空の落下地点さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

キューティ・バニー(2008年製作の映画)

3.0

セクシーというパフォーマンスを身につけた知的女学生集団。

想像してたよりは悪くなかった。この映画に対する偏見がそのまんま、シェリーのような女性に対する偏見なんだよね。
派手になる、それは生きていく為
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心のカルテ(2017年製作の映画)

3.0

胸が大きくならないように痩せて、女の子っぽい服や髪型や化粧も諦める。ウケる絵を描いて発表したら、傷付かない人間だと思われて非道い仕打ちに遭う。

恋人ができて、理想の恋に合わせた体形になろうと思えたの
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パージ(2013年製作の映画)

3.3

アンネの密告者が判明したのでタイムリーなテーマ。
誰も自分や大切な人の命と、他人の命とを天秤にかけたことがないので、密告者を責めるべきではない。

慎ましく優しくが一番に決まってるのに、何で豪邸に住ん
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ペンギンが教えてくれたこと(2020年製作の映画)

3.1

木から落ちたペンギンちゃんと、腐った柵から落下したママ。境遇の似た一人と一羽はまるで人間同士のように心を通わせていく。

挑戦を恐れないこと、産まれてから死ぬまで自分は「同じ自分」であること。
リンチ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

独身さよならパーティーの場所を知っている人間は限られていて、付き合ってたことも多くの人が知ってる。告げ口野郎として生きていくことになったライアンは、開き直って善人になるしかないのでは?たとえ偽善人にし>>続きを読む

トースト 〜幸せになるためのレシピ〜(2010年製作の映画)

3.2

宗教や性的嗜好を選ぶ自由、そして好きな食べ物を食べて生きていく自由。

着る人のいない服、空洞のままのパイ、母親の抜けた穴をポッター夫人が埋めること。そして父親のお腹という空洞も、ポッター夫人は埋めて
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シカゴ(2002年製作の映画)

3.0

彼女たちが踊ってるのは、舞台の上じゃなく手の上。すぐに融ける氷の手の上だ。
生きる為のダンスは普通のダンスよりも迫力がある。
サンセット大通りみたい。
純粋なエイモスは、シカゴで生きてこられたのが不思
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恋するベーカリー(2009年製作の映画)

2.9

萎んだケーキは膨らまないから、新しいケーキを焼こう。

「よう、手伝えよ」って言えるのは家族として認めてる証拠。
若妻がジェイクを送り出したのも、勇気ある行動だと思います。

恵の雨ならぬ恵の涙が、人
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都会のアリス(1973年製作の映画)

3.3

「お腹が空いた!」 / 欲望に忠実。大人のように考え込まない。本能的になろう、大人も。単純さには価値がある、という映画。

「怖さに対する恐怖」 / アリスはこの時点で、夢の中にしか恐怖はない。でも、
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夏の終り(2012年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

夢を応援し合う仲だった二人。慎は、自分のせいで仕事に支障が出てるのを見て、離れることに決めた。これが愛だ、という一応のオチがついている。
一緒に枯れるくらいなら、根を分けて、一人でも咲いていってほしい
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星の子(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

星の子じゃない、私たちの子だ、という強い意思を感じる。

原作では「見えない」と嘘を吐きながら時間を引き延ばしており、それと比べると映画版は、どうにでもなれという雰囲気、覚悟はとっくに決まってる様子。
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シェフとギャルソン、リストランテの夜(1996年製作の映画)

3.0

料理と地元のことなら饒舌になる口下手なプリモと、ジョークを習得してアメリカ人に近付こうとしているセコンドの兄弟。
何かにつけ「兄に相談しなきゃ」「弟に相談しなきゃ」と言う二人は、まるで互いに目や口を共
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マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014年製作の映画)

3.0

サイダーハウスルールとも通底するものを感じた。神から与えられる星ではなく、自分たちの最高を目指す。

道路という人種境界が行き来自由になって、スパイス色の太陽を手に入れたら、もう不足は何もない。

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ブラックバード 家族が家族であるうちに(2019年製作の映画)

3.0

フルーツはセザンヌ。視点によって重要度が変わること。フルーツの切断は、死の普遍視・単純化の否定。死は、年齢や当人との関係によって見える形が違うもの。感覚或いは人の心は、球体や円錐や円筒なんかよりもっと>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.1

放火魔に仕立てられても愛してる。土地を何倍にもして売ったように、何倍にもして仕返しした。悪魔かどうか、試す為に。

二人ともマゾだよね。ドミニクは何も失ってないのに、これで平等と言えるのかな。櫛にキス
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ミス・ブルターニュの恋(2013年製作の映画)

3.0

クロード・ミレールに挑戦状を叩きつけているとしか思えない。

実際のカトリーヌ・ドヌーヴもチェーンスモーカー。
そんなベティが「最後の一本」の煙草より、孫を開放する鍵を選んだシーンが印象的。

ヒッチ
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

原作と違って鑑賞者を試す内容になってるので、賢い人は原作を読まずに観た方が面白いかもしれない・・・ってここに書いても意味ないか。


あの時、たとえは愛ちゃんにキスしたか?
最後の台詞は、少しでも不純
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フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)

3.3

女神でも女王でも彫刻でもなく、人間として結婚する。「死んでるの」・・・死人として人を愛することは出来ないのだろう。崇拝や偶像視も、人間扱いされないという意味では尊厳の略奪だ。

