トノモトショウさんの映画レビュー・感想・評価

トノモトショウ

トノモトショウ

アトランティックス(2019年製作の映画)

1.0

説明的なくせにぼんやりとした設定で、ミステリ・ホラー的な展開のくせにロマンスに軸を置き、社会派なテーマを気取っているくせに安っぽいストーリーだ。黒い肌の美しさと、海と風の生々しさは感じるが、それ以上に>>続きを読む

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)

3.0

メルトダウン寸前のゴジラと、異形かつ脅威的なデストロイアの対決は、これぞ「見たかった怪獣映画」と思わせるほどの迫力があり、胸が熱くなる。第一作目に通ずる設定と、極端に現実離れしていない丁寧な脚本で、ゴ>>続きを読む

ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)

1.0

名前もデザインもダサい巨大ロボ・モゲラはほとんど活躍もせず、二匹の対決に横槍を入れるだけ。ダラダラとした脚本のせいか、色々と要素を詰め込んでしまって結局何がしたいのかよくわからない演出のせいか、後半は>>続きを読む

ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)

2.0

大人も楽しめる路線としての平成ゴジラシリーズとはいえ、巨大ロボットという少年の夢が詰まった存在は、それだけで子供向けになってしまうような気がする。それを見越した上でコメディ風の演出や、ベビーゴジラなど>>続きを読む

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)

3.0

もはやモスラ映画と言っていいくらいゴジラの影が薄い。横浜の街を再現した壮大なスケールの特撮における対決はクライマックスにふさわしい。俳優陣の演技も良く、元夫婦のドラマとしてのストーリーにも一定の面白さ>>続きを読む

ゴジラVSキングギドラ(1991年製作の映画)

2.0

前2作は物語にまだリアルさがあったが、今作では未来人の登場によってトンデモSF味が増している。タイムパラドックスなど一切考慮せずエンタメに振り切る潔さは感じるものの、さすがに説得力が乏しい。キングギド>>続きを読む

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.0

なかなかハードな生物化学SF設定でありながら、その部分を有効的に活かしきれなかった。ビオランテの造形の面白さはあるが、ゴジラとの対決シーンが少ないのが残念。すぎやまスコアが絶妙に合っているのと、キザで>>続きを読む

ゴジラ(1984年製作の映画)

3.0

特撮技術そのものは昭和ゴジラシリーズの頃とさほど変わりなく、着ぐるみ・模型の感じにチープさあるものの、高層ビルとの対比など面白い構図はある。冷戦時代を反映させたリアルな政治的展開も見所の一つだが、それ>>続きを読む

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.0

前半はホラーゲームのような視点と、ややチープとも思える演出によって、異世界モノとしての得体の知れない恐怖が充分にある。後半はその攻略という形で物語が進行するものの、結局は人間の悪意の方が恐ろしい、とい>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.0

脳波を操る超能力者同士の戦いには派手さはないが、特殊メイクでそれっぽく見せる技術はすごい。コンピュータまで支配できるチートさは、そのままチープさでもあるのだが、だからこそトンデモSFホラー感が出ていて>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

完璧に仕事をこなす孤高の殺し屋のくせに失敗するし、そんな立場なのに恋人に固執して復讐を始める、その動機付けに納得がいかないまま物語は勝手に進んでいく。淡々と描かれるわりにテンポ感は良く、ハードボイルド>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.0

しっかりとコメディもできる神木・浜辺の起用と、クローズド・サークルを作るためにゾンビものをミステリに組み込む荒唐無稽さが絶妙に合っている。しかしながらそれが逆にチープさを助長していて、推理の面白さが削>>続きを読む

オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

3.0

おそらくあらゆる政治家が彼と同じように、最初は高い志を持ちながら、権力という美酒に溺れていく。歴史上の独裁者が押し並べてスピーチで民衆の心を掌握するように、彼もまた力強い言葉(演技)によって我々を魅了>>続きを読む

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.0

ロメロ版の要素は少なからずあるが、ほぼ踏襲されてはおらず、かといって真新しさを感じない。走ったり登ったりするゾンビ達は、さらに厄介な存在となっているが、基本的に生存者達は立て籠っているので、あまりその>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.0

因習村におけるミステリ展開に、妖怪の要素を付加させた物語は、横溝正史的な既視感があって、これといった面白味は感じなかったが、妖怪と人間のバディものとして見ると、ある程度の胸アツさはある。「墓場鬼太郎」>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

2.0

幼少期にバービー人形で遊んだことがある女性(それはつまり「定番」のアメリカ人女性)にのみ向けられた作品で、ダイバーシティをテーマにしておきながら結果的にポリコレ的な物語になってしまっている。もちろんそ>>続きを読む

女の都(1980年製作の映画)

4.0

フェミニズムをテーマにしていると見せかけて、アンチ・フェミニズムを描いているのかと思いきや、実は大きな乳と尻が大好きな男の愚かさを示しているだけ。それはいわば女性に対する恐怖であり、敬慕でもある。後半>>続きを読む

20世紀少年<最終章> ぼくらの旗(2009年製作の映画)

2.0

前2作で張り巡らせた伏線の回収に忙しく、本来の物語の厚みを伝えきれずに、謎が解明されていく面白さすら取りこぼしていく。それでもラストはケンヂの歌の効果もあって感動的ではあるが、これは原作を読み込んでい>>続きを読む

20世紀少年<第2章> 最後の希望(2008年製作の映画)

