お人好しで色気ありの勝新と、河内弁が心地良い田宮二郎のバディシリーズ第一弾。両者にとって出世作といってもいいのではなかろうか。特に勝新がまだまだ初々しくて可愛らしく。
そんな勝新と絡む3人の女性。中>>続きを読む
幼き日に出会い、そしてあっけなく別れた二人。大きくなり再開したがかたや検事候補生、こなたヤクザと相対する立場になっていて・・。
前半は検事を目指す葉山良二、後半はヤクザの裕次郎メインで描かれ、両者に>>続きを読む
前半はドタバタが過ぎるが安部徹登場あたりから通常?の・・言ってみればいつもの日活映画、よくある裕次郎作品らしい話の展開とトーンに戻る。だが演者が魅力的で、なにより映画として面白いのは圧倒的に前半〜中盤>>続きを読む
“衝撃のラスト”だの“ネット社会の恐怖”だのといった煽りや、ストーリーなどの前情報をほぼ入れずに観た。前情報がなくても支障なし、というよりはないほうが堪能できたと思う。
不穏が大好き。ある意味フェア>>続きを読む
その昔、裕木奈江目当てでレンタルビデオを探しました。中嶋朋子が意外?にキュート。
おなじみ大映若手陣が織り成す恋愛モノ。なのに題材や観念が古いせいか、それとも全体的にテンポがスローなせいか、今の目で観ると~致し方ないのだが~どうにも溌剌とせず。それでいて「カックン」や「キンゼイレポ>>続きを読む
007シリーズのヒットを受けて、海外のみならず日本でも“もどき”な作品がいくつも作られたそうな。今作もおそらくそういう狙いの一本。知らんけど。
冒頭からテンポよく初期007風の(つまりは今の目で観る>>続きを読む
documentary or fiction?
ドキュメンタリー風に進むが、途中から(よく観ると最初から)フェイクの面が露わになってくる。
蒸発した婚約者を探す女性とレポーター役の露口茂が地道な捜査>>続きを読む
2年前の『空の大怪獣ラドン』がカラーだったのに今作は再びモノクロに。そのせいもあったのかなかったのか、とにかく地味でパンチが弱い。
東北の山中に謎を求める設定(日本のチベット!)やバランが東京を目指す>>続きを読む
炭鉱内の暗闇を基調とした前半のサスペンスパートと、一転青空の下で繰り広げられる後半の対ラドンパートのコントラストが見事。東宝特撮初のカラー作品とのことだが、特に後半は淡く鮮やかな青空や阿蘇のシーンの溶>>続きを読む
ノーラン過去作のショーケースとでも言うべき内容。そつなく陳列されているがどれも棚の中なので手に取ったり間近で良さを享受できない、届かない感じも。
全体として整合性〜そして相変わらず複雑に見える構造を親>>続きを読む
当然ながら序盤は頭上に「?」をいくつも浮かべながら観る。そしてそれが徐々に明らかになり、ここからの道のりや“目的地”が推測される。作り手がうまく「誘導」しながらも、本意はまだ隠しているのだろう・・とい>>続きを読む
『ゴジラ』の大成功を受けて急遽制作され、前作から半年弱のスパンで公開されたシリーズ第2作。
急いで作った影響で物語に深みはなくアンバランス(後述)だが、特撮自体はなかなかどうして頑張っている。勇猛な航>>続きを読む
ユーモアさ、ブラックさ、シニカルさ、蒼さ、愚かさ、ほろ苦さなどが不適なバランスで詰まっている作品。冒頭の親族紹介のくだりでもうオールOK。満島ひかりに似た電報係の娘が美しい。
当時28歳の監督自身が医>>続きを読む
黒シリーズ2作目(当時はこの作品の前に公開された『真昼の罠』などもシリーズとしてくくられてもいたようだが)は、前作の企業スパイモノから打って変わっての法廷モノ。
増村らしくダレない締まった展開だが、>>続きを読む
「主従逆転乗っ取りモノ」なのだがそれだけにあらず。主と従の二人に次第に精神的かつ性的依存が顕になっていく様がつとにエロティック。
生きたカメラワークと、部屋の間取りや鏡(や影、椅子など遮蔽物)などを>>続きを読む
潜水艦のセット〜よくできていると思う〜撮影と、実際の記録映像を組み合わせて小気味よく観せる。
死にゆく悲壮感や反戦の気持ちは質・量ともに過剰になり過ぎずに、でもないがしろにせずに描いている印象(軍医長>>続きを読む
スコセッシには珍しい女性が主役の一本。
そもそも映画の成り立ちが当時離婚したばかりのエレン・バースティンありきだったせいもあって、後のスコセッシの諸作品とは少し異なる手触り。
