moonさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000年製作の映画)

4.0

太陽系、不協和音、群衆の無言の行進、執拗に追いかけてくるヘリコプター…サーカスのように街にやってきた、巨大で異質なクジラは何の暗喩なのか。
ジリジリと迫ってくるトラックの異様な影、恐怖の報酬とか激突!
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

午後8時に診療所に鳴り響いたベル、あの時扉を開けていれば……後悔と罪悪感から、亡くなった少女について聞き込みをはじめる女医ジェニーが、徐々に事件に巻き込まれていくサスペンス。緊張の糸が途切れない演出は>>続きを読む

ヤラ! ヤラ!(2000年製作の映画)

3.9

親からの結婚の押し付けから一時的に逃れるため、彼女に内緒で偽装結婚を画策するレバノン人と、EDに悩まされる男性のエピソードを交差して描く。
ルーカス・ムーディソン制作総指揮。劇伴の使い方、映像とカメラ
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ブラック・アジェンダ/隠された真相(1990年製作の映画)

3.8

ケン・ローチらしいズドンと濃密な政治スリラーだった。ラストもそこ?!というシーンでさくっと終わる、潔い。北アイルランドとかIRAとか、あの辺の情勢に疎くて、前に『マイケル・コリンズ』とか見たのにもう記>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.6

ビル・ナイがただただ渋くてかっこいい映画。黒澤版を見ずにいきなりこっちを見たのが良いか悪いかは置いといて、変に見比べることなくすっと話が頭に入ってきたので良かったということで。

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

売春禁止法の波に煽られながらも力強く生きていく娼婦たちの悲喜交々。普通の仕事では到底食っていけず、病気の夫に代わり子供を育てるため、息子の学費を稼ぐため、それぞれの事情で自分の身体を売る女たちの日常を>>続きを読む

バーチャルで出会った僕ら(2022年製作の映画)

3.4

コロナ禍、VRchat内で交流する人々を映したドキュメンタリー。見た目・性別・周りからの視線…現実での全てをリセットし新しい人間関係を築ける世界はまさにリアル『レディ・プレイヤー1』。純粋に未知の世界>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.7

チベットに伝わる信仰と近代化の波の狭間で葛藤する女性の姿を、羊の飼育を重ねて描いた一本。『轢き殺された羊』が寓話的な話だったので、これも同じ雰囲気かと思っていたら真っ正面から生殖を描いていてそのギャッ>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.8

大柄でパニック障害持ちのロキタと、とにかくすばしっこく弾丸のように飛んでいく小さなトリ。難民ボートで出会い、ただ生きていくために手を組んだ二人の行く末を追う社会派映画でありつつ、サスペンスとしても十分>>続きを読む

旅立ちの汽笛(2001年製作の映画)

3.3

兵役前の男子たちが束の間の時を楽しむ、キルギス発青春ムービー。心を寄せる女の子はいるが、友達には童貞をいじられ、酒浸りの父親に悩まされ、様々な居場所を行き来しつつゆるやかに成長していく少年の姿が微笑ま>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.4

最悪の出会いから始まった旅がいつしか最高の思い出に…
異国で見ず知らずの男と密室で二人きりという状況を想像するとキツすぎるが、彼の優しさに触れ、あっさりと別れつつも微笑ましいラストでびっくりした。あと
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Winny(2023年製作の映画)

4.5

Winny事件はこの映画きっかけで知った人ですが、豪華俳優陣の芝居、脚本も誠実に作られた感じがして全体的にすごく良かった。実際の事件で関係者もほぼ存命ということで、完全なオリジナル脚本とは訳が違うとは>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

アメリカでランドリーを営む中国系移民一家が確定申告しようとしたけど、気付けばマルチバースのカオスに巻き込まれ黒いベーグル教の娘を倒そうとする話。要素があまりに多すぎて多分もう一回見ないと掴めないけど、>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.5

「あなたの願いを3つ叶えて差し上げましょう」いや、そう言われましても…とイチャモンつけ出した研究者のアリシアに、ランプから飛び出したジンがこれまでの物語を語り聞かせる。思いの外難しかった。
自分の欲望
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

