このレビューはネタバレを含みます
好きも嫌いも不可解も混じる人物像の愛おしさと哀愁。今作を見て、どちらが悪いかというのを断罪するのは早急だし狭量だ。ありえないアプローチで迫る上司のヤーノシュ、それを拒むも最終的に惹かれるユリ。後に工>>続きを読む
体育館に宿る霊感。ドラッギーの中でもバッドトリップの類。
以前松本俊夫の「アートマン」と同時上映されており見たことがあった。その時、音量ミスなのかと思える程爆音で今作を鑑賞した。ほんとに吐きそう>>続きを読む
視覚暴力映像としてトニー・コンラッドの「The Flicker」に近い点滅現象があるが、こちらには対象がある。被写体があることで我々の目はそこに集中するにも関わらず、その暴力表現を掻い潜らなければ鑑>>続きを読む
モナ・リザをコンピューターでもって遊び倒す。イメージはもはや、アンディ・ウォーホル以上に弄れる。その後、松本俊夫が「アンディ・ウォーホル=複々製」という作品をのちに作るのも頷ける。絵画への挑戦。ノー>>続きを読む
デスクトップに今なら映し出されていそうなコンピューターグラフィックスによる実験映像。松本俊夫のフィルモグラフィ的に見れば、「アートマン」あたりで実験映像からアングラ的要素が分離したように思える。アン>>続きを読む
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ハードボイルド、群像劇、そして今作はサイコスリラー、アルトマンの幅に驚く。もはやあらすじを綴ることすら不可能で、通説しか存在できない。まさに”イメージズ”、イメージの束だけがここにあり、それらは全く>>続きを読む
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猫の餌を買うために夜中に買い物して、でもいつもの猫缶は無くて別のを持って帰ってくると、なんの気無しに猫はそれを拒否する(この可愛げあるやり取り見て、ずっと見てられる映画だと確信する)。そしてその猫は>>続きを読む
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黒沢清に絶賛されたらしい作品。そりゃそうだと言わんばかりに緊張感の持続に満ちた作品だった。それは結局最後解決されることもなく、消化不良にも感じた。フィクションなら、映画なら、一個逸脱してしまってもい>>続きを読む
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サスペンス、ラブロマンス、そして戦争という名のアクションが絡み合う、第一次世界大戦を舞台に繰り広げられるスパイの攻防。
冒頭からうさんくさい死が提示される。
片腕の無い召使いは、葬儀を終え皆が>>続きを読む
今作は警告文(ここだけ伴奏も映画風してるのだが)、タイトルクレジット、そして白と黒のフレームが点滅する本編だけしか存在しない。そのフリッカーの内にあるはずもない形の変化を見て、色の変化を感じた今、「>>続きを読む
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ケネス・アンガー追悼。あの禍々しいアングラ世界に思い馳せ...。
「スコピオ・ライジング」に次ぐマシーンフェチ、今作はバイクではなく車に。男性の同性愛者のフェチの対象としてのマシーン、いやそもそ>>続きを読む
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一番血を沸かせる映画。劇場で見るべき作品。
劇場で味わう大音量の音楽と目も眩む映像の数々に、映画で感じる最大限の血の湧き様を味わった。バイブル、原点としていつも心にあれ。ただイメージの洪水すぎて>>続きを読む
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影の一人歩き。影は別人のごとく動くし、または壁に焼き付いている。トリック的だが、それだけでないリリシズムがある。寺山作品は見世物という点でメリエスに近いが、トリックだけに止まらないところが良い。高松>>続きを読む
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本の虫の寺山修司らしい作品。いつも思うが自伝的なものも別に自己満足的という風には見えない。他の作家がよくする自己弁護的な要素が少ないのと、所詮は本の虫らしい引用の賜物として出来上がった世界だからか、>>続きを読む
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観客は映画内の退廃の夢を見るのか、そして実行できるのか。
スクリーン内とは別に観客と思わしき影がちょうど鑑賞している我々サイズで映し出される(これも劇場だからこその効果)。次第にその影はただ彷徨>>続きを読む
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「あれ、俺らじゃんけんしてただけだよな?」
「どこで道を間違ったんだ…」
という声が聞こえてきそうな作品。
地獄じゃんけん戦争開催である。じゃんけんで勝った者が相手に何してもいいみたいなルールだけ>>続きを読む
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もし子供が戦争を始めたら。大人と子供の違い、そこに浮かび上がる戦争の本質。例えるなら、血はトマトケチャップに置き換え不可能なのに、それを無理矢理置き換えたような話。見せつけられるのはそのズレに起きる>>続きを読む
