風に立つライオンさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

風に立つライオン

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セッション(2014年製作の映画)

3.3

 2014年制作、デイミアン・チャゼル監督によるアカデミー賞5部門にノミネートされた黎明期の秀作である。

 自分もビッグバンドのジャズドラムをかじっていることもあって興味を持って観た。

 主人公の
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まぼろし(2001年製作の映画)

3.5

 フランソワ・オゾン監督の2001年の作品。

25年連れ添ったマリー(シャーロット・ランプリング)とジャンは別荘のある南フランスにバカンスでやって来る。
 ところが最愛の夫がバカンス中の海辺で
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隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 2004年制作、山田洋次監督の時代劇三部作の内「たそがれ清兵衛」に次ぐ第二作にあたるのが本作である。 

 藤沢周平の隠し剣シリーズからの一作で、海坂藩内の剣客平侍を扱っている点は「たそがれ清兵衛」
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たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 同じ武家の「士道」を描いても藤沢周平と滝口康彦とでは切り口が違う。
 滝口はひたすら「士道」に潜む不条理や残酷さを炙り出すが、藤沢は悲哀や愛情をペーソスを以って落とし込む。

 本編はその藤沢周平の
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

4.0

 63年「切腹」、65年「怪談」に続く67年の小林正樹監督作品である。

 江戸中期の会津藩松平家のお家騒動を描いている。

 心ない色情系の藩主の命により、お手付き側女を藩士の嫁に与え、その後、跡継
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戦火の馬(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 2011年制作、スティーヴン・スピルバーグ監督による第一次世界大戦を生き抜いた一頭の馬の物語である。

 馬の名はジョーイ。
 物語は第一次世界大戦前夜、彼が産まれたところから始まる。
 
 ジョー
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ロングウェイ・ホーム(1981年製作の映画)

4.3

 とにかく号泣クラスで泣きたい人必見の映画。

 1981年制作、ロバート・マーコウィッツ監督によるヒューマン映画の傑作である。

 確か30年ほど前にTVの日本語吹替え版を観て号泣したのを覚えている
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 2005年制作、デヴィット・クローネンバーグ監督作品。

 主人公ヴィゴ・モーテッセンことトム・ストールは片田舎の町で妻エディーと息子ジャック、幼い娘サラと平穏で安らぎのある生活を送っていた。

 
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.2

 2017年制作、ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン監督作品。

 これって凄い! ゴッホ絵画が動いている!
 始まって30秒でその美しさに息をのむ。
 そしてただただ頭が下がる思いである。
 
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 2016年制作、J・A・バヨナ監督による英文学の原作をほぼ忠実に映画化した作品である。


 ダークファンタジーというジャンルになるらしいが、この作品の持つ世界はもっと深淵でありながら、希望へと繋が
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.7

 「Uボート」を観に行ったら併映でやってたのがこれで、縮み上がったのを覚えている。

 1980年制作、スタンリー・キューブリック監督による古典的ホラー映画の秀作である。

 ジャック・ニコルソンこと
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 2000年制作、スティーヴン・ソダーバーグ監督による大企業を相手に素人の子連れママが大規模公害訴訟で史上最高額の和解金を勝ち取った事案の実話映画である。

 2度の離婚後3人の子供を連れて自立してい
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 1991年にカンヌでパルムドールに輝いたコーエン監督の作品である。

 96年に「ファーゴ」、07年の「ノーカントリー」も各賞に輝いている。 
 コーエン兄弟の作品はいずれも風変わりと言っていいのか
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となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.4

 子供達が未だ幼児期で、自分もバリバリのサラリーマンをやってた頃に観たアニメである。

 1988年制作、宮崎駿監督によるヒューマン・ファンタジーアニメの傑作である。

 アニメの時代設定が昭和30年
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わらの犬(1971年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 サム・ペキンパー監督の1971年の傑作である。 

 彼がアクションシーンをスローモーションで表現するようになったのはいつ頃からだろう。
 「ワイルドバンチ」、「わらの犬」、「ゲッタウェイ」、「戦争
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 1989年制作、ジュゼッぺ・トルナトーレ監督による映画をこよなく愛する人々の映画である。

 ローマに住む映画監督として成功を収めているトト=サルバトーレの元へ、シチリア島の片田舎で暮らす母親からア
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(1963年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 1963年制作、アルフレッド・ヒッチコック監督の元祖アニマルパニックムービーの傑作である。

 大昔、荻昌弘の月曜ロードショーで観たのが最初かもしれない。

 資産家のご令嬢(ソーシャライツというら
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(1985年製作の映画)

3.9

 1985年制作、黒澤明監督の本格時代劇映画である。

 シェークスピアのリア王を毛利元就の「3本の矢」の逸話に落とし込み、戦国の世を情け容赦なく生きてきた一文字秀虎と息子3兄弟との確執、兄弟間の骨肉
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ニキータ(1990年製作の映画)

