抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

見事!横溝正史的な伝奇の世界に落とし込んでの連続殺人と因習が妖怪と絡み合った上で、水木しげるの周年作品として彼の生涯をそのまま取り込んだ鬼太郎にして鬼太郎を超えた作品に。最終的には妖怪的なものたちの本>>続きを読む

パウ・パトロール ザ・ムービー(2021年製作の映画)

2.8

アメリカで人気がえらいことになってるので流石にこの冬公開の新作を見た方がいいかな、と思って予習で。思ってたよりきつかった。
基本は犬がサンダーバードするんだけど、ギミックが殆ど後出しでワクワクしない。
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

3.6

前作『父を探して』がアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたブラジルのアレ・アブレウ監督の新作。巨人に襲われる森で秘密エージェントクラエとブルーオがペルリンプスを探す物語。その驚きの色彩と>>続きを読む

劇場版 ポールプリンセス!!(2023年製作の映画)

3.7

しれっとYouTubeで短編アニメシリーズが展開されてきたポールプリンセスシリーズの劇場版。女子高生がポールダンスを頑張る部活ものと言っていいだろう。何故か練習着が全員ヘソ出しのすっごいくびれだったり>>続きを読む

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作は不登校の回復を描いた訳だが、今回はこの手の青春ハーレムアニメの中で背景に後退していく親不在問題に正面から取り組んだ。この青ブタシリーズにおいては、主人公の咲太と花楓が2人暮らし、母は心の病で入院>>続きを読む

マインド・ゲーム 〜自分の道を信じて〜(2022年製作の映画)

3.2

シャドーゲームにも登場していたSKことサジドに密着している。ボスニアからいくつもの国境を越えてベルギーで難民申請を取るまで。クロアチアが結構過激な移民排斥が起きていることは聞いていたが、結構な酷い仕打>>続きを読む

シャドー・ゲーム ~生死をかけた挑戦~(2021年製作の映画)

3.3

難民の若者たちが東欧から西欧に向けて極秘で越境する様子に密着したドキュメンタリー。
危険を冒して画面に登場した彼らが家もなく危険に晒されながら山中を進み、それらをゲームと称せずにいられず、ついに家族と
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南スーダンで生きる ~ある家族の物語~(2022年製作の映画)

3.0

南スーダンで建国の父と謳われた人物の死後、その妻と娘たちが撮ったドキュメンタリー。
独立を勝ち取ってもまだ続く内戦、そこで彼女は副大統領の5人のうちの1人に任命される。
南スーダン周りの話はなかなか知
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私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~(2022年製作の映画)

4.1

アフガニスタンのライブバトル番組「アフガン・スター」では過去13回女性が勝っていない。
そこに挑む女性たちを描きながら、タリバンとの和平交渉に伴うイスラム的教義による女性が歌うことへの誹謗中傷も合わせ
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.8

傑作と言っていいだろう。
身分の差を乗り越えて騎士に任命されることになった主人公だが、任命式で女王が死亡、その咎を受けて追われる身に。
そこに現れたニモーナという少女との出会いを通して彼の持っている考
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心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~(2022年製作の映画)

3.5

カナダ映画だがフランス語。ケベックだから。
世界中から様々な経緯を経て集まった難民として逃れてきた子どもたち。彼らの傷を癒すには。
難民問題と教育、というすこーんとこれが解決策です!がないとこがクロス
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ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦(2022年製作の映画)

3.6

ベネズエラの指揮者、若き天才と言われるドゥダメルに密着したドキュメンタリー。彼の指揮者としてのオーケストラへの指示の明瞭さや音楽への想いもだが、音楽を志す子どもたちへの支援なども描かれる。
そんな中、
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.6

東大卒のフリーターのバイト先の銭湯が殺し屋御用達だった。
普通の町の中の銭湯を処刑及び解体場として使用している発想自体は面白いと思ったんだけど、主軸としては何者にもなれない主人公が優位に立てると思って
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操作された都市(2017年製作の映画)

3.5

テコンドーの選手だったけど最強ゲーマーになった主人公が罪を着せられてしまう。かつてのゲーム仲間たちと全てを仕組んだ黒幕に挑んでいく。
いきなり始まる戦闘がかっこよさ優先でいってるゲーム画面としての実写
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.7

ど王道の朝ドラのベースで描くPAワークスのお仕事ものは、失われたウイスキーの復活を目指す物語。90分の尺、それも序盤にフラストレーションを溜める展開があることを踏まえると、後半に向けて盛り上がっていく>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.8

キャプテンマーベル2というより、ミズマーベル2として楽しんだ。カマラが目の前で公式が供給し続けるのを溺れるように楽しむオタクでありながら、しかし推しを偶像化することなく受け止める最高のオタクムーブをし>>続きを読む

モンキー・キング(2023年製作の映画)

3.5

『フェイフェイと月の冒険』を作った中国のパールスタジオの新作。監督は『ボックストロール』の人なので、フェイフェイ同様にアメリカで活躍してきた人を呼んでくる感じなのだろう。

話としては中国が誇るスーパ
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映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(2023年製作の映画)

3.6

これまで同様に平面的なキャラクターを奥行きを持って感じられるアニメーションやUFOキャッチャーアームなどのギミックが面白い。
テーマとしてはバッチリSDGsなのだが、その導入が刑務作業にも等しい労働で
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

