抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価

抹茶マラカス

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トラペジウム(2024年製作の映画)

3.4

せっかくのClover Worksだが、カメオ声優のことも含めてあまりも乃木坂46という文脈が強い。その文脈が強い。その中でアイドルの闇の部分照らしたった!みたいな感じの見せ方をしているが、そんなもん>>続きを読む

the Memory Lane(2022年製作の映画)

3.0

閉鎖してしまった大学キャンパス。お別れも言ってないのに。ならば我らで読み替えよう、という具合に大学キャンパスをスケートボードで遊ぶことでさまざまな文脈から引き剥がす様子を撮っている。
テーマ自体は大好
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人に非ず(2014年製作の映画)

3.5

小笠原諸島のホテルに働きにやってきた青年。最初は小さなことから仕事を覚えていくが、島にはやたら猟銃の音が鳴り響く。
面白くなりそう、という雰囲気を漂わせながらいざ期待していたような決壊が起きてから面白
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鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

3.8

中村吉右衛門があまりにも有名な長谷川平蔵だが、むしろ自分にその馴染みがなく、池波正太郎の原作と堀内賢雄のアニメ版の印象を持って臨んだので松本幸四郎版も実に結構。令和に暴力で鎮圧する警察と人情のバランス>>続きを読む

美の祭典(1938年製作の映画)

4.0

リーフェンシュタールによるベルリンオリンピックの記録映画第2部はより人間にフォーカスしたように思える。選手村でのサウナの裸体に始まり、陸上十種競技という高度に専門化が進む現代では厳しそうでしかないスポ>>続きを読む

民族の祭典(1938年製作の映画)

4.0

一言で言えば、アガる映画だ。
1936年ナチス政権下におけるベルリンオリンピックはオリンピックやスポーツが政治に利用された典型例として有名だが、その記録映画である本作もまたその点において利用されたもの
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辰巳(2023年製作の映画)

4.2

非常に胸ぐらを、首根っこを掴むシーンが多いが、観客にもそうしてくる迫力を持った日本のノワールとして格別の出来。西部劇的ですらある美学を漂わせながら、森田想を守りゆく辰巳と立ち塞がる竜二。みな演技が素晴>>続きを読む

人生の最初の日(2023年製作の映画)

4.1

パオロ・ジェノヴェーゼ!ああ愛するイタリア監督である。演劇的な技法からどんどん映画的な技法に挑戦している印象があるが、今作はいよいよ映画的な作り方になったのではないか。
自殺した4人がセルフヘルプグル
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僕はキャプテン(2023年製作の映画)

4.3

マッテオ・ガッローネ最新作はイタリア映画ってなんだっけ?となるセネガルからヨーロッパを目指すアフリカ縦断の地獄めぐりである。2人の青年が夢と稼ぎを求めて向かう先々で出会う地獄のような悪い人たちとちょっ>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

3.5

ある中学校2年6組の35名にインタビューするだけで学校の日常を映しているだけ、に見えるドキュメンタリー。
だが、それぞれが14歳として多角的に人間関係を築きながら大人への脱皮を図っているわけで。それを
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人間の境界(2023年製作の映画)

3.7

ポーランドとベラルーシの国境、互いに難民を押し付け合いながら難民たちを人間としてではなく扱っている様子を難民一家、ポーランド軍、そして国境地帯に住む医師と彼女が参画する難民援助組織の視点で描かれる。>>続きを読む

(1963年製作の映画)

3.5

ヒッチコックのモンスターパニック映画。鳥が襲ってきて怖い。1羽だけ、というモンスター映画というよりも群として襲ってくる恐怖が描かれる。
確かに鳥は怖いが、合成などはどうしても時代的に現代視点では粗く、
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アイガー・サンクション(1975年製作の映画)

3.5

イーストウッドの監督主演の初期作、と言っていいか。
元殺し屋が抜けた組織からの最後の仕事を請け負うのだが、殺す相手がアイガーの国際登山隊の足を悪くした誰かということしか分からんまま突き進むのでイースト
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.4

フランス団地映画は貧困や窮屈さばかりがピックアップされてきた印象だったが、ここにきてアニメーションという手法で明るく、しかし明確にフランスという国の形を描くということに成功した。ただ単にチキンを食いた>>続きを読む

21ジャンプストリート(2012年製作の映画)

2.6

アメリカンコメディは悉く合わなかったが、なんといってもフィル・ロード&クリストファー・ミラーだ。面白いに決まっていると信じていた。信じていたのに!
潜入捜査で高校に入って薬物を探すはずがおバカハイスク
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劇場版ブルーロック –EPISODE 凪(2024年製作の映画)

3.3

大人気のアニメシリーズを主人公では無い別の人気キャラの視点から語り直すと聞いたのだが。
確かに凪の視点で話は進むが、第1話より前の玲王との出会い、サッカーを始めるにいたるイチャイチャから開幕しブルーロ
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.3

確かに見たことない映像はあったが、ゴジラで見たかった映像なのかと言われると…。
ドハティが信仰心溢れるゴジラを作ったのに対して、アダム・ウィンガードは徹底してその色を抜き、コングやゴジラにキャラクター
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生きる(1952年製作の映画)

4.0

100markごとに名監督。今回は黒澤明で。大御所です。
手垢のつきまくった感想ではあるが、志村喬恐るべしというか。とても現代の同年齢では出せようも無い貫禄である。というか、いくら死期が迫ってるとはい
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ぼく モグラ キツネ 馬(2022年製作の映画)