オストルンドは過去作大好きなので今回も楽しみにしてたけど相変わらず最高だった。なんだあの切れ味抜群のラストは。

高額チップに興奮する白人クルーの下で黙々と作業するカラードのクルーたち。平等だ博愛だと
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対峙(2021年製作の映画)

3.8

構成はほぼ「おとなのけんか」と一緒、ただこちらの方がもちろんヘビーで息苦しい。2組の夫婦が1つの机を囲んで語り合う、その言葉の端々、視線、間、息づかいから、彼らの過去に何があったのか、4人のキャラクタ>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃ面白くて、90分の映画かと思ったら131分もあったことを鑑賞後に知った。
"痛み"に執着し出したベネデッタの体に現れた生々しい聖痕…彼女は聖女なのか、それともペテン師なのか。いずれにせよ大
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.6

観客を二度も三度も惑わせる構成、かなり直接的な性描写、女たちが結託する胸熱な展開はもちろんのこと、和洋折衷様々な様式が融合したあのお屋敷の作りが面白かった。和室なのに形状は西洋式な舞台、かと思えば上か>>続きを読む

モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン(1979年製作の映画)

3.7

たまたまキリストと同じ日に生まれたブライアン。父親がユダヤ人ではなくローマ兵であることを知り、復讐すべくユダヤの過激派集団に入るも、紆余曲折ありメシアとして崇められるようになる。文字にすると訳わからん>>続きを読む

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

3.4

前半で一瞬うつらうつらしてしまったのだが、子供はいらないと言ってた女性が、目覚めたら出産してたのでビビった。あとやっぱりコロナと比較して見てしまったが、あれだけの長期間家から一切出れなくなる話だとは思>>続きを読む

ウィ・アー・ザ・ベスト!(2013年製作の映画)

3.9

見よう見まねでパンクバンドを組んだ女子3人組の話。思春期のヒリヒリもあり、ラストもハッピーで大変良かった。子供だろうが大人だろうが相手に対してはっきりと物言う文化、見習わなければ。

バディ・ホリー・ストーリー(1978年製作の映画)

3.6

現代のロックに絶大な影響を与えたシンガー・バディホリーの伝記的映画。当時、保守的なテキサスでロックがどのような立ち位置だったのかが垣間見え、ガチガチの音楽業界に揉まれつつもNYで成り上がっていくサクセ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.6

グローブが軋む音、レフリーの声、ゴングの音、その全てが聞こえないプロボクサーケイコ。徐々に視力が衰えていく会長との、見えないが確実にそこにある信頼関係の描き方が良かった。

映画が終わって帰ろうとした
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マリアンヌ(2021年製作の映画)

3.5

バス事故から子供を救い出した女性と、彼女から分かりやすい"英雄感"を引き出そうとする記者。でもそんな彼女が子供嫌いだったら、何か心に秘めているものがあったら……すごく独特な作品だった。現場にいた彼女が>>続きを読む

黒い罠(1958年製作の映画)

3.6

冒頭のカメラワークがすごい映画と聞いてカメラの動きばかり見てたら肝心な部分を見落としてたアホ←国境の街、外国人を見下すアメリカ人悪徳警官と、彼に立ち向かうメキシコ人麻薬捜査官の攻防を描いたサスペンス。>>続きを読む

不安な体(2021年製作の映画)

4.0

ぺたっ、ぷにっ、ふわふわ、ぬるっ、ちくっ。いろんな擬音語が頭に浮かぶ新感覚アニメーション。色も造形もシンプルなのに、動きでこんなに質感豊かに、しっかりと痛みも感じて面白い。
昔21-21でやってた何か
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キラーカブトガニ(2021年製作の映画)

3.3

普段この手の映画を見ないので想像を上回るチープさ&手作り感&ツッコミどころの多さに戸惑ったが、監督の映画愛も存分に感じた。これは撮影するの楽しかっただろうな。劇場公開を決断したエクストリームがマジでエ>>続きを読む