文句なしの仕事をした白組、そして期待値以上の作品を作ってきた山崎貴を褒め称えたい。圧倒的な官制の災害対策としてのゴジラだったシンゴジから逆に振り、戦争PTSDとしてのゴジラは個人対ゴジラであり続けた。>>続きを読む

デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING(2023年製作の映画)

3.1

だいたいBEGININGとかつけると怪しくなる印象があるんですが、うーんそこから逃げ出せなかった。
ボレロ、テーマ曲のエモはあるけどそれは2回目だしさあ、肝心の進化の主な使い道が移動なのは流石に擁護で
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火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

3.0

勉強不足なもので、手塚治虫ですらそんなに、というか『アドルフに告ぐ』しかし読んでないもので火の鳥という巨大な名前しか知らなかった。
なんか凄い観念的なものを見せられるんだろうな、と思っていたら爆速惑星
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.3

低予算オリジナルSFの気概は買いたいが。
架空の架空歴史の映像でこの世界に説得力が増すかと思うが、殆ど意味のない状況を設定し、雑なアジア、日本史観の残るニューアジアを舞台に渡辺謙は常に説明をし、常に虚
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

徹頭徹尾クズというよりどうしようもないヘタレな男をレオナルド・ディカプリオが、良かれと思って街を支配しオセージ族を搾取するデニーロ。何か間違えていることを分かっているのに見て見ぬふりをして婚姻関係を続>>続きを読む

サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)

3.8

前情報なしで見てしまったら、少女と母の権力関係の勾配に驚く。それもそのはず、これはヤングケアラーを題材にした少女の苦闘の物語を青春映画に綺麗に馴染ませた作品なのだ。
中井友望はもちろんのこと、山中崇が
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

4.0

松重豊が演じた新入りの警備員がやべーやつの話。まだ松重豊が知られる前だから、彼のことを形容して大きいが連呼され、彼のキャラクターは元力士、というところに隔世の感。
とにかく1人また1人とやられていく中
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深海レストラン(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

濃度が凄い。
豪華客船の旅に乗っている少女、だけど大好きな母が家を去り、父は再婚。新たに弟も生まれ露骨に前妻との子であることで立場が揺らいでいる。そんな彼女が海に呑まれた結果たどり着いたのが深海レスト
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アートカレッジ 1994(2023年製作の映画)

3.1

中国の美術大学の学生たちの暮らしを描く。
中国3DCGアニメのレベルがエグいことになっているのは最早口が慣れた感はあるが、フランスとかで作ってそうなアートアニメの文脈も中国に芽生えていることには驚きを
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名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

インファナルアフェアです。ちがうけど。
相反すると思われる立場の男2人の物語となると韓国映画お手のものという印象ですが、これも違わず良かった。
刑務所に収監された野心溢れる男と、刑務所に潜入捜査に入っ
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永遠の831(2022年製作の映画)

1.0

いやはや、これは酷い。本当なら0.5点でも上げすぎなレベルに感じた。
任意でないが時間を止められる男の子が止まった時間の中に同じく動ける女子高生を見つけて…と普通にやれば面白そうな気がするんだがまるで
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豚と軍艦(1961年製作の映画)

3.5

ここんとこ見ている日活映画、面白いけどヘンテコなのは鈴木清順のせいだと思ってた。幕末太陽傳は普通に傑作だし。でも今回の今村昌平も変だった。なんじゃこりゃ。
米国基地の横で女は娼婦、男は(というかヤクザ
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仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)

3.5

これまでの4本と比べるとどうしても一段落ちた印象を感じる。
広能が刑務所にまだいるうちから話が始まり、そして随分と出てくるまで時間がかかる。それ故に盛り上がりもそんなに無かったか。

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

3.0

不動産業と麻薬。
1人の死んだ女性の捜査を始めるベニチオ・デル・トロが眼鏡をかけて老眼を気にしてそうなのは可愛いが、辛気臭い感じでそのまま終わってしまった。謎解きに時間をかけずに結局盛り上がりを見せる
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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.2

品川の相模屋に投宿するフランキー堺。いろんな客やいろんな遊女がいる中で、いやこの男口八丁で無一文なのに投宿し続ける。中盤でそれがバレてからはそこで働いて返すことになるのだが、いやいやここでも彼の弁の立>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.6

非常に良質なアニメーション。豊かな動きと表情が70分で多くの動物を接客するお仕事モノとして面白い。それなのに、百貨店という存在と絶滅動物を客にするという設定を見事に融合させたテーマが皆に分かるように説>>続きを読む

アンノウン: 殺人ロボットはどこに向かうのか(2023年製作の映画)

3.0

AIの発達に伴う自律型の無人兵器の実用化。ロボットが機械の思考のまま殺す人間を選別する未来がそこまできているのではなかろうか?というドキュメンタリー。多分来てるし来る。
生まれてしまった技術を無かった
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仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

3.6

代理戦争がとんでもなくいいところで終わってまじかよ!!となったのですかさず次へ。
だが、ヤクザものは終わりゆく商売。去り行くものたちの物語のテンションがたまらなく高まるということは即座の破滅がすぐに迫
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