トノモトショウ

旅芸人の記録のトノモトショウのレビュー・感想・評価

旅芸人の記録(1975年製作の映画)
3.0
ホームを持たない旅芸人は、戦争・占領・内乱によって祖国の形が不安定なギリシャそのものを象徴する。物語としてみると退屈ではあるが、全編を歌や音楽で彩りながら、そこに日常感を出すことで、よりリアルさをもって差し迫ってくる。後半は特に政治批判色が強くなって、ようやくテーマが見え始めるのだが、その頃にはとうに作品にのめり込んでいる自分に気付かされる。