matsukawaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

5.0

想像してたのとは全然違う、思索と探究の物語でびっくり。
狭い世界で生きているからこそ深くなる子供の探究心が活き活きと描かれています。

収まりの良さに飛びつかず、子供が抱えるモヤモヤに最後まで付き合い
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

5.0

最初のシーンだけでフランクとメアリーとフレッドが大好きになっちゃって、出会って5分で映画に恋したみたいな気分に。
好きすぎて何から褒めたらいいのか分からなくなる。

スチルを見ただけで泣きそうになるシ
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.5

アメリカンコメディのフレームワークに完全準拠していながら、楽しさが足りない。
コメディ要素をペク・リン一家に丸投げしてシリアスやるのはズルいよ。
オークワィナは最高でしたけど。

欧米個人主義と非欧米
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

5.0

こういう映画に点数つけても意味ないとはいえ、敬愛する人物に先立たれた側が作る映画としては満点のやり方ではないでしょうか。
若松孝二という天然モンスターを主役にするのではなく、吉積めぐみという「普通の人
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.0

勘の良さ、反射神経、リズム感、ある種の身体能力の高さ(身体の使い方がめっぽう上手い)等々、大泉洋が持っている才能を小松菜奈も丸々全部標準装備しており、このよく似たタイプの天才二人を眺めているのが無類に>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

4.0

シリーズ化されただけで尊い。
デンゼルの身体が動くうちにじゃんじゃん作っちゃってほしい。
多少のクオリティーのアップダウンは大丈夫です。

万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

余白少なめで情緒が詰め込まれて、ややお腹いっぱいになりつつ、時折ぱっと手を離されて宙に浮くように軽くなる。その快感にヤラレてしまう。

相変わらず子供演出は驚異的で、特に凛ちゃんの実在感が凄い。
兄妹
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未来のミライ(2018年製作の映画)

1.0

そこが主題ではないと言われても、やっぱり血縁大好きにしか見えないし、まあそれは自由だけど、気持ち悪い。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

エンドゲームを引き継ぐマルチバース設定がこんなに貧相な安普請なのか?と思いつつ、好意的に見る努力を続けていると、「全部嘘でした」という小学生レベルのどんでん返しを得意げにかまされる。
いや、最初から嘘
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心と体と(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ビジュアル的に印象的なシーンが多く、それら全てが、シーンの要請に的確に奉仕していて、隅々まで巧み。
どうやって撮ったのか不思議な(しかしCGには見えない)鹿のシーン。
「上から見下ろす」ロングショット
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

5.0

主役二人の男の子が最高に面白い。
特にチック役の逸材ぶりが凄い。演技経験なさそうな雰囲気なので、たぶん素であんな感じの子なんだろう。すっとぼけた顔とすっとぼけた体の動きが終始面白いし味わい深い。
対す
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

5.0

理不尽な暴力の中の人情と信頼。「高地戦」と同じ筆致で光州事件を描く。

何も知らないノンポリのタクシー運転手が見たものを順番に見せられることで、観客にも徐々に事態の深刻さ恐ろしさが体感されてくる。
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

5.0

広角レンズ。大胆なズームアウト。饒舌な構図。無表情。ハイテンポな会話(棒読み)。音楽。
全てが有機的に結び合い、見る快楽と見られる恐怖みたいなものに包まれて、目が離せなくなる。
カメラワークはキューブ
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クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

5.0

クライマックスの戦闘シーンがドラッギーでクレイジーで独創的で度肝を抜かれたら湯浅政明でした。
このシーンだけ質の高い音楽みたいで、繰り返し観たくなる。それでいて徹底的にくだらなくて最高。

全体的な完
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.0

怪獣の美しさが尋常じゃない。
ビジュアルだけで感動しちゃうレベル。

説得力ゼロのストーリーと魅力の薄い人間たちが相当な尺を占めているけど、その退屈さを余裕で吹き飛ばす怪獣シーンのカッコよさ。
最高の
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

スティーブ・ロジャースの人生とトニー・スタークの人生、どちらもこれ以上ないくらい愛に溢れた結末を見せてもらって感謝。
おまけに、スティーブからサムへ、トニーからピーターへと、次世代へ価値あるものが引き
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年製作の映画)

4.0

とにかく何よりエンドロールが最高に良い。
熱海から春日部へ、野原家が電車を乗り継いで帰って行く道程がじっくり描かれる。
非日常が終わってしまう寂しさよりも、日常へ帰る幸せの方が少しだけ大きい。旅先から
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.5

シリアスにもオフビートにも振り切らない様が中途半端なようでもあり、今っぽさのようでもあり。
ギョッとする題材の割に話は比較的穏便で、本当にキツい部分は周到に避けている印象。
客観的には充分不幸なんだけ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0