3.8

 「グラン・ブルー」に続くリュック・ベッソン監督の1990年の作品であるが、ただのアクション映画ではない。
 彼のテイストはダイナミックでありつつシャープでキレがあると感じている。
 そしてフランス政
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.8

 リュック・ベッソンの1988年制作の出世作である。

 二人の実在の天才的ダイバージャック・マイヨール(ジャン=マルク・バール)とエンゾ・マイオルカ(ジャン・レノ)の友情と葛藤を描いたものでジャック
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ローマの休日(1953年製作の映画)

5.0

 何回観ても面白いと思わせる映画である。

 1953年制作、ウィリアム・ワイラー監督によるラブコメディー映画の傑作である。

 ラブ・ロマンスコメディ+冒険活劇+王子と乞食というジャンルはないが、そ
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マグノリアの花たち/スティール・マグノリア(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 1989年の映画でアメリカ南部の小さな町の美容院に集まる6人の女性たちの絆と友情が描かれている。
 原作者で脚本を担当しているロバート・ハーディングの妹が重い糖尿病を患いながら、リスクを伴う出産を決
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影武者(1980年製作の映画)

3.8

 1980年制作、黒澤監督のカラーによる初時代劇で唯一歴史上の人物を取りあげたものである。

 確かに画家を目指していただけあってゴッホばりの絵コンテも素晴らしいし、映画の至るところに色彩美が溢れてい
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セブン(1995年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 1995年制作、デヴィット・フィンチャー監督によるサイコサスペンス映画である。


 ほぼ全編雨が降っている。
 鬱屈したカビ臭いジメジメ感がずっと続く。
 一転してラストの驚愕のシーンは荒涼とした
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コンタクト(1997年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 1997年制作、ロバート・ゼメキス監督によるSF映画の秀作で、天文学者でコーネル大学教授であったカール・セーガン原作の映画化である。
 
 流石に科学者が原作を書いているだけに物語の進行に科学と合理
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 1963年制作、黒澤明監督によるサスペンス刑事映画の傑作である。
 原作はエド・マクベイン「キングの身代金」である。よく当時の日本風土に落とし込んでいる。 
 

 大手製靴会社の重役権藤(三船)の
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キング・ソロモン(1950年製作の映画)

3.4

 1950年制作、コンプトン・ベネット、アンドリュー・マートン監督による冒険活劇映画である。


 宝探し、冒険、土人の襲撃、ラブロマンス、猛獣との格闘などアドベンチャー活劇物のエッセンスが全て詰まっ
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評決(1982年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 
 1982年制作、シドニー・ルメット監督による法廷劇の秀作である。

 久々にシドニー•ルメットの法廷劇を観た。

 ポール・ニューマンが「明日に向かって撃て」「スティング」「タワーリング インフ
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.0

 1958年制作、黒澤明監督による活劇時代劇の傑作である。

 百姓あがりの足軽である千秋と藤原の凸凹コンビがそのままC3POとR2D2になったのは有名な話だ。
 この二人、仲がいいのか悪いのかよく分
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招かれざる客(1967年製作の映画)

4.1

 1967年制作、スタンリー・クレイマー監督によるヒューマンドラマの名作である。

 物語はサンフランシスコの一等地に居を構えるドレイトン家のある日の昼下がりの出来事をコメディータッチで捉えたものであ
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

4.0

 原作はアメリカの文豪ジョン・スタインベックで本作によりピューリッツァ賞、ノーベル文学賞を獲得している。

 1940年制作、ジョン・フォード監督により西部劇タッチのヒューマンロードムービードラマにな
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

3.9

 1998年制作、スティーブン・スピルバーグ監督による戦争映画の傑作である。

 数ある近代戦争物でも「西部戦線異常なし」、「史上最大の作戦」、「遠すぎた橋」、「レマゲン鉄橋」、「戦場にかける橋」など
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蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 黒澤監督がシェークスピアのマクベスを日本の時代劇に落とし込んだものだが、物語展開に何らの違和感もない。つまりは原作が人間の本性や普遍性によって構築されているからに他ならない。

 1957年制作、黒
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版(1984年製作の映画)

5.0

 今回エクステンデッド版(251分)を堪能した。
 封切り時、11PMの今野雄二氏がベタ褒めしてたのを見て思わず劇場に観に行った記憶がある。
 以来洋画では自分の中で最高位を占める1本となっている。
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 1957年制作、シドニー・ルメット監督による社会派ヒューマンドラマの傑作である。

 プロローグとエピローグ以外一部屋の中からカメラは出ない。それでいてそう感じさせないのは本がよくないと出来ない。物
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冒険者たち(1967年製作の映画)

3.7

 大昔に観た映画だが、その新鮮さは色褪せていない。
 1967年制作、ロベール・アンリコ監督によるフランス映画の秀作である。

 爆発を繰り返すロケットエンジン車の開発に余念のないリノ・バンチュラ演ず
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