ヨダセアSeaYodaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Knight of Fortune(原題)(2023年製作の映画)

3.9

遺体安置所で、他人のおじさん同士が遺体との邂逅を見守り合う短編。

薄暗くても色が際立つセットと撮影が印象的。

どんな見た目でも、年齢にも性別にも関係なく、人間は痛みや悲しみを持ち合わせるもの。寄り
>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.6

【OUTLINE】
 ロシアによる攻撃が始まってから、破壊され、孤立し、追い詰められていくマリウポリの街をひたすら撮影し続けたドキュメンタリー。

【REVIEW】

 "観ていて辛い。でも辛くあるべ
>>続きを読む

Ninety-Five Senses(原題)(2023年製作の映画)

3.4

独房で最後の食事をする死刑囚が、人生を振り返りながら、最後に感じるであろう香りや味など、五感について独白する。

次々に画風は変わっていくのに、よく同じ1作品として統一感が出るな、と感動してしまった。
>>続きを読む

War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko(原題)(2023年製作の映画)

-

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「War is Over」にインスパイアを受け、戦争中に相手国とチェスをし、その手をハトに伝えさせている兵士たちを描いた短編アニメ。

チェスの手を伝えるために戦場を飛ば
>>続きを読む

Our Uniform(原題)(2023年製作の映画)

-

ムスリムの服装の規制に窮屈さを感じている女子学生のモノローグを、斬新なアニメに乗せた短編。

どこまでが布でどこまでが絵でどこから加工なのか全然わからない。すごすぎる。ずっと観ていられる、工夫にあふれ
>>続きを読む

Pachyderme(原題)(2022年製作の映画)

3.8

女性が、祖父母の家で過ごした9歳の時を思い出す短編。

動く絵本のようで、一見可愛らしくなりそうなのになんだか不気味…と思ったらそれもそのはず。
子供が感じる何とも説明できない恐怖と、それが今もトラウ
>>続きを読む

フレーミングホット!チートス物語(2023年製作の映画)

3.7

"先見の明を持つ者は、どこにも収まらない"

【OUTLINE】
 ラテン系が軽視される社会で、自身の故郷の味として「辛いチートス」を売り出し、スナック菓子事業に貢献した実在のラテン系男性の物語。
>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.3

【STORY】
 学校で起きた窃盗。誰もを疑わなければならないという状況で、教師、生徒、親達の良い信頼関係が成り立つわけもなく…。

【REVIEW】

 時に、正しいかどうかか、真実か否かではどうし
>>続きを読む

ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

-

64歳でキューバからフロリダまで泳ぐという破格の挑戦を成し遂げた女性の話。まず実話がすごすぎるんだけど、ナイアド本人とその友人ボニーを演じたアネット・ベニング&ジョディ・フォスターの演技があまりにリア>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

-

とにかくブラッドリー・クーパーの本人似せメイクが完璧すぎるし、彼とキャリー・マリガンの繊細な演技、エレガントな映像に魅入ってしまう。上質なクラシック映画を観る気分で最新クオリティを楽しめる優雅な1作。>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

-

「黒人が書く小説はこういう形で世に訴えかけないと」というステレオタイプを押しつけられ、望まぬ売れ方で大注目を浴びてしまう黒人作家をジェフリー・ライトが好演。

ポリコレって、本人たちが納得いく正しい形
>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.8

今作は改めて記事を出します。今年トップクラスにエグい映画になるであろう1作。

観終わってまず頭を離れなかったのはミカ・レヴィによる音楽。どんなホラー映画サントラより怖い…。

あえて残虐な部分を映さ
>>続きを読む

ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男(2023年製作の映画)

-

暴力に頼らずに信念を貫き、アメリカ史上最大の公民権運動を起こしながら、自身の名誉のためには動かなかった偉大な黒人運動家の実話。

アカデミー主演男優賞ノミニーのコールマン・ドミンゴ、人間臭さと渋かっこ
>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

-

怖すぎる。オスカーノミネート期待の実話サバイバル映画。

雪山に飛行機が不時着。限界状態での隔離生活は、"生"の定義すら忘れさせる。

対処しようもなく一瞬で命の危機に陥るシーンの迫力はあまりに恐ろし
>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

4.0

シンプルかつ深い…Netflixアニメ映画。

はぐれ剣士と"変身する怪物"を通じて「自分と違うものを倒せば英雄になれると教えこまれた大衆」を描く。

親・上司・有名人が言うから正しいと思い込んでいる
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

-

寄宿学校で、頑固な教師、悲しみを抱えた料理長、問題児生徒がホリデーシーズンを過ごすお話。

みんななんだかんだ、辛いことを抱えてる。見える部分だけで人を判断してもしょうがない。人生ってこんなもん。そう
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.4

憎悪・欲望・宗教・恋・狂気。圧倒的にフィクションなのに、ここまで自分ごとのような恐怖心・危機感を煽れるとは。物語の完成度も、身体全体に響く音響も圧巻(IMAX絶対推奨)。
オースティン・バトラーの狂っ
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

詳細はレビュー記事を書きました。

https://t.co/KhXxTmENKg

---

【SHORT REVIEW】

試写にて。

結論を断言することなく叙事詩的に事実をつづりながら、グロ
>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.9