4.3

家を探す旅。でも家って場所じゃないよね、な絆の話。ちょっとした冒険の旅をしているだけで互いを認め合っているだけでいい、って思える。暖かくて素敵な短編アニメ部門を制したのが納得である。
馬だよね、馬!ち
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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.9

私はクラユカバよりクラメルカガリの方が好き。世界観は共通しながらも、シンプルな対立とバトルで楽しく見れる。セットアップに時間をかけすぎているきらいはあるが、それが済んでからは見事。地下坑道を使った移動>>続きを読む

クラユカバ(2023年製作の映画)

3.4

神田伯山による探偵が誘う地下のクラガリの世界。ミステリー軸ではあるが、世界の広がりをそこまで感じられなかった。人攫いの話の決着の付け方もイマイチ。大正ロマンの世界に坂本頼光先生は合うったらない

レト
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フローラとマックス(2023年製作の映画)

3.5

シング・ストリートのジョン・カーニー監督作。
劇中で言及される「アリー/スター誕生」というか「その源流のスタァ誕生からの流れを汲んでいる作家といえるだろう。
今回も音楽を通しての関係性や自己の再建がテ
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ラック 幸運をさがす旅(2022年製作の映画)

3.3

とにかく不運な女の子サムが幸運を求めて幸運の国や不運の国を旅する感じ。
あまりにも可哀想なぐらいの不運の生活を見せられて可哀想だな、とはなるのだが一瞬手に入れたコインのおかげで幸運に恵まれてからはなん
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.2

平次と和葉のラブコメを軸に、怪盗キッドも絡んでの函館観光旅行である。まあとにかくサプライズによって青山剛昌ワールドを展開させること自体のインパクトは大きいのだが、映画単体として見ると全く何も達成されな>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.1

どんどんどんどん実はこうでした!この人はこうでした!が続きに続いて興味を失ってしまう。もともとのスパイアクションとしての面白さがそんなに無いから話が今どこでどうなっているのかを見失わせたいとしか思えな>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

2視点から回想を入れる面倒な構成のせいで混乱はしやすいが、難解というほどでもない。ただ、メメントみたいに時間をいじくっても面白い作品だったり、時間を入れ替えるギミック自体が面白いのではなく話法として入>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

12歳から12年ごとに3つの点でつながるかつての想いびと。袖触り合うも多生の縁なら、その縁を大切に、でも固執せずに生きていこうぜなラブストーリー。基本人の惚れた腫れたに興味がない上で、上手だなーとは思>>続きを読む

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

2.7

なんとまあ。
自衛隊全面協力だと思うが、舞鶴港でのイージス艦一般公開の最中に起きた左手だけの死体。スパイが紛れ込んだポリティカルサスペンスの要素と胴体側が見つかった京都・大阪方面の話とで、少年探偵団、
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.7

見たい見たいと思いつつ見れていないドラマ「チェルノブイリ」の監督による映画と聞いて。
人類の希望のもと、木星の果てで単独ミッションに挑むSF巨編!…ではなく、単独ミッション中もテクノロジーの進歩によっ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.2

なんか工場で困ってる感じのアダム・サンドラーを描いたアバンタイトルは興味を惹かれるものであったが、姉たちが入れ替わり立ち替わり電話をかけて拘束してくるのがピークでテレフォンセックスの相手からの怒涛の脅>>続きを読む

拳銃残酷物語(1964年製作の映画)

3.8

府中の競馬場から現金1億2000万円を輸送する車を強奪するケイパーもの、からの。現金輸送車を襲うシーンの鮮やかさはかなりの手腕で、そこからハードボイルドに裏切りが裏切りを呼ぶ展開は、雑に殺しすぎてる感>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

4.1

666は悪魔の数字。新作のホラーは怖いので映画館ではみれませんが、名作と名高い過去の作品を映画館で見る機会ならば喜んで。
悪魔の子、ダミアンの周りの人々が次々死んでいくんだが殺人鬼モノでもないので彼は
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.0

オッペンハイマーの予習に選んだが、見事に安い再現VTRを見せられながらアインシュタインとナチスの話に終始した。
原爆に関係する話はラスト20分ほどぐらいにならないと出てこないので兵器と科学、生み出して
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処刑人(1999年製作の映画)

3.5

ビジランテというべきか、ダークヒーローというべきか。ウィレム・デフォーの存在によってただの悪党たちの映画ではなく何が正義なのか探究しようとする試みが垣間見えた。
探偵というのは常に批評家で怪盗こそが芸
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映画おしりたんてい なんでもかいけつ倶楽部 対 かいとうU(2024年製作の映画)

3.5

映画おしりたんていさらば愛しき相棒よ、の併映。
小林少年的なポジションの探偵の相棒ブラウンが仲間たちとなんでもかいけつ倶楽部として怪盗Uの狙ったと思われる漫画家ようほうか先生のサイン色紙を守る戦いを繰
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映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ(2024年製作の映画)

3.6

子ども向けの書籍として大人気のおしりたんてい映画。これまで以上にあそびのギミックを減らしてストーリーを重視してきた。しっかり子ども向けながら、ミステリとしてもちゃんとしていれば舞台の派手さも作りつつ、>>続きを読む

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