お望月さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.4

密室サバイバルなのに人間関係でギスギスすることがないし秘密とか裏の顔もなくプラス思考でポセイドンアドベンチャーする気持ち良い作品。ちょっと待って!いま「ポセイドンアドベンチャー」って言った?(言いまし>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.9

密室、息もつかせぬ暴の嵐、汁気の多さ、想定できない乱入者、足音の重み、全部良かったはずなのに終盤になるにつれて「算数」が始まってなんか続編への匂わせが表出するにつれなんか‥‥長所の大味さが雑味に変わっ>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.1

キャラクターやバイクがチャーミングで、さすが漆黒のスネークアイズの脚本家だと唸った。

フランケンフッカー(1990年製作の映画)

4.1

脳の大切なところを一切使っていない(あるいはドリルでセルフ切除して心配するのをやめるようになった)映画。 あらゆる要素が全問不正解だけど、エリザベスはかわいいしエリザベスはかわいい。脳くんもかわいい。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

15の時に出会った25の破滅的お姉さんは、暗黒格闘技グラヴマガの使い手で位置エネルギー車の運転がめちゃくちゃうまい。どう考えても破滅刃傷沙汰エンドは免れまいと喪服を用意しに行ったら意外なことに疾走感の>>続きを読む

スランバー・パーティー大虐殺(1982年製作の映画)

3.6

扉・窓・隣家といった薄皮一枚の緊張と「はずし」を用いた緩和が丁寧な仕事をしている。フェミニスト・スラッシャーとしても知られる本作だが、男女のヌード比や殺害比から、なんらかの匂いを感じ取れなくもない。

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.1

京都的おおらかさに包まれたSukoshiFushigiコメディ。原作に比べて正気度が高く「ふつう」になっている。また、ストーカー的な画面を解消しようとした男女逆転の試みは死体処理的な画面が増えただけに>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.9

放火犯治療や飛鳥II等、ドラマを超える現実へ一石を投じながらも、プロ医療アクションエンターテイメントを全うしようとする意思を感じた。中でも「クリシェ」となった心停止エフェクトへの反逆はドラマ版からのア>>続きを読む

ある会社員(2012年製作の映画)

2.9

惜しい、設定五億点。殺人商社ならではのユニークな風習とエクソダス願望の食い合わせが悪く主人公の英雄性維持のためにカルマを低下させる殺人行為を避ける傾向(同僚の轢殺が代表的)があり、主人公が何も考えてい>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

長い旅路の果てに彼女は堕ちたのか、それとも飛躍したのか。想像の羽を大きく膨らませる、あえての「劇終」エンドは鮮烈であった。
それはそれとして「ソレ」をサゲに起用した意図を知りたい。日本人にとってはノイ
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.0

今年の干支は殺人自動人形で決まり! 毎年干支になってほしい。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

ほぼ満点。マリオは世界で一番死亡したキャラクターだけど一度も諦めなかった。全世界のマリオキッズはこの映画と同じ時代に生まれたことを誇って良い。
それはそれとして「死は救い」クンの謎の激推しはどうだろう
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.3

「家族ってナニ?」世界には【虚ろ】とでも呼ぶべき盲点が存在する。希望を排水溝のように吸い込み流し去ってしまう。過不足のない映像の中、無数の演技巧者が身体を張り、ちょっと良い話になりそうなところで【虚ろ>>続きを読む

ブラフマーストラ(2022年製作の映画)

3.4

インド神話アストラバースからの第一の刺客。キャラクターが退場するときは必ず崖から落ちるので崖際の戦闘シーンしかない。スマブラ。

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

1.4

「箸にも棒にも掛からない」という故事成語は6500万年前の地球で生まれたそうです。

ホーリー・トイレット(2021年製作の映画)

3.0

保護林起爆セレモニーで「君が代」を斉唱する謎の日本推し環境保護映画。電流イライラ棒や人体への削岩機直撃等の面白アクションと全方位を敵に回す不謹慎ギャグが魅力か。なお、ドイツギャグは面白くないところまで>>続きを読む

便座・オブ・ザ・デッド(2013年製作の映画)

3.8

2012年世界滅亡説は実現しなかった。失望したルサンチ・マンは個室便座に閉じこもり、クリスマスに浮かれた世間は肉欲の限りを尽くし……というわかりやすいモチーフの物語。原題「Stalled(思考停止)」>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.5

謎めいたタイトルの回収によって、表面上は凪いでみえる男の激情を剛腕かつ丁寧に描いている。
北野監督は、人間が表情を失う状況を描くことにかけてはほんと一級品。

キング・オブ・キラーズ(2023年製作の映画)

2.0

東京殺人コンテスト審査員の殺人王が全員を相手にするのでめちゃくゃ律儀。ストーリーは無。

盲剣楼(2022年製作の映画)

3.9

驚くべきアイデアを取り込みつつ骨子を掴んだ盲剣アクションは申し分なし。座頭市を下敷きにしつつユーモアと陰湿さを併せ持った主人公も好感度が高い。終盤の色をなくした画作りに世界の無明を見た。オススメです。

DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

3.4

生庵野がウルトラマン役、という単純な話じゃなくて、中身はウルトラマン、表皮がカントク。そういう演技をしている。カントクのアルカイックな表情を見てください。あなたはあんな無表情に投げを打てますか?完全に>>続きを読む

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

3.2

監督が途中からスーッと消えていき観客との境界があいまいになっていく。境界が消えそうになると視線が観客に突き刺さる。終盤の大竹しのぶが「こっち」を見る回数は致死量を超えている。
誕生日=死という落としど
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CUTIE HONEY キューティーハニー(2003年製作の映画)

3.0

様式美で鑑賞者への負荷を低減させつつ、巨大京本秀樹の悲しい表情や永遠への恐怖といったSF的なエッセンスを語る手腕を備えている。庵野君が楽しいなら僕らはそれでいいよ。

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

4.4

庵野の勝ち。エンディングテーマに劇中カラオケ音源を使用して「空虚な思い出の前借り」をさせてしまうという残酷な美しさに20世紀のナガノを見た。

ローマの休日(1953年製作の映画)

4.0

とにかく王女が楽しそうで良かった。轢とか撲は宮殿ではなかなか味わえないものだ。

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ(2014年製作の映画)

3.6

越えちゃいけないラインを熟知して、ちょっと踏み越えてみせる。丁寧な職人芸が光る作品。間のとり方だけで、この作品がホラーではなくギャグであることを伝えてくる手腕には驚いた。ラスト付近の不穏で耽美な空気感>>続きを読む

インデムニティ 陰謀の国家(2021年製作の映画)

2.9

ポリティカルアクションはUSBメモリに世界の命運を託しすぎ。格闘アクションはそこそこ。ストーリーはAI崩壊。風光明媚さはいまいち。なんとなく間延びしたエモーション演出。室内の十字路でウロウロする角度が>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.5

猫に仏性なし。故に猫の身で体験したことは一切の空であります。

ガネーシャ マスター・オブ・ジャングル(2019年製作の映画)

3.3

予定調和な物語だと安心しきっていたら、獣医らしからぬ筋肉とスローモーションのナイア先生が急にウルミ剣で殺陣を始めたり、象の瞳のフェイタリティが炸裂したり、目を見張るものがある。思ったよりインドくないた>>続きを読む