誰もが感覚を麻痺させる戦争の中にも人情を失わず、国籍の違う恩人のために命もすべて賭けた男性をジェイク・ギレンホールが熱演。
感情をゆさぶり、戦闘シーンでハラハラさせる今作、ガイ・リッチー監督作でも稀に
>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.2

ソニー・ピクチャーズ様ご招待にて試写。

試写の感想は普段★をつけないようにしていますが、荒れすぎていて可哀想なので敢えてつけます。

もったいない部分もある映画だから批判もあるのはわかるけど、今作な
>>続きを読む

ふたりは姉妹(2022年製作の映画)

3.4

幼い姉妹が徐々に成長していく様子を描く短編アニメ。

活発な子と、不器用でのんびりな子というだけかと思いきや、ハッとさせられる瞬間と、その後の展開が待っている。

これはほっこりしんみり心に残るな…。

夏休み(2023年製作の映画)

3.4

夏休みをのんびり過ごそうとするも、なかなかひとりで静かにとはいかない女性のお話。

夏だけどムンムンと暑過ぎないような、でもやっぱり夏だということは感じられる切り取り方が好きだな。

静かにひとりで休
>>続きを読む

イヌとイタリア人、お断り!/犬とイタリア人お断り(2022年製作の映画)

3.5

一族を率いて北イタリアからアルプスを渡った男性の物語を孫の視点で語るストップモーションアニメ。

引っ越しの描写が、家の形の段ボール(?)にどんどん大きい家を重ねてアップデートしていく様子を映すものだ
>>続きを読む

私に触れた手(2022年製作の映画)

3.4

幼い頃、心の奥底の奥底にしまった嫌な近親相姦の記憶。マトリョーシカのイメージにそれを託したアニメーション。

今作に救われる人々がいれば何より…。

カナダでの暮らし(2023年製作の映画)

3.3

同性婚への理解・不理解、さらに主人公の両親の離婚などを濃縮した短編作品。

長編映画の一部分を切り取ったような作品だったけど、短編だけで描くにしてはスローテンポ過ぎたかなという部分もあり…。でも描きた
>>続きを読む

新凱旋門(2023年製作の映画)

3.4

アートと人々を見つめるアート。

アートって観察。日常の小さな発見、名もなき出会いや仕草にフォーカスし、興味を追求するところに、芸術性を感じて好きだったな。

フレンズ/2匹は友だち(2014年製作の映画)

3.0

イモムシ、鳥、オタマジャクシのシンプル可愛いアニメ。仕草の人間臭さがひょうきんでいいなぁ。

そうなるかなとは思いつつ、思わず「あ」って声が出た。

ダンスの中に(2022年製作の映画)

2.0

うーん。これでなぜmyfffの1枠を獲得できたんだろう!オリジナリティを感じられないと思った!

4ジャンルのダンスが交じり合う可愛らしくて自由度の高いアニメ。

スピード(2022年製作の映画)

3.2

のんびりな人たちと、せかせかした人たちの会話劇。価値観は人それぞれ。

自分も、自分と全然違う人の考え方にすごく興味を持って質問責めにしちゃったりしがちだから、こういう考え方が違う人たちの会話みたいな
>>続きを読む

オアシス(2022年製作の映画)

3.3

湖と兄弟。弟は障害を持っている。

成長すればするほど、ふたりは変わっていく。でも、きっと変わらないものもある。ドキュメンタリーとしてこういう部分を切り取ってくれることが、多くの人を救うんじゃないかな
>>続きを読む

アトミック・チキン(2023年製作の映画)

3.2

原子力発電所の近くで暮らすニワトリたちに起きるまさかの展開。

可愛らしいのに、気持ち悪いし悲惨。こういう可愛らしく見えるものでこそ、ややこしいことを問題提起できるのかもしれない。

フェアプレー(2022年製作の映画)

3.4

ある少年は、視聴者数で勝つために手すれすれにナイフを刺すゲームに挑戦する。

ある中年男性は、ひと山当てようと車にキスし続けるレースに参加する。

ある初老の男は、椅子取りゲームに必死になって食らいつ
>>続きを読む

ジャンヌと七面鳥(2023年製作の映画)

3.0

大人になりかけの思春期という時期を過ごす少女の内面を、二分化する人格のように表す。七面鳥と少女の短編。

ちょっとしたグロさも、大人になることの不安と葛藤なのかもしれない。

戦いとは終わりである(2023年製作の映画)

3.2

労働取引所がボクシングリングに変わる。

リングに立てば、そこに社会的立場もジェンダーもない。スポーツってそういうところがいいよね。

社会情勢を学ばないとわからない部分もありそうだった。

女と犬(1991年製作の映画)

3.5

どっちを選ぶ?というよくある“究極の質問”ゲームをする女性ふたりの5分間。

何気ない会話の中に、ちょっとした相手との価値観の“試し合い”を見る。自然な会話でテーマを仄めかす、巧みな構成に感じた。

カラーパープル(2023年製作の映画)

4.0

詳しくはレビュー記事を書きました。

https://www.tvgroove.com/?p=129614


母を失い、父に性暴力を振るわれ、父の決定であまり知らない男性と結婚させられ妹ネティとも
>>続きを読む