2.0

1作目同様、詰め込み過ぎてしまったせいで物語の焦点が合わなくなってきている。「ともだち」を中心とした民衆の不気味さと、SF味を増した世界観は原作に忠実ではあるが、その割にスケール感がない。平愛梨の瑞々>>続きを読む

20世紀少年 <第1章> 終わりの始まり(2008年製作の映画)

3.0

キャラクターの再現度と、原作が持つストーリーの強度は感じるが、映画として再構築する上で極端に詰め込み過ぎていて、全体的にとっちらかった印象。もう少し削ぎ落とすべきだし、時系列の分かりやすさが欲しかった>>続きを読む

ジャッキー・チェンの燃えよ!飛龍神拳/怒りのプロジェクト・カンフー(1978年製作の映画)

3.0

3D用に作られた画面は奇抜さがあるが、2Dでも充分に迫力がある。三者三様の立ち回りが素晴らしく、特にブルース・リャンの足技には魅了された。物語はとっちらかっているものの、アクションの分量が多く、飽きさ>>続きを読む

マスク(1994年製作の映画)

3.0

カートゥーン的面白さを初めて実写に落とし込んだ作品だが、コメディアンとしてのジム・キャリーの底力があってこそ成立するものだ。細かな動き・表情・声色すべてが芸として一級品。キャメロンの美しさ、賢くて可愛>>続きを読む

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.0

若い夫婦がただパトカーをジャックするだけでなく、そこに彼らなりの切迫した理由があることで、大衆を味方につけてしまったり、巡査や警部すら同情心が芽生えていく、という物語の枠組によってラストにおける悲哀や>>続きを読む

醜聞(スキャンダル)(1950年製作の映画)

3.0

いわゆる「熱愛記事」というものの馬鹿馬鹿しさ、マスコミへの痛烈な批判に満ちた佳作だが、物語の緩急が弱く黒澤らしいスペクタクルを感じない。テンポ良く展開するものの裁判モノとしては軽快過ぎるか。志村喬の演>>続きを読む

百万長者と結婚する方法(1953年製作の映画)

3.0

玉の輿に乗りたい婚活女子3人のコメディとして、オチの1シーンのために90分のドラマがある感じ。金より愛の方が大切、というほど愛に傾くような単純な展開ではなく、金に対しても一定の距離感を保ち続ける現実的>>続きを読む

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

3.0

殺人・テロを引き起こすアンチ・ヒーローであるVは、一つの民意としての象徴と言える。物語自体はファンタジーではあるのだが、歴史の中で似たようなことはいつだって起こっていて、ある種の現実味がある。必然性が>>続きを読む

狂覗(2017年製作の映画)

4.0

『狂覗(きょうし)』というタイトルが「教師」に掛かるように、それぞれの狂気があらわになっていく。チープさはあるが、撮影・演出にこだわりを感じるし、主人公である杉山樹志の演技も極まっている。ここまで気味>>続きを読む

AVP2 エイリアンズVS. プレデター(2007年製作の映画)

1.0

プレデターがちまちまやっている間に、エイリアンは増殖・虐殺を繰り返していく。善人だろうが女子供であろうが無差別に被害に遭い、最後は街ごと吹き飛ばされる展開に、胸がすくわけがない。人間の無力感は描けてい>>続きを読む

エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)

3.0

エイリアンとプレデターの夢の対決に、どう意味づけしてストーリーに落とし込むかという点で、もちろん荒唐無稽ではあるのだが、一応ちゃんと筋は通っている。人間が介入する余地はなさそうだが、一人の女性を配置す>>続きを読む

プレデターズ(2010年製作の映画)

3.0

新しいタイプのデスゲーム設定にはワクワクさせられたが、展開は1作目とさほど変わらない。寄せ集めだからこそ各々に見せ場があって、芽生える友情や裏切りといった(ありがちではあるが)物語性は備えている。しか>>続きを読む

プレデター2(1990年製作の映画)

2.0

プレデターのバックグラウンドが徐々に明確になって、SFパニック映画然とした形へと切り替わったことで、前作よりも物語性は増した。だがマッチョなシュワちゃんではなく、無鉄砲なオジサン刑事一人で倒せる程度の>>続きを読む

プレデター(1987年製作の映画)

2.0

中盤あたりまでシュワちゃん映画っぽいゲリラ戦が繰り広げられるが、どこからか現れる異星人とのバトルに切り替わる突拍子もなさ。結局、目的も正体もよくわからない敵と孤軍奮闘の末、いつものタフネスでやっつけち>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.0

本来交わらないヤクザと中学生という関係がカラオケを通じた友情へと繋がる上で、主人公二人がなんとも可愛らしい。ライトな物語ではあるが、身近な楽曲や個性豊かな演者らによって、程良いコメディとなっている。ラ>>続きを読む

オペラハット(1936年製作の映画)

3.0

善良で正直であることが変人と捉えられる背景には、ほとんどの人間が自己の損得だけを見据えていて、そこにやましさを抱えているからなのかもしれない。法廷で暴力を振るっても不問にされるという時代性はあるが、逆>>続きを読む

旅芸人の記録(1975年製作の映画)

3.0

ホームを持たない旅芸人は、戦争・占領・内乱によって祖国の形が不安定なギリシャそのものを象徴する。物語としてみると退屈ではあるが、全編を歌や音楽で彩りながら、そこに日常感を出すことで、よりリアルさをもっ>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.0

様々な理由で学校に行くことができない少年少女達にとっての逃げ場として孤城がある。それは相談できる相手だったり、フリースクールのような別の環境だったり、そういった救いとなるものの象徴なのだろう。わかりや>>続きを読む

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