世界一見たくない映画「國民の創生」を延々と見させられる(しかもKKKの応援上映付き)という、考えうる最悪の拷問のようなシーンはもはやホラー。
「國民の創生」からシャーロッツビルまで一直線に繋がってるん
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バンブルビー(2018年製作の映画)

3.0

トランスフォーマーシリーズで初めての「誰が何をしてるか分かるアクション」「ギミックが分かるトランスフォーム」「とりあえず意味は分かるストーリー」で、快適に見れる。
細部のストーリーは雑でご都合主義だけ
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

1.0

スパイダーバースの後でこれはキツい。

焦点の定まらない話を古臭い演出でダラダラと進める退屈さ。辛い。
「ギャグをやりたいがために必死だな」って場面が多すぎて笑うに笑えないし。

主人公をオフビートで
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

すごいすごいすごい。
スパイダバースの後では、ピクサーも実写MCUも、みんな重くてモッサリした(若干観るのが面倒な)旧時代の遺物に思えてくる。(観るけど)

アニメーション技術の凄さも驚異的だけど、そ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

2.0

なんとも複雑な気分。

マハーシャラ・アリの演技が本当に本当に素晴らしく、複雑な人物像を繊細に精密に演じていて、演技そのものに感動してしまう。

にもかかわらずこの映画の主人公はあくまで白人で、ドン・
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.5

音声だけなのに、おぞましさも忌まわしさも嫌というほど映像で喚起されてくるのはすごい。
音演出も面白いけど、何よりも度々訪れる「無音」の数秒間が恐ろしい。息を飲むとはこういうことで、まじで息ができない。
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

5.0

作品に必要な撮影技術を徹底的に追求するキュアロンの才能と熱意がもはや宮川一夫レベル。
真下を向いたカメラから始まり、空を見上げて終わるまで、全カットが素晴らしい。
印象的なパンニングや水平移動では、観
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サスペリア(2018年製作の映画)

5.0

まさかラストで泣くとは思いもよらなかった。こういう話に弱いです。
山のように要素が詰め込まれててたぶん半分も理解できてないけど、クレンペラーの魂の救済はしかと受け取った。

「君の名前」と同様、「生理
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

2.5

暗闇がちゃんと闇になっているその一点だけはとても良い。
でもせっかく闇を活かした「怖そう」が「怖い」になる前にあっさり切り上げて弛緩したシーンに移っちゃって全然盛り上がらず。しかも弛緩タイムが必要以上
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.5

熱い感動モノかと思って身構えてたけど全然そんなことなく、軽快にスルッと流れる。苦悩とか葛藤とかも割と軽い感じで処理されて、再現フィルム感が強いけど、でも悪くない。
演出や脚本や一部役者の演技など、いろ
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

5.0

これぞポン・ジュノ印。久しぶりに堪能しました。
祖父と孫の二人暮らし。父親への嫌悪。憎み合う姉妹。
血の繋がった家族はいずれも何らかの欠落や歪みを抱える一方、ALFメンバーの血の繋がらない者同士の関係
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ときめきに死す(1984年製作の映画)

5.0

「彼」の人生にも幸せだった時間が少しはあったろうかと、記憶を辿って様々なシーンを思い出してみても確信が持てず、不安になって心細くなる。
なんとかハッピーエンドにできないものかと何度も何度も考えてしまう
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ヴェノム(2018年製作の映画)

1.5

冴えない。
ルーベン・フライシャー、ゾンビランドがまぐれだったのかな。
ヴェノムとトムハという最高の素材でこの体たらく。残念です。
脚本と編集が酷すぎるとは言え、演出も褒められたものではなかった。
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

4.0

ジェンダーロールの逆転ぶりが今の映画らしくて清々しい。
妊婦である母は一人で苦境を乗り切り、誰の力も借りずに一人で出産。
父はいつも肝心な時に間に合わず、役立たずの父に出来ることは子供のための自己犠牲
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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

4.0

キャラクター一人一人に敬意を払っているので、真っ当で良質なドラマになっています。
それだけに最後のブリッジのシーンがショックですが、まさかのアントマンがその件の解決の糸口になるように思えなくもないのが
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

5.0

「動く画」の面白さをますます純化させて、もはやキートン映画みたいになってきてる。
映画愛とインテリジェンスと品の良さで結ばれたクルーズ&マッカリー。もう二人で一つの生命体のようだ。
最高。

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

5.0

匂いとか触感、痛み、温度、気配、色々な生々しさが漂う。魅惑的だったあの頃の「映画」みたいで、ドキドキしながら薄汚い映画館に座っていた子供の頃の感覚を久しぶりに思い出した。
暗闇で見てこそ妖しく輝く映画
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セトウツミ(2016年製作の映画)

4.0

自分の居場所を見つけたり、誰かの居場所になったりするお話。
ちょっとした「ムーンライト」感すら漂わせる繊細さは主演二人に負うところが大きい。
特に菅田将暉の天才っぷりを最近忘れかけてたので、改めて感嘆
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