.5

約10年ぶりの再見。前のときは正直、画面は異様にきれいだけどよく分からずつまらん話だなーと思ったのですが、今回は全然違う感触で観れました。確かにすごい作品だと思う。まさに当時の自分には10年早かった…>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.5

人の“正しい”在り方って何? という問いを巡る群像劇映画。

おおむね真っ当な話だと思いました。個人的にはなかなか見応えもあるし嫌いじゃなかったのですが、逆に言うとそこまでガツンと来るところもなかった
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

話題の新作ゴジラ。自分の感想もだいたい世評通りな気がします。(かなり長いので気になる方だけお読みください)

今度のゴジラは太めの首にちょこんと小さい頭が載ってる感じが意外とかわいらしかった! 巨大な
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.8

配信あるけどまぁいいかなーと思って外出ついでに劇場で観てきました。エリック・ロメールは『緑の光線』に次いで2作目。

パリを舞台にした役者の多い恋愛コメディ。
不倫相手のパイロットの男に振られた女性と
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.5

ウルリケ・オッティンガー特集、気になってたけど全部は観に行けないのでこれだけ。

ベルリンに降り立ったお金持ちのアル中女性が、ホームレスのおばあさんをお供に、至るところで酒を飲んではグラスを壊す酩酊映
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火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『火の鳥 望郷編』のアニメ映画。
ちなみに手塚治虫による原作の『望郷編』は出版されるたびに加筆訂正が繰り返されたバージョンの多いことで有名なマンガだそうです。それもちょっとの修正ではなく大幅にカットし
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乙女の祈り(1994年製作の映画)

4.1

ニュージーランドの地方都市を舞台に、ポーリンとジュリエットという2人の少女の濃密な友情とその帰結までを描いた作品。『ロード・オブ・ザ・リング』を作る前のピーター・ジャクソンが監督をやってます。

南部
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.1

メキシコシティに暮らす少年たちが、貧しさゆえに悪事、もとい犯罪に走っていく様子を描いた中編。
物語はハイボという少年院を逃げ出したボス的な少年と、彼の友達のペドロという小柄な少年を中心に展開されます。
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暖流(1957年製作の映画)

4.1

経営難に陥っている病院を舞台に、金と色恋、欲望と嫉妬が渦巻く、しかし軽やかなコメディ・メロドラマですごく面白かったです。快作。

主人公は、院長から病院の立て直しを任された青年日疋(ひびき)と、院長の
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.1

監督テリー・ギリアムによるSFサスペンス。謎の細菌によって荒廃した未来世界からひとりの囚人が20世紀末のアメリカに送られ、未来を救うべく奔走するという物語。
主演はブルース・ウィリス、マデリーン・スト
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

どうしようか迷ったけどNetflix入ってないので劇場で観てきました。結果、ある意味すごく面白い、ちょっと変わった映画だと思いました。

仕事に失敗して痛い目にあったフリーの殺し屋があちこち巡りながら
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スモール・ソルジャーズ(1998年製作の映画)

3.8

youtubeの「BLACKHOLE」というチャンネルで紹介されていて気になったので観てみました(解説部分はまだ聴いてません)。監督は『グレムリン』『グレムリン2』のジョー・ダンテ。

軍需産業にも力
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極北の怪異/極北のナヌーク(1922年製作の映画)

3.5

“ドキュメンタリー・フィルムの父”、ロバート・フラハティによる最初期のドキュメンタリー(記録)映画の名作。1922年にアメリカで製作された白黒サイレント映画です。自分はまぁ映画史のベンキョーのつもりで>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

20世紀初頭に起きた“インディアン”の連続怪死事件を描いた、マーティン・スコセッシによる犯罪映画。自分は犯罪アクションを予想して観たけど実際はすごく陰惨な陰謀スリラーって感じでしたね。
個人的には3時
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子連れ狼 三途の川の乳母車(1972年製作の映画)

4.1

劇場版「子連れ狼」シリーズの第二作。
実子の大五郎を乳母車に乗せて各地を旅する元公儀介錯人・拝一刀(おがみ-いっとう)がバッサバッサと敵を斬る!

前作の『子を貸し腕貸しつかまつる』は1本目ということ
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