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寺山初の映像作品。粗々しいし、カットごとの繋がりも殆どない。状況演劇を記録した風で、ディープウェブにでもありそうな代物。世界観自体は確立されているのでどんなに点でバラバラでも、あるアングラ世界のファ>>続きを読む
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「100年経ったらこの意味わかる!」。...2082年まで生きて見返したい。
ガルシア・マルケス「100年の孤独」原作。そして寺山修司遺作。この目一杯のノスタルジアに触れ、あぁ、寺山はほんとにル>>続きを読む
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DVDで日本向けに監督直々挨拶あって驚き!これはやはり本国アメリカにこそ響く内容なんだろうなぁと思った(南北戦争って奴隷制の有無で始まったのか、知らなかった!)。重厚だが、社会派すぎてかなり眠くなる>>続きを読む
アニメ「リトル・オードリー」の一編。オードリーの声優はベティ・ブープの声を務めたメイ・ケステル(今作のタイトルはベティ・ブープ作品にもある)。赤毛の女の子のおてんば劇。”Saucer”はティーカップ>>続きを読む
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小、中学生ぐらいのころ、youtubeが普及してからグロいアニメーションがよくおすすめに出てきたことがあった。「クレイアニメ グロ」とかほんと検索しては誤爆してトラウマになったりした。今作もその一つ>>続きを読む
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冒頭の青空を追う作品だったのかもしれない。それは二度と訪れないが、それとは別の雪の残る白い世界にて、今作は幕切れする。
2回目の鑑賞だったので人物とか内容とかわかったけど、後期のゴダールの物語の>>続きを読む
https://twitter.com/jfjrjmsjlg/status/1656531769863340037?s=46&t=qaJWOhD0EPa77U1K0GtGmg
この動画見てグリフィス>>続きを読む
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そういえばカンヌにて公開されるゴダール未完成の作品の予告編が上がっていた。映し出されるのは生前”脚本”と言っていたものだが、画像や写真、ドローイングなどで構成されているのがわかる(https://t>>続きを読む
カメラが生まれた世界でもはや安寧の地はない。例えそれは虫の不倫であっても。
こちらの虫は、ちゃんと虫で裏側とかは気持ち悪いと思ったりしたが、意思を感じると可愛く見えるものである。元祖バグズライフ>>続きを読む
寝る前に虫を目撃すると自分のテリトリーを侵された気になって気持ち悪くて眠れなくなる。夜は見たくない作品。虫がまた絶妙にキモい、デカい。映画として何を題材にしようとなったときに人間の根源的不安要素に手>>続きを読む
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ダンジョンズ&ドラゴンズというアメリカ発祥のテーブルトークRPGの映画化。今まで三部作として映画化されてるが評価を見る限りなかなかのクソ映画らしい。今作はそんな作品にリブートとして恐れ多くも果敢に立>>続きを読む
怪奇の走り。こういったモチーフが、最近見てる初期カートゥーンの世界観に繋がっているのかも。館だと思ったら後半めっちゃ晴れて外みたいになる。ポンと出てくるメリエス印のあの編集、めっちゃ上手くいってるやつ>>続きを読む
誰が誰に投げてるんだ!いや当てればそれでいい、それが雪合戦。途中くる自転車の男は集中砲火されて来た道を戻る。目的の方向を諦めるほどの集中砲火というのも笑えるが、ここにはリュミエールおなじみの画角内に>>続きを読む
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戦争という状況に、一切の葛藤もなく染め上げられる人物像は不気味。そうした存在になればなるほど戦争というシステムの理不尽さといとも簡単になびく人間の愚かさが浮かび上がる。鈴木史さん、池田百花さん、上條>>続きを読む
23 skidooってバンドがいて、バンド名がスラングと知り、その由来を辿ってたらニューヨークの23番街説があって、建物の関係で変な風が起きて女性はよくスカートがめくれて、去ることを余儀なくされると>>続きを読む
メリエスの手品映画。これ当時どれぐらいの信ぴょう性があったのだろう。リュミエールに衝撃を受け、その驚き、映画のエモーションの部分を彼は別の形で表現していく。
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「ジュラシック・パーク」と製作時期が被っているその作風の対比を見たくて、久々に鑑賞。やっぱりところどころ本当にキツくて泣いたりした。にしてもなぜこの両極端の横断をスムーズに行えてしまうのだろうか。映>>続きを読む
ベティシリーズで一番好きだけど、単にこれはキャブ・キャロウェイのSt. James Infirmary Bluesが良すぎるだけかもな(この歌もこのアニメバージョンが一番響く)。ナンセンスだが白雪姫>>続きを読む
最高!フライシャー作品は怪奇表現に容赦ない。同時期のミッキーマウス作品と比べると断然こっちの方が好き。
キャブ・キャロウェイの歌を知るきっかけにもなった作品。今作で知ったからか、なんだかんだM>>続きを読む