でも至るところに伺える>>続きを読む
愚連隊シリーズの番外編的作品・・だが全く異なる作風のソリッドな密室劇。
マルキの3(←トーチカの“住所”ね)の五人のキャラクターのコントラストと、トーチカ内に響く機関銃や外からの爆撃、またそれに伴って>>続きを読む
『さすらいのレコード・コレクター』のシネ・ヌーヴォでの上映に合わせて、小田監督がインスパイアされて作ったという短編作品。
実は『さすらいの~』の上映前に、ヌーヴォの支配人さんから撮影に適したレコード>>続きを読む
怪談の名よろしくちゃんと幽霊は出てくるが、話の殆どが欲にまみれた3人の男女間で繰り広げられる生臭話に終始している。しかしそのバランスといいオチの付け方といい全体的になかなか秀逸。下手に幽霊だ怨念だとし>>続きを読む
白黒でより際立つ光と黒のコントラスト。細かいディティール描写に下支えされた容赦ない状況が続くも、ところどころに市川崑らしいスタイリッシュを感じる。その「線」を引いたソフトな抑制がかえって観るものの心を>>続きを読む
「カプセル怪獣計画」から飛び出した不思議でリリカルな一作。
“Youtube版”は未見で、タイトルから可哀想(昔から光の巨人より怪獣に興味や関心や憧憬や同情を寄せるタイプだったので)な展開になるかと気>>続きを読む
繊細な光、音、空間に彩られた静謐かつ残酷、そのじつとても優しい作品。
映画自体に、あるいはそれぞれの場面や描写にいちいち解を求めるものではない、というのは判っている。
冒頭の902号室(特にこれは未>>続きを読む
“前作”との関連性はない。
再登場のキャストは全員別の役柄だが、一部の役は前作と似たような造形や立ち位置なのが面白い。佐藤允、中谷一郎、江原達怡、中丸忠雄、中山豊等々。
前作の西部劇テイストとミステ>>続きを読む
(西部劇+ミステリー)÷日中戦争という公式はどうやって思いついたのか。この図式だけで「勝ち」だぞ岡本喜八。
テンポの良い展開の果てに多くの登場人物が死を迎えるのだが、そこはウェットにも教義的にもなり>>続きを読む
小津がただ一作、大映で撮った作品。
いつもの小津のように見えて、そのじつなかなか異色な感じに(でも観終えてみれば小津映画以外の何物でもないのだが)。キャスト、カメラワーク、“家”を持たぬ人々という設>>続きを読む
ドローンを駆使したかのような理知的なカメラワークやアングルに冴えを感じたり、セリフの大部分を占める主人公の独白やチグハグで行き当たりばったりの行動の乱調子ぶり(「完璧」や「綿密」と謳っていたが・・)に>>続きを読む
これまでの作品に多くみられた「外連味」と、これ以降の作品に多くみられる「エグ味」が混ざった、いかにも“64年型増村”な一作。
悪いやつらばかり出てきているように見えて、実は主演の田宮二郎とあややは正>>続きを読む
タイトルからすでにそうだが全編に「無邪気な郷愁」が漂う1作。無邪気でそしてのどか。いかにもウディ・アレン的だが今回は珍しく?毒気のほぼない笑いもそこかしこにいい感じで放り込まれる(と同時にノルタルジー>>続きを読む
「川島雄三の作風」というのはなかなか難しい。
いくつもの会社を渡り歩き、様々な俳優を起用し、雇われ監督の時もあれば自我が出過ぎたアンバランスなフィルムメーカーの時もあり、(その結果)作品ごとの手触りの>>続きを読む
好きな監督なれど、60年代真ん中頃からの増村は“エグみ”が増して、観ていて少し疲れてしまう。なのでこの作品もなんとなく避けていたのだが、それ以外に特に観ない理由もないので今回の「若尾文子映画祭2020>>続きを読む
ミステリアスな空気を醸し出し、途中からおや?いわゆるメタ構造ってやつ?それでここからどう展開するの?と期待した中盤あたりが作品としての(さして高くない)ピーク。結果論だがそこから如何様にも面白く持って>>続きを読む
今作の2年ほど前に公開された『新婚日記』2作とはタイトルは似ているが全く無関係。共通項は若尾文子主演ということくらい。
(当時としては“進んでいた”であろう)夫婦関係や男女問題が描かれているが、それ>>続きを読む
で、その『〜恥しい夢』の続きの作品。同じくらいのサイズで、だいたい同じようなテイストで。
寝坊して慌てて布団を畳むシーンの「天丼」で前作との連続性を描写。2本同時進行もしくは連続で撮った?
品川隆二>>続きを読む