ウーマンリブという阿修
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セレステ∞ジェシー(2012年製作の映画)

3.0

同じ道は歩まないが、ときたまお邪魔し合う関係。
私と一緒にいる時の貴方は私と一緒にいる時の貴方、誰かと一緒にいる時の貴方が欲しいと思っても、そうはいかない。他者との関係に浸透していく自我の話。

父親
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めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

2.7

ストーカーを秒で受け入れるという異常が実を結んでしまった。
アイドルのファンを勘違いさせる映画。
寡婦ややもめの「運命」って何だ、運命は二回あるのか。
好意的に解釈するとしたら、継母or継父と継子の出
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ママの遺したラヴソング(2004年製作の映画)

3.2

パーシーの存在がラブソング。
アルコールによって人生は壊れるが、知識は壊れない。

飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.0

配管を修理しようとしてくれるフランソワと、窓も閉めてくれない自分勝手な飛行士。自分の崇拝者と、自分が崇拝する飛行士。崇拝するって身を切って与えることなんだ。

近付きすぎるのは良くない。真実は知るべき
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メイド・イン・マンハッタン(2002年製作の映画)

3.2

嘘はその人の総てじゃない。

服で記憶せずに顔で記憶すること、政治家にだけ必要な能力じゃない、誰にとっても必要。

願書を出したのは友達、息子がたまたま政治オタクでお膳立てしてくれる。臆病という設定は
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マルタのやさしい刺繍(2006年製作の映画)

3.0

木は育つ、人も育つ。夢に賞味期限はない。「昔の夢」など存在しない。

人生を繕う物語であり、旗を新調することで封建の払拭、村の新調も表している。

女性にも、老人にも、人権がありますように。夫にやめろ
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ラ・ブーム(1980年製作の映画)

2.8

エンドロールの後、しばらく音楽が終わらないのは観客がいちゃつく想定ですか。
この映画は、色々な嘘の物語。嘘は記憶の装飾。他者にとっての自分はいつも記憶でしかないから。

後ろからヘッドフォン着けられる
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美しき結婚(1981年製作の映画)

3.0

女の子を演じて本性を隠すピンク。妹は心からのピンク。
サビーヌが爆発してる時は真っ赤な服だ。

屋根裏にすら絵を置いてもらえない時点で気付くべきだった。

シモンへの当てつけで主婦になろうとしてただけ
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満月の夜(1984年製作の映画)

3.1

オクターヴの存在と、パリの一人暮らし住戸は同じ役割。困った時にいつでも逃げ込める。「この世で唯一確実なもの」、一方通行(道路標識に関しては純愛を表してる?)でも確実なんだ。彼女はいつでも自己完結してい>>続きを読む

天使とデート(1987年製作の映画)

3.0

動物の死骸を食べないところが良かった。
操って自分を愛させることも出来るのに、無理強いはしない天使。
運命は変えられないが、友達の目は覚めたようだ。

スクールズ・アウト(2018年製作の映画)

3.0

これ、悪童日記だ。暴行、窒息、溺れること、転落、可哀想という感情にも慣れてゆくこと。目的は悪童日記と違って、ある行為の為の感情無効化だったけれど。

最後、手を繋いだのが切なかった。子供たちが変わろう
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ハッピー・バースデー 家族のいる時間(2019年製作の映画)

3.0

小津やドキュメンタリーをリスペクトしつつも、カメラから漏れてしまうもの、捕え切れないものが沢山あるということを、人魚伝説を絡めて描いた映画。本当のドキュメンタリーなんて、この世に存在しないのかもしれな>>続きを読む

初体験/リッジモント・ハイ(1982年製作の映画)

2.8

大人の世界は選べないことの連続。学校やバイト、大人との関わりは我慢を学ぶ場。手を差し伸べてくれるハンド先生が優しい。
親友の為に最低男を演じた結果、報いを食らう。なんかマイクとマークは二人で一人、ステ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ホントのところは置いといて、「最後」なのはジャンが稀代のサイコだったからだと思うことにする。誰も証拠不十分な死刑なんか望んでない。殺しの好きなジャンだけが、決闘裁判を望むサイコだった。

赤が生の証、
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アリス・イン・ワンダーランド(2010年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー作品で「王子なんていない、病院に行って」という台詞を聴くことになるとは。これは夢の否定ではなく、悪夢の否定。

愛を司る女王ではなく、愛に飢えた女王だったのか。自らをハートで飾るのは、他者に
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

3.4

死ぬことでしか魂は羽ばたけないのか。最後は髪を切ったんじゃなくて、髪を殺したように見えた。
この時代、美人に生まれることや、大地主の長男として生まれることは、全然恵まれてなんかなかった。
破談も密通も
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

3.0

この映画を観て何を思えばいいか正解が解らないけど、ただただ泣いた。
お祖母ちゃんの意見にも一理あるけど、それを本人の前で言うべきではない。
必死に愛情を獲得しようとして、涙腺が迷路になってしまう。
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

絵本に付された解説も読んでいたのである程度準備できていた。
映画では「体外に出てきた子供をもう一度お腹に戻す」という体外受精に対する不支持表明がある。そして老人(十分生きた猫!)や変態、横柄